2014年4月29日火曜日

『なぜ人と組織は変われないのか』

最近の研究によると、食生活を改めたり、もっと運動したり、喫煙をやめたりしなければ心臓病で死にますよと専門医から警告された時、実際にそのように自分を変えることが出来る人は、7人に1人にすぎないと言う。 残りの6人も自己変革の重要性を理解していない訳ではない。自分を変える背中を押すインセンティブも極めて強い。どこをどう変えればいいかは、医師から明確に指示されている。それなのに、自分を変えられない人が7人のうち6人、約85%もいるのだ。
心臓病で死ぬ危険があっても生活習慣を改めない人たちがそうだったように、リーダーと組織のメンバーが変革を成し遂げることを妨げている要因は、基本的に意志の欠如ではない。
本当の問題は、自分が本心からやりたいと望んでいることと、実際に実行できることの間にある大きな溝だ。

「変われないのは意志が弱いからだ」という思考停止状態から一歩進んで、時には免疫機能が健康を脅かす場合もあるように、実は 「免疫機能」のようなものがその人を守ろうとしていることにより「変わること」ができないのではないか、という仮説をもとに作られた理論。
著者はその「変革を阻む免疫機能」について多くのクライアントのコンサルを行うことにより変わっていくための手法として確立し、その内容を著している。

大人の知性は思春期以降も伸びていく。
いまや脳科学の世界でも「脳の可塑性」という考え方が認められており、人間の脳には生涯を通じて適応を続ける驚異的な能力が備わっていると考えられている。


大人の知性には3つの段階がある。
その知性の3段階の特徴は以下の通り。
<環境順応型知性(ソーシャライズド・マインド)>
・周囲からどのように見られ、どういう役割を期待されるかによって、自己が形成される。
・帰属意識を抱く対象に従い、その対象に忠実に行動することを通じて、一つの自我を形成する。
・順応する対象は、主に他の人間、もしくは考え方や価値観の流派、あるいはその両方である。
<自己主導型知性(セルフオーサリング・マインド)>
・周囲の環境を客観的に見ることにより、内的な判断基準(自分自身の価値基準)を確立し、それに基づいて、周りの期待について判断し、選択を行える。
・自分自身の価値観やイデオロギー、行動規範に従い、自律的に行動し、自分の立場を鮮明にし、自分に何が出来るかを決め、自分の価値観に基づいて自戒の範囲を設定し、それを管理する。こうしたことを通じて、一つの自我を形成する。
<自己変容型知性(セルフトランスフォーミング・マインド)>
・自分自身のイデオロギーと価値基準を客観的に見て、その限界を検討できる。あらゆるシステムや秩序が断片的、ないし不完全なものだと理解している。これ以前の段階の知性の持ち主に比べ、矛盾や反対を受け入れることができ、一つのシステムを全ての場面に適応せずに複数のシステムを保持しようとする。
・一つの価値観だけいだくことを人間としての完全性とはき違えず、対立する考え方の一方に組するのではなく、両者を統合することを通じて、一つの自我を形成する。

ワシントン大学文章完成テスト(WUSCT)、主体客体インタビューの二つの手法を用いた調査結果によると、 二つの研究は全く別個の被験者を対象にした調査をメタ分析したものだが、結論は一致していて、被験者の過半数(6割近く)は自己主導型知性の段階に達していない。
(いずれの研究も大卒中流層の専門職の割合が大きいので、社会の全ての層を調べれば、この段階に達していない人の割合はもっと大きいと予想される)
そして、自己主導型知性より上に到達している人の割合は、極めて小さい(6〜7%)


今日の世界で直面する課題の多くは、既存の思考様式のままで新しい技術をいくらか身につけるだけでは対応できない。
そうした課題をリーダーシップ論の研究者ロナルド・ハイフェッツは「適応を要する課題」と呼び、「技術的な課題」と分類している。
適応を要する課題に、技術的なアプローチではなく適応型のアプローチで対処するにはどうすればいいのか。
研究によれば、適応を要する課題に対処するために必要なのは、第一に、適応型のアプローチで問題を明確に定義すること。そして第二に、適応型のアプローチで問題の解決策を見いだすことだ。
第一の点は、今直面していることを解決する上で、自分の現段階の知性がどのような点で不十分なのかを正しく把握することを意味する。そして第二の点は、必要に応じて自分を変えることに他ならない。


とはいえ知性を高めるプロセスは単純なものではない。思考と感情の両方を動員しなければ、それは成し遂げられない。
では、具体的には何が必要なのか。 発達心理学者達の75年あまりの研究成果を一言で言うと、人間の知性を高めるために必要なのは「適度な葛藤」ということになる。

