2009年10月31日土曜日

『女教皇ヨハンナ』

某広告代理店の天才(と思っている)プロデューサーN氏からのお勧め本。
ミステリアスな歴史物が好きなことを見込まれてのことだと思うが、見事にはまって2日で通読してしまった。
主人公は、ヴァチカンの公式記録では抹消されたとされている女教皇ヨハンナである。
あとがきで、どこまで史実に基づいているかの解説がついているのだが、それを知ると、宮城谷昌光氏の中国歴史ものと一緒で「よくぞここまで面白くふくらませた」感がある。
前段では、男尊女卑という”当時の常識”、キリスト教布教の実態というものがエピソードとして語られており、現代に生きる我々に以後のストーリー展開を共感させるための伏線となっている。
「性」を偽って生きるということは現代日本においては不可能ではないかと思えるが、9世紀とはいえ、事実だとするとちょっと考えただけでも相当困難を伴ったものであったであろう。
映画化が予定されていて、ドイツでは既に公開されているという話もきく。楽しみである。

おっと、その前にレンタルが開始された「天使と悪魔」のDVDを見なければ!

2009年10月25日日曜日

新型インフルエンザ その2

下の子供がインフルエンザA型と診断されて、先週1週間は潜みながら仕事をしていた。
熱は2日位であっという間に下がったのだが、その後きっちり養生しなかったせいか、再び熱が出て頭痛が酷いというので木曜日に子供を近くの病院に連れて行った。
小児科でみてもらったのだが、恐らくインフルエンザによって免疫力が低下して別の感染症にかかったのでしょう、という診断であった。
薬を飲みながら養生していたのだが、土曜日の夜に今度は「耳が痛い」といいだした。
鼻水を思い切りすする癖があるので、中耳炎になったのではないか、というのが妻の見立てだったが、何分夜に寝ることができないというので、再び同じ近所の病院に連れていき夜間診療で診てもらった。
夜間当直は、研修医の先生で、耳の中を拡大鏡でみて、「今の所、それほど酷くないので、また鎮痛剤飲んで痛みが引かないようであれば、明日(日曜日)小児科に来て下さい」と返された。
周りには他に5〜6組のインフルエンザと思わしき親子が来ていた。救急病院に指定されているので、何度か救急車が来ては急患を運び込んでいるようだった。

さて、やはりといおうか、耳の痛みはなくならないということなので、仕方がない。
本日(日曜日)朝、病院に行って診察を受けることにした。
行ってみるとそこはまるで、野戦病院のような込み具合。
シートの至る所に子供がふうふういいながら寝そべっていて、その親が心配そうに付き添っている。
指示通り「小児科」を受診したものの、すごい数の患者で、看護婦さんにどのくらいかかりそうか時間を聞いても「間違いなく1時間以上はかかります」というのみ。
結局受診するまでに4時間30分。
さすがに子供も疲れたようで、会計の前に先に家に帰そうと、家に電話すると妻が
「残念なお知らせがあります。
○○○(上の子供の名前)が高熱を発熱です。。」
妻とタッチ交代で、上の子供は妻が付き添って受診。やはりインフルエンザとのこと。

ふたたび会社に大手振り振りでれないようだ。
また諸々調整せねば。
これで来週あたり、自分が罹患したりすると本当に周りから愛想を尽かされかねない。
気をつけねば。

2009年10月24日土曜日

みらい畑

ららぽーと柏の葉の中に、「みらい畑」という2坪の野菜工場が設置されてました。
これは以前、書いた株式会社みらいが五香の野菜工場のミニチュア版をショッピングセンター内につくったものです。レタス・ハーブなど月生産量は500〜600株ということですが、白色の照明で美味しそうだった五香の工場に比べ、紫の照明で美味しそうに見えませんでした。ちょっと残念。
試食、収穫体験の他、採れた野菜の一般販売もあるそうなので楽しみです。
2009年12月までの期間限定です。

