2019年3月3日日曜日

『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごい時間術』

ソフトバンクの草創期に経営企画室長をやっていた三木雄信氏の著作。
「そもそも上司とは、ちゃぶ台返しをするものである」と言う前提のもと、だったらどうしたらそのちゃぶ台返し、いわゆるむちゃぶりに対応できるか、と言うメソッドを記載したノウハウ本。
今は自身も独立して、会社社長として社員の残業を減らす仕組みを構築している。
ソフトバンクの孫社長という極端な事例(人)だからこそ見えてくることがあるのかもしれない。

「時間は人生で最も貴重な資源である」
これが孫正義社長の生き方の根底にある考え。

そもそも、時間の使い方には「投資」「消費」がある。
「消費」とは、「今の幸福度を高めるが、将来の幸福度を高めるものではなく、かつ無形資産にならないもの」
「投資」とは、「今の幸福度は下がるかもしれないが、将来の幸福度を高めるものであり、かつ無形資産になるもの」
時間管理も、お金の投資と同様、目的別にアロケーション(配分)を考えてポートフォリオを組む必要がある。時間投資のROIを最大化する時間の使い方をすべき。


「10秒以上考えるな!」が孫社長の口癖だった。これは「10秒考えてわからないことは、それ以上一人で考えても答えは出ない。だから人と議論したり、意見を聞いたりしなさい」ということ。
孫社長にとって仕事とは「10秒以内の判断の積み重ね」。
そしてミーティングは「判断材料を揃えて意思決定する場」という位置付け。よってソフトバンクの会議では「検討中です」は禁句。そんなことを言おうものなら、その人は二度と会議には呼ばれなくなる。
ミーティングで意思決定するには、「情報」「権限」を揃えることが必要。よって「会議に誰を呼ぶか」は非常に重要。

お金をかけずに他人の時間を買う方法がある。それは、成功事例を共有すること。 他人が時間をかけて得た知恵や情報を共有することは、立派な「時間を生む技術」。

などなど、具体性に富んだノウハウが展開される。
孫社長との具体的なやりとりも書かれていて、孫社長の人となりを垣間見る感じでそれも楽しく読めた。