ここで「免疫マップ」なるものが登場する。
<免疫マップ>
1 改善目標
2 阻害行動(改善目標の達成を妨げる要因)
3 裏の目標
4 強力な固定観念

これを自ら内省し埋めていくことで気づきが得られ、変革への一歩を踏み出すことができる。
このマップの埋め方は様々な実例とともに述べられていて非常に分かりやすい。


本当の変化と成長を促したければ、リーダー個人の姿勢と組織文化が発達志向である必要があると著者はいう。
<本当の発達志向の姿勢の7つの要素>
①人間が思春期以降も成長できるという前提に立つ。人は大人になってからも成長し続けるべきだと考える。
②技術的な学習課題と適応を要する学習課題の違いを理解する。
③誰もが成長への欲求を内面に抱いていることを認識し、その欲求を育む。
④思考様式を変えるには時間がかかり、変化がいつも均一なペースで進むとは限らないことを理解する。
⑤思考様式が思考と感情の両方を形作ることを理解し、思考様式を変えるためには「頭脳」と「ハート」の両方にはたらきかける必要があると認識する。
⑥思考様式と行動のいずれか一方を変えるだけでは変革を実現できないと理解する。思考様式の変革が行動の変革を促進し、行動の変革が思考様式の変革を促進するのだと認識する。
⑦思考様式の変革にはリスクがついて回ると理解し、メンバーがそういう行動に乗り出せるように安全な場所を用意する。


著者は組織においても同じ手法が活用できるとしているのだが(そしてそれはそうだと思う)、個人の事例は非常に分かりやすく紙面を割いているのに対し、組織の事例はほとんど書かれていない(組織の方が、類型化しづらいからだろうか)。


変われない理由を、自らを嫌なものから守る「免疫機能」によるものとして、それを具体的な手法として確立しているのはスゴい。
あとがきで「これは文字通り、我々のこれまでの研究者人生全てを費やして書いた本だ」と言い切ってしまうだけのことはある。
非常に参考になる本であった。

2014年4月27日日曜日

『売る力』

千趣会マーケティングサポート 中山悦二郎さんご紹介の2冊目。
セブン−イレブンの鈴木敏文さんの著作は昔から好きで、セブン−イレブン研究として様々な著作を読んだが、ご本人の書いた最新作ということで非常によくまとまっていて、分かりやすく、それでいて奥の深い本であった(流石、中山さんのお勧め本!)。

「売る力」とは、お客様から見て「買ってよかった」と思ってもらえる力である。 だから、売り手は常にお客様の求めるものを叶える「顧客代理人」でなければならない。

この本では、以前に鈴木氏が対談をした有名人の取り組みを引きながら、事例として挙げている。(取り上げなかったが、以前中山さんからその著作を推奨された立命館大学大学院教授でありマーケティング・コンサルタントのルディー和子さんも出てくる)


<秋元康 編>
・お笑いの世界でも「普遍的な笑い」と「飽きられる笑い」がある。
たけしなどは、話題になっている「ネタ」を「変わらない視点」を通して語るのでいつまでも飽きられない。
新しいものを生み出すときには、長い間処方して体質改善する「漢方薬」のように長期的に持続する姿勢、すなわち変わらない「視点」を基盤としてもち、その上で「抗生物質」のように即効性のある要素、つまり、新しい「ネタ」を取り込むのが理想。
・柳の下にドジョウは二匹いるかもしれないが、二匹目のドジョウは小振り。ひまわりがブームになっているときには、タンポポの種を撒こう。
・「ココアとバターと文庫本」
 新しいものを生み出すイノベーションには二つあって、一つはこれまで存在しなかった概念のものを生み出すこと。もう一つは既存の概念のものに新しい意味を付け加えて革新すること。
ヨーロッパでは、冬にはココアに少量のバターを入れる飲み方がある。よりコクが増して美味しくなる。「秋から冬の夜長には、ひとかけらのバターを入れた温かいココアを片手に文庫本を読もう」という新しい提案。これは組み合わせにより新しい意味が生まれ、別の意味を持つようになる「予定調和を壊す」事例。