『経営の見える化』

株式会社武蔵野の小山昇社長の本。
タイトルにあるようにベースとしては『経営計画書』の重要性とその考え方について紙面が割かれています。

○「見える化」と「見せる化」は違って、変化のプロセスが追えるようになっていないと「見える化」にならない。
○マーケットには「ライバル」と「お客様」しかいない。
 だから経営判断を正しく行うための5つの情報は
1.実績報告(数字)
2.お客様からの声(褒められたことやクレーム)
3.ライバル情報
4.本部・ビジネスパートナー情報
5.自分・スタッフの考え
この順番で報告する。
○コミュニケーションは「回数」である。部下と飲みにいった回数を月末に報告させる。
○社員のモチベーションを高めるためには、「インプットはデジタル、アウトプットはアナログ」の方が適している。
インプットもアウトプットもデジタルという考え方は、データを活用したり、作業効率を高めるうえで有効だが、情報(=もの)を扱うならデジタルでアウトプットしてもいいけれど、感情(=心)に働きかける場合には、アナログでアウトプットした方がいい。
なぜなら、「見たら分かる」と「見た」は違うから。「いつでも、誰でも、閲覧できる」状態は「いつも、誰も、閲覧しない」につながりやすい。
○何回現場に行ったか「現場百回帳」をつける。
などなど、納得できる斬新な考え方もある一方、

△課長職以上(50人)の360°評価(投票)で査定し、社員の序列をつけていて公表している。
結果に文句がある場合には50人に自分の評価をあげてもらうようお願いしてこい、と話ている。
それで引き下がるということは納得したということ。
△飲み会は社長の自腹の方が社員は喜ぶ。
△同僚の真似をして成果を上げると賞与倍増。
△バスウォッチング(他現場視察)して、気づきを50個あげないと罰金
など、ちょっとオーナー企業でないとできそうもないアイデアまで色々書かれています。

基本的には、性悪説にたって社員をどのようにマネジメントしていくのか、という明るいノウハウが書かれている感じですが、オーナー企業ならではの手法も多く、通常の上場企業においては中々実行できそうもないことも多々あります。
それでも20年前の創業以来増収増益を続けている実績ノウハウはすごいものがあります。
真似したくないけど凄いってのは、やっぱり凄いってことなんでしょうね。



2009年10月22日木曜日

『15分以上誰とでも会話がとぎれない!話し方66のルール』

パーティ等で知らない人と話をするのが実は苦手だったので、本のタイトルを見て飛びついて購入してしまいました。

通常知らない人と会話をすると必ず訪れる恐怖の”沈黙タイム”においても、”やさしくアイコンタクトをとりながら5秒待つ”という教えがあってとても安心しました。
さらにそれでもダメなら、再度”共感の言葉”を送ってみるとか、会話をさかのぼって質問してみる、という展開も教えとしてあり、実践してみたくなりました。

また、「○○なのでしょうね」「○○なさるのでしょうね」という漠然とした言い回しが回答する側のイメージを広げて会話が続き易くなるとのことでしたので、このフレーズも使用してみたく思います。

会話で大事なのは、「お互いがどんな人かわかる」ように話したり聞いたりすることなので、「自分がどんな時にどんな振る舞いや選択をするか」に意識を向けるようなネタふりが大切なのだそうです。
 
いきなりオープンクエスチョンだと答える側が困るので、最初はyes no で答えられるクローズドクエスチョン、会話が続いて人柄についてのエピソードが出て来たらオープンクエスチョンに切り替えるというのが”通”の会話展開のようです。