<旭山動物園 前園長 小菅正夫 編>
「形態展示」から「行動展示」へと切り替えることで瀕死の動物園を日本有数の動物園へと奇跡の復活をさせた園長先生。
・動物たちの魅力を来園客に伝えるには、何よりも動物達が楽しく一日を過ごせるようにすることが大切。でも動物は一つの仕掛けを楽しんでいてもすぐに飽きてしまう。
・「お客様の立場で」という観点で動物園を見直してみたら、動物がみんなお客様におしりを向けていた。
動物達にとって、普段エサを運んだり、世話をしてくれる飼育係も、痛い注射を打ちにくる獣医師もみんな裏側からやってくる。動物達にしてみれば、お客様の側には特に用がないので、常に裏側に注意を集中させていた。
それまでは、お客様に「動物は寝てばかりいて面白くない」と言われてもピンとこなかった。
考えてみると、自分達の前では、動物達は美味しいものが食べられるとか、いやな注射を打ちにきたということで、いつでも緊張感を持って活き活きとしていた。いわば特等席で動物を見ていたことに気がついた。
そこで、以降は、お客様の側から動物に近づいていき、世話をするように変えた。すると、動物達はすぐにこの変化を察知して、今度はお客様の方に、いつ飼育係がくるか、いつ獣医師が来るかと緊張感をもって注意を向けるようになった。
・「動物達は自由がなくてかわいそう」という意見にも最初は反発を感じていた。
しかし、動物の生きる目的は究極的には繁殖であり、目的に向かって命を維持するために食べる。自然界では一日のすべてをこの目的にあて、達成された時に喜びを感じる。
それが動物園では、食べ物は与えられるだけで達成感はなく、24時間のうち食餌の時間はたったの30分。それ以外の時間は何もすることがない。これはものすごい拷問ではないか、と気づいた。
これがきっかけで、行動展示が生まれていく。 食餌の時間に、動物本来の動きを引き出してみせる方法が考案された。

<経営コンサルタント 内田和成 編>
・「異業種間競争の時代」では、消費者起点で新たな事業連鎖を考えることが重要。
「事業連鎖」とは消費者が商品・サービスを購入するまでの、アフターサービスを含めた川上から川下にいたる流れの中で、様々な事業のつながりいう。
異業種間競争の時代になると、企業内の閉じた活動の範囲内で価値を生み出そうとする従来の考え方ではなく、既存の活動範囲や自分の業界を超えて、新たな事業連鎖を生み出す動きがドンドン活発になってくる。
他社との競争なら追い越した時点がゴールとなるが、顧客ニーズは変化し続けるので、この競争にゴールはない。これからもお客様を起点とした新たな事業連鎖が生まれ続けるということ。
・「明日の顧客のニーズ」はアンケートでも聞いても分からない。 必要になるのは、「仮説を立てる」という仕事の仕方。
 POSシステムは「明日の顧客」のデータは出してくれない。 「素人の目線」、普通の生活感覚で考えることが大切。
・「成功の復讐」
過去の成功体験が「よいパラダイム」として人や組織に染み込んでいると、変化に直面した時にその成功体験に足を縛られてしまうということを「成功の復讐」という。
 ダイバーが潜っているとき、水深50メートルほどの深さの海底にビールのバドワイザーの缶が落ちていて、赤いロゴマークが目立ったのですぐに目に入ったという話し。実はその位の水深だと、光の屈折の関係で赤い色は見えないはず。正確には、本当は濃いグレーに見えるはずのものが、グレーに見えず赤に見えてしまった。それほど人の思い込みは強いという逸話。

<佐藤可士和 編>
・「『当たり前』とは『あるべき姿』のことで、いわば理想型です。『当たり前』のことができるのはものすごくレベルの高いこと」
自分都合の範囲内での「当たり前」ではなく、相手にとって「当たり前」のことを愚直なまでに積み上げていくことが大切。
「当たり前」のことを徹底して実行し、積み重ねていくと、あるとき爆発点に達し、非凡化する。非凡化することで大きな成果に結びつく。
・「伝わらないのは存在しないのと同じ」
・「ブランドデザインは根底に流れるフィロソフィがないとできない」