こういうノウハウ本のいい所は、そのノウハウを実際に使ってみたくなることです。
苦手意識を払拭して、すこしでも会話スキルを磨きたく思います。


2009年10月21日水曜日

テンセグリティ

『テンセグリティ』とは第二次世界大戦後、バックミンスター・フラーとケネス・スネルソンによって作り出された概念/モデルである。
これは”tensional"(張力)+"integrity"(統合、整合性)という2つの言葉を結びつけた造語である。
「張力によって整合性がとれている状態」をテンセグリティと言い換えることで、この考え方が組織論、人間関係論にもあてはまるのではないか、というピープルフォーカス・コンサルティング黒田由貴子さんの説が日経新聞に載っていた。

従来の組織はピラミッド型が多く、”柱を多くすることで強くする”という考え方だが、どこかひとつがダメになるともろく崩れる可能性があり、また簡単に形を変えられないため、変化への対応性が低い。
一方、テンセグリティ的な組織の形は、たくさんのチームとそのネットワークから成り立つ球形に近いもので、今日のように変化のスピードが速い世の中に対応できる組織となっている。
多くの組織はピラミッド型と球形、2つを組み合わせているが、どちらに重きをおくかで、組織のしなやかさがかわってくるという説だ。

リーダーシップに関しても、
①先見性や情熱でメンバーを引っ張る「牽引型」
②明確な判断基準で指導する「人格型」
③社員に奉仕する「奉仕型」
④つなぎ役としてメンバーが力を発揮できる環境をつくる「触媒型」
があり、④の「触媒型」がテンセグリティ的組織の中で必要とされるのだそうだ。

ビジョンを持ち、組織活動を通じてそれを実現しようとするため、自分の考えを積極的に述べ、行動をおこす”フォロワーシップ”をもった理想的フォロワーは、リーダーとの違いが曖昧で互いの意志や熱意が拮抗する『張力』のような関係になる。
この”フォロワーシップ”が、上下関係の無いテンセグリティ的組織には大切なのだそうだ。

テンセグリティについては、大好きなアートの本で以前から知っていたが、それを組織論、人間関係論にあてはめる考え方があったとは驚きであった。


2009年10月19日月曜日

『マインドマップ会議術』 高橋政史 大嶋友秀

マインドマップを利用した会議術のノウハウ本です。
しかしながら、その理論を述べるのに非常に素敵な引用が多い本です。

「言葉」の壁を乗り越えることが如何に重要であるかを示すためのメタファーとしてのバベルの塔の話や、薬師寺西塔の再建の話が出て来ます。



<バベルの塔の物語>
その昔、民は一つで言葉は一つだった。人間はみな同じ言語を話し、一致団結して天(神)に届くような高い塔を建築していた。
この企てに怒った神は、言葉を乱した。一つだった言語を、多言語にした。
それにより人間は意思疎通ができなくなった。
言葉の「壁」ができ、「バベルの塔」は崩壊した。

<心の中に塔が建った>
昭和を代表する宮大工、西岡常一棟梁が薬師寺西塔の再建プロジェクトで言った言葉。
プロジェクトにあたって、西岡棟梁はすぐに着工せずに職人達との「対話」からはじめた。
その期間は実に2ヶ月。職人達の気持ちをそろえ、言葉の「壁」を超えるためだ。
結果、少なくとも3年はかかるであろうと言われた薬師寺西塔の再建は、対話期間も含め2年半で成し遂げられた。


マインドマップを用いた会議術としては”STARサイクル”というのが紹介されていますが、このマインドマップ会議術の”肝”は『単語』で案を出し合うことかと思います。
その理由は『単語』だと否定できないから。
『単語』だと出された側が質問をするようになり、傾聴が生まれるのだそうです。

その他にも「割れた窓理論」やチクセントミハイの「フロー」関連の話も出て来て、非常に共感がもてました。
後は実践あるのみなんですが、マインドマップも変に有名になりつつあって、使うには勇気がいります。
非常に有効な議題のときもありますので、活用していきたく思います。

『世界は分けてもわからない』

福岡伸一氏の本。
最近出たので、最新作かと思いきや、連載されていたものをまとめたものであった。
エッセイ風になっていて、「なぜ人は視線を感じるのか」「マッハ・バンドの錯視」「マーク・スペクター事件」など個人的には面白いテーマが続くのだが、全体で見ると一貫したテーマが読み取りづらいものとなっている。


その中でもTRANSPLANTと呼ばれる”臓器移植”の表現は秀逸。
>>
切り取られ無理矢理はめ込まれた部分としての臓器に対して、身体はその不整合ゆえにけたたましい叫び声をあげる。
激しい拒絶反応が起こり、異物排除のための攻撃が始まる。
不連続な界面に、全身から白血球が集まり、抗体が生産され、炎症が発生する。
なんとか臓器が持ちこたえられたとしても、免疫応答を押さえ込むために、強力な免疫抑制剤が処方されなければならない。
果てしない消耗戦であり、レシピエント(臓器の受け取り手)側は免疫能力全般のレベルダウンを余儀なくされ、新たな感染症に怯えねばならない。
しかし、ここに奇妙な共存関係がなりたつこともある。
レシピエントの免疫系は、やがてその攻撃の手を緩め、ある種の寛容さを示したかに見えるようになり、移植臓器も、完全にしっくりとは行かないまでも、周囲の組織と折り合いをつけるようになる。
文字とおり、植えかえられた植物のごとく、新たな根を張り、茎を伸ばして、血管系や神経系を徐々に再生して、代謝上の連携をむすぶようになる。
ひととき、大きくかき乱された平衡は、徐々に新たな平衡点を見つけるのだ。
生命現象が可塑的であり、絶え間の無い動的平衡状態にあるとはこういうことである。
>>
福岡氏の次回作に期待したい。

新型インフルエンザ

下の子供が週末に体調を崩し、病院で「A型インフルエンザ」との診断を受けた。
この時期、A型インフルエンザと出れば9割方が『新型』ということで、更なる詳細な検査は行わないまま『新型』扱いとなるらしい。
家族は濃厚接触者ということで、会社を休んで自宅待機中である。
当の子供は熱も大分下がって来ており、結構元気(?)に家の中で好きなことをやっている。
と思ったら、連絡網で子供のクラスが明日から来週まで学級閉鎖とのこと。
妻は、「一週間も家からでられない子供と一緒だと思うと辛い〜」と泣き言を言っている。
泣き言いっていても始まらないので、このめったにない状況を楽しんでしまうことに決めた。

2009年10月18日日曜日

「本日の株価」

ららぽーと柏の葉に「梅の花」という飲食店がある。
お豆腐を中心とした和食のお店である。
入り口の待機スペースのところに「本日の株価」というのが貼ってあって、日々更新されているようである。
一応株主優待の話が上に書かれていたので、「株主優待を考えると我が社の株はお買い得ですよ」というアピールが趣旨なのだと思われる。
しかし、更なる効果として従業員のモチベーションアップにもつながっているのではないだろうか。
自社の株価というのは、経理部門の担当だったりしないとなかなか日々意識はしないものである。
それが店先に(お客様にみせるカタチで)見える化されているとなれば、当然意識せざるを得ない。
なかなか考えているなと唸ってしまった。
(自社でやろうとすると、ちょっとおっかない気はするが。。)

ピノキオプロジェクト

先週末、柏の葉で行われたピノキオプロジェクトを見て来た。
妻と子供はリーディングチームに参加し、何日も前から事前準備を行いながら『ピノキオシティ』を作っていたこともあり、当日は早々に出かけてしまった。
ららぽーと柏の葉のクリスタルコートにつくられたピノキオシティは楽しげなコーナーがたくさんあって、子供達が大喜びで楽しんでいた。
就業体験ができる『ピノキオマルシェ』も今年は参加が有料(300円)だったにもかかわらずすごい人気であった。
東葛辻仲病院や京葉銀行など地元の企業も就業体験のために一肌脱いでいる感じで、地元をあげてのイベントになりつつあると感じた。