その他、鈴木敏文語録。
・変わらない「視点」の基本は、常に「お客様の立場で」考えること。
売り手は「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」考えなければならない。
「お客様のために」となると、無意識のうちに「売り手の立場で」考えた思い込みや決めつけがある。
「お客様の立場で」考える時には、時には、売り手としての立場や過去の経験を否定しなければならない。
・6割のお客様が「手軽さ」、4割が「上質さ」を求めているとして、6割のお客様に対して売り手の9割が商品を供給すると、そのマーケットはたちまち飽和状態となり、価格競争に陥る。
・真の競合相手は競合他社ではなく、絶えず変化する顧客ニーズである。
・「メリハリ消費」「ごほうび消費」
現代の消費者は「消費を正当化する理由」を求めている。
消費が、単にモノそのものを買うのではなく、イベント性を持つようになっている。 モノを買うのではなく、コトを買う。
・「ペンシル型消費」
 ある商品の売れ行きが突然動き始めたら、商品を一気に市場に投入し、広告を打ち、情報発信に注力して、爆発点にもっていく。幻冬舎の見城さんが行っているようなきめ細やかな戦略は、消費者相手に商品を売るあらゆる業種で求められる。商品のライフサイクルが「ペンシル型」になっているからだ。
その昔の型からの推移を模式化すると、「富士山型」→「茶筒型」→「ペンシル型」となる。
 ピークの期間が極端に短いのが「ペンシル型」。ライフサイクルが短命化し、人気商品の交代が激しくなっている。よそが売れているのを見てから仕入れていたのでは、ニーズがピークのときに売り逃しを起こし、ピークが過ぎてから商品が大量に入ってきて売れ残ってしまう。
 お客様の潜在的なニーズはここにあると仮説を立てて開発した新商品や、あるいは、売れ行きのカーブに立ち上がる兆しが見えて、これが新しい売れ筋ではないかと仮説を立てた商品は、思い切って市場や店頭に投入する。同時に売れ行きの落ち始めた死に筋を排除する。
 ペンシル型消費に対して、ペンシル型のマーケティング戦略をとり、機会ロスと廃棄ロスを極力小さくしていく。
特に重要なのは機会ロス。機会ロスが小さくなればなるほど、お客様は欲しい商品を欲しいだけ手に入れることができ、売り手も多くの売上を得ることが可能となり、互いの利益を一致させることができるようになる。
・「積極的にお客様に近づく」
消費が飽和状態になり、現代の消費者は何を買っていいか迷っているといわれる。しかし、それは売り手側から見た見方で、「迷っている」というよりは「確認したい」という意識が非常に強まっているように感じる。
今は、自分のニーズを本当に満たしていないと購買行動に移らない。だから、お客様は、売り手側が自分たちの求める価値を理解し、その商品が本当に自分のニーズを満たしてくれているのかどうか確認したい。つまり、選択を納得できる理由がそこにあるかどうかを確認したい。
 別の言い方をすれば、売り手と自分が一方通行の関係ではなく、互いに情報と価値観を共有できているかどうかを確認したいのだ。
 接客で大切なのは、お客様との「対話」 コミュニケーションのあり方には、双方向のコミュニケーションにより価値や情報を共有する「対話」レベル、売り手側の都合だけで一方的に伝達しようとする「一方通行」レベル、送り手も受け手も盛り上がるが肝心なことは何も伝わっていない「漫談」レベル、送り手だけが送っているつもりで受けては何も聞いていない「ひとり言」レベルなどがあるが、お客様と「対話」ができているかどうかが大切。
・お客様は期待した以上の価値を感じて初めて満足する。その期待度は一定ではなく常に増幅し、食べ物ならば以前は「おいしいもの」のレベルが次は「当たり前」になり、やがて「飽きるもの」に変わる。
一度得たお客様のロイヤルティを維持していくことは非常に難しい。
明日の満足のためには、常にプラスオンされたものが求められる。プラスオンの積み上げこそが重要。


その他セブン−イレブンの現状のお話。
・セブンイレブンの全店平均日販は2009年度約62万円。2012年は約67万円と3年間で大きな伸びを示した。
「コンビニで食事用の買い物をする」という新しい提案が実を結んだ。主に高齢者や40歳以上の女性の増加のおかげ。
2012年度は大手コンビニエンスチェーンの中でセブンイレブンだけが既存店売上高伸び率でプラス。
・2千名を超えるOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)全員を全国各地から隔週で東京の本部へ集めて、1日がかりの会議(FC会議)を行い、最新の情報提供や成功事例の共有などを行い、会長講話に通してコンビニ経営の基本を繰り返し説き血肉化させていく。(その昔は毎週という話しだったが、最近は隔週でやっているようだ)
・セブン&アイ・ホールディングスは、「変化への対応」と「基本の徹底」という二本柱をスローガンに掲げる。


スゴいと感じたのは以下のエピソード。
弁当をセブンイレブンで客として購入し、レベルが落ちていてお客様に提供すべきではないと判断すれば、即刻店頭から撤去の指示を出す。
北は北海道から南は九州まで、1万5千店を超える全ての店頭から、本部の負担で20分以内で撤去させる。「お客様の立場で」あらゆる面から徹底して追求し、決して妥協しない。 それが全店平均日販約67万円と、他の大手チェーンを12万以上引き離すセブンイレブンの「売る力」の強さになって表れている。