2009年10月11日日曜日

銀シャリ

妻が病気をしてから、我が家のご飯は”玄米”か”○分付きの米”ということで、ここ1年近く家では白米を食べていなかった。
子供達からはそれに関する不平を聞いたことも無く、あまり意識もしていなかった。
この前、白米しか手に入らなかったのか、それともどなたからか頂戴したのか分からないが、久しぶりに白米が食卓にでてきた。
それを受けて、子供達から「白米がたべられるなんて、うれし〜」との大合唱。
口には出さなくても我慢してたってことだなと思いつつ、正直自分も「やっぱり炊きたての白米は最高〜」と思ってしまった。
我が家は戦中戦後の食卓か、独りつっこみながら、”銀シャリ”のうまさを噛み締めたのであった。

『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』

東京大学特任教授の妹尾堅一郎先生が書かれた本です。
「日本は科学技術大国だが、科学技術立国になっていない」という危機意識のもと、これから日本が進むべき方向性についての考察が述べられています。

妹尾先生の述べるには、これから世界で戦っていくためには三位一体型戦略が必要であり、現在の日本にはそれを構築する”軍師”がいない、とのこと。
三位一体型戦略とは
①研究開発戦略:製品の特徴(アーキテクチャー)に応じた急所技術の見極めとその研究開発。
②知財戦略:知財マネジメント
③事業戦略:独自技術の開発(インベンション)と、それを中間財などを介した国際斜形分業によって普及(ディフュージョン)を図るビジネスモデルの構築。
です。

知財マネジメントというと、なんでも特許をとってしまえばいいと思いがちです。
実は、コカコーラの製造方法は1831年に薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士が開発して以来、特許は取られていないのだそうです。これは特許はある意味ノウハウを公開して一定期間そのノウハウを担保するものなので、一定期間が過ぎれば誰でもそのノウハウを利用することが可能です。
従ってノウハウを外部に出したくない場合には特許は不向きなのだそうです。

今までの時代は”インベンション(発明)=イノベーション(価値創新)”で科学技術がイノベーションの必要十分条件であったが、これからは”イノベーション(価値創新)=インベンション(発明)×ディフュージョン(普及)”の時代で、”普及”を促進するためには”競争”だけでなく、外部との”協調”も必要である、と妹尾先生はおっしゃってます。

製品モデルのイノベーションが起こるときの歴史についても述べられていて、得てして従来モデルの延命策は短命に終わるのだそうです。
オーディオテープ→CDにおけるDAT、フィルムカメラ→デジタルカメラにおけるAPSなどなど。(確かにどちらも「そういえばあったね〜」くらいの短命でした)
それを考えると現在、自動車業界が力を入れいている”ハイブリッド自動車”についても、あっという間にEV(電気自動車)にとってかわられるのではないか、その時日本は自動車業界において今の優位性を確保できるのだろうか、という懸念を妹尾先生はもっているようです。

どうしても分かり易い事例として”製品”がでてくるので、メーカー向けかと思いがちですが、他の業界においても十分置き換えられる内容で、他にもたくさん、妹尾流のフレームワーク(「知の新領域を創出する6つの方法」など)が出てくるのでとても勉強になりました。




2009年10月4日日曜日

サンマの刺身

妻が子供のピノキオプロジェクトに立ち会い外出ということで、夕食をつくることになった。
基本的には独身時代を通じて料理をやらなかったのだが、妻の病気を契機に時々みそ汁やら何やらをつくるようになってきた。
今日は、近くのスーパーでサンマが5匹380円という美味しそうなのがあったので、塩焼きにしようと思って購入した。
塩焼きはやったことのあるメニューであったが、このままだと余ることもあり、サンマの刺身に挑戦してみた。
最近はさばき方も動画で掲載されているので、本で見るより遥かにイメージしやすい。
動きにはおのおのテンポがあるので、それが動画だとわかるのだ。
お店ででるのに比べるべくもないが、なんとか”らしく”さばくことができた。
脂ののる時期ということもあり、非常に美味しくいただけた。家族からも好評であった。
他のメニューもできる限り動画で載っていると、本には無い”動き”を学ぶことができて、初心者には大変ありがたい。


海外からの方達のご案内

本日、ほんの短い間でしたが、外人の方達に街をご案内する機会に恵まれました。
英語のネイティブスピーカーの方はいらっしゃらなかったようでしたが、通訳の方がついていて英語で通訳していました。
ネイティブの方がいらっしゃらなかったこともあり、聞き取りの方はそこそこだったのですが、やはり話すとなるとちっともでした。
なかなかコミュニケーションがとれないなか、「ちょっと不満で怒ってるのかな?」などと気を回したりもしましたが、最後にご挨拶をすると皆さん"Thank you"もしくは「アリガトウ」と微笑んでいただいて嬉しかったです。

今年の目標でもありますが、もっと英語力を磨いて、自分のプロジェクトを英語で説明できるようになりたいと、また決意を新たにしたのでした。

2009年10月3日土曜日

Formative Research in 吉野

柏の葉のマンションの共用部に採用予定の家具について、同志社女子大の上田信行先生と京都大学の竹山聖先生が”Formative Research” を行うということで見学して来ました。
場所は遠かったのですが、メタフロアがある吉野のneomuseumまで行って来ました。
このFormative Researchですが、アメリカでセサミストリートの番組をつくる時に上田先生が学んできた手法で、製品のプロトタイプを作って想定する対象者に使わせて(番組の場合見させて)みて、それを客観的に観察、調査して評価し、製品を更にブラッシュアップしていく手法のことです。
当日はデザイナーの方、保育園の方、インターフェイス専門家などなど、様々な人達が参加して色々な意見を出していました。

家具の利用上の安全の話から、上田先生からリスクとハザードのお話がありました。
「ハザードはそれ自体が危険をはらんでいる危害要因のことだが、リスクというのは乗り越えることで得るものがあるとも考えられる。リスクについては全てを排除するというのは実は得策ではない」
というお話を受けて、竹山先生から
「20世紀の建築の理念のひとつとして、ミース・ファンデル・ローエが、”内部空間を限定せずに自由に使えるもの”というユニバーサル・スペースという概念を生み出したが、これだとriskもなければobstacleもない。建築は”包み込むもの”から”挑発するobstacle”を包含するものへと発展すべきである」というお話がありました。
"obstacle"というのは通常「障害物」と訳されますが、英語でのニュアンスでは「乗り越えられるべきもの」という意味合いがあるのだそうです。

「優れたuser interfaceとは、誰でも使えるinterfaceとは限らない。」
という上田先生の話を受けて
「乗り越えられるレベルは各人まちまち。ワークショップにおいては、そのあたりを見極めながらぎりぎりのラインを設定し、さじ加減していくのがファシリテーター。ハードは作ってしまうとその”さじ加減”ができなくなってしまう。そういう意味ではinterfaceとは、ファシリテーターのいないワークショップのようなもの」
という発言が飛び出したりと、非常に刺激的なセッションでした。

上田先生が「空間の使い方のマニュアルをつくろうかと考えたこともあった。しかし、住んでいる人達が自分たちで使い方を工夫していってもらいたいと思っているので、こちらから押し付けた使い方をしてもらうのは本意ではない。悩んだ結果、使い方を触発する家具、すなわちマニュアル(コンセプトを具現化する仕掛け)を内部に包含した家具を置くことで、マニュアルに変えることができるのではないかという発想にいたった。」と話されていて、成る程と思いました。

この家具達は、さらに何度かFormative Research を経てから実際に使われる予定です。
使われる日が来るのが今から楽しみです。