自ら説明責任をしょっているからこの判断ができるのだろう。
相変わらずマーケットと闘っている経営者を具現化している人だと思った。

2014年4月20日日曜日

『時給800円から年商10億のカリスマ所長になった28の言葉』

44歳まで専業主婦、それから駅弁販売のパートを始め、52歳で正社員。 2007年営業所長となって年商10億円のカリスマ所長となり、2012年8月29日 第190回「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放映もされた三浦由紀江女史の著作。

会社の仕事でお世話になった千趣会マーケティングサポートの中山悦二郎さんから、うちのメンバーにお勧めいただいた珠玉の2冊のうちの1冊。

信条が、
「事実を冷静に受け止め、反省するけど後悔しない。常に前向きに楽しく、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる。」
「仕事を楽しんでいる人にはかなわない」
という三浦女史のやり方は非常に前向きで参考になる。

<接客のポイント3つ>
①動きながらお客様を待つ。
②売りたい気持ちを抑えてお客様に近づく
③一人称でささやく
こと。

<クレーマー対応の3つのコツ>
・相手の言葉をおうむ返ししながら「申し訳ございません」と頭を下げる
・自分からは何も話さず、相手にどんどんしゃべらせる
・レシートとデータが保管してあることを伝え、相手を動揺させる

など具体的なコツの他、

<グチる時の3か条>
1 外に漏れない相手にだけ愚痴る(親友、夫、妻など)
2 3分間だけ愚痴る。
3 笑いながら愚痴る(もしくは最後に笑う)

<心のスイッチ切り替え術>
その1 相手のことをすごく気の毒な人だと思う
その2 自分のせいだと思わない
その3少し時間を置くと、自分の落ち度も見える

など心の持ちようについてのコツも書かれている。

成長するためには、素直さが必要。でも、素直なだけではいい仕事はできない。
100%楽しみながら結果を残すためには、素直であると同時に、負けず嫌いでなくてはならない。
サッポロビール元社長の 寺坂史明氏からもらった言葉ということで『素直な負けず嫌い』というのがあるらしい。
いい仕事をしてもらいたいなら、普段は素直で人当たりがいいけれども、心のうちに静かなる競争心を隠している人を見つけなければならないというものだ。
これはその昔聞いた、NHKの連ドラの主役を務めるには「花があるだけではなく、鬼が棲んでいなければならない」というのと同じ意味合いだと思われる。
では、どうやったらそのような『素直な負けず嫌い』が採用できるのか。
その方法は確立されていないけれども、スポーツをやっている人は負けず嫌いである可能性が高いとのこと。
単純すぎるかもしれないが、勝負にこだわってスポーツをやってきた人には素直さと忍耐力、負けず嫌いな性質がかなりの確率で備わっている。


その他、正に現場から営業所長まで幅広く経験した三浦さんならではの知見が随所に分かりやすく落とし込まれた良書であった。


人事異動

サラリーマンという職業に人事異動というものはつきものである。
実はこの4月1日に異動の辞令をもらった。
年初の抱負(http://omachido.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html)で「ギアは(苦労したけど)入れ替えたので後はやるだけ」と思っていたら、またしてもギアの入れ替えからやることになった。

宮仕えの身からすると、また新たな業務に向けて頑張るのみなのだが、そんなこんなもあって、ブログの更新(そしてさらに言うと読書による情報インプットも)がすっかりご無沙汰となってしまっている。

今回の辞令は(3年前の辞令と違って)個人的には時期も含めて青天の霹靂系。
よく言われるように企業の人事というのは所詮「玉突き」ということで、今回のように個人的には望んではいなかったし、組織的にも必要だったのか?という疑念があればあるほど「玉突き」理論を考えてしまう。
この玉突き理論、どこから(誰から)「玉突き」が始まっているのかを邪推してしまうものなのだが、結論が出る訳でもなく結局はグルグルと回っている感じである。

辞令がでてからの約1ヶ月半は週末もほとんど休みなく(3月の三連休に奈良に家族旅行に行ったのだが、これを家族サービスカウントとすると)動き回っていて、右肩の痛みがひどく整骨院に行っても痛みが取れないレベルとなってしまっている。。

年初の抱負を考えたときとは違う状況ではあるが、「一所懸命」ということを異動先にて実践していきたい。