2011年8月28日日曜日

『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』

さまざまな身体の仕組みを”自律神経”という切り口から解き明かそうという医学&健康マニュアル本。

自律神経系は、「交感神経系」と「副交感神経系」の二種類に大別される。
体がもっともよい状態で機能するのは、実は、交感神経も副交感神経も両方高いレベルで活動しているとき。
なにもしなければ、我々の自律神経の力は、10年でおよそ15%ずつ低下していく。これは自律神経を意識的にコントロールしなければ、人生の質は10年でおよそ15%ずつ低下していくということ。
どうやって自律神経をコントロールするのかというと、ポイントは「ゆっくり」。

成人の血管を全てつなぐとなんと約10万kmにも及ぶと言われている。(赤道2周半)
自律神経は、その膨大な長さの血管全てに沿って走っている。
自律神経とは、体のライフラインである「血流」を支配することで、我々の体を構成する60兆個の細胞全てを無意識のうちにコントロールしている、ある意味脳以上に重要な組織。

健康な人が病気になる原因は、大きく分けて二つしかない。
一つは「免疫系」のトラブル。もう一つは「血管系」のトラブル。

免疫の中心を担っているのは白血球。白血球には、細菌など比較的大きめな異物を処理する「顆粒球」と、ウィルスなどそれよりも小さな異物を処理する「リンパ球」の二つがある。
交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増える。
秋から冬にかけては顆粒球は増えるが、リンパ球が減少する。このリンパ球の減少がウィルスや細菌への抵抗力を下げてしまい、風やインフルエンザなどの感染症を発症しやすくなる。決して寒いからということではない(別に寒い北国の方が風邪が多いわけではない。)
逆に春になって暖かくなってくると、リンパ球が増えるので感染症は減るが、うつ病などのメンタルな病気が増える。
自律神経のバランスが、交感神経に大きく傾くかたちで体調を崩すと感染症になりやすく、副交感神経に大きく傾く形で体調を崩すとうつ病などメンタルな病気になりやすくなるということ。

自律神経のバランスが崩れると、白血球のバランスも崩れるので、免疫力が下がる。
顆粒球は異物を取り込み、自らが持つ分解酵素と活性酸素によって処理する。顆粒球の数と体内に侵入してくる細菌のバランスがいいときは問題ないが、あまり細菌がないのに、交感神経が過剰に優位になることで顆粒球が増え過ぎてしまうと、健康維持に必要な常在菌まで殺してしまい、却って免疫力を下げることになってしまう。
また、使われない顆粒球が残ってしまうことも問題。顆粒球の寿命は2〜3日と短い上、顆粒球は死ぬときに持っていた「活性酸素」をばらまいて細胞を傷つけてしまう。
副交感神経が優位になると、リンパ球が増えるので基本的には抗原に対する反応が早くなり、ウィルスに感染しにくくなるが、やはりリンパ球も増え過ぎは良くない。
リンパ球が増えすぎると、抗原に敏感になりすぎて、ほんのわずかな抗原にも反応してしまう疾患「アレルギー」を起しやすくなる。

もう一つの病気の原因である「血管系」のトラブルで深刻なのは脳梗塞や心筋梗塞だが、これらはいずれも「血栓」という塊が血管の中にできることが原因で起きる病気。
血栓ができる原因はいくつかあるが、最大の理由は、実は「血流」が悪くなること。
ところが自律神経のバランスが崩れ、優位性が「過剰」になるとどちらも血流は悪くなる。
自律神経のバランスが崩れた状態でいるということは、血栓ができやすい体の状態をつくり出してしまうことになる。

交感神経と副交感神経の理想のバランスは1対1。どんなに差がついても1対1.5まで。それ以上の差がつくと、体には様々な弊害が現れる。

以上が医学的解説。
以下が知見を健康維持に活用するための方策。
○現段階で自律神経を確実にコントロールできるのは「呼吸」。吸う時間と吐く時間を1:2でゆっくり行う「1対2の呼吸」が自律神経をコントロールする。
○朝の貴重な能力を活用するコツはたった二つ。
①良質の睡眠を十分にとること。
②前日の夜のうちに、翌朝すべきことを決めておくこと。
万一朝寝坊してしまった時には「歯磨きをゆっくりすること」
○飲酒時の危険な脱水を防ぐためには、お酒を飲むとき一緒に同量のお水をのむこと。
○深酒してしまった翌朝は、朝起きた時にコップ一杯の水を飲むこと。
○腸に刺激を与えるという意味で、一日三回の食事がベスト。
○「食後に眠くならない食べ方」
食後、睡魔に襲われるのは副交感神経が上がるから。眠くならないようにするポイントは二つ。
「食前に300〜500cc程度の水を飲むこと」
「腹八分目の量を、できるだけゆっくり時間をかけて食べること。」

自律神経をコントロールする重要なポイントの一つが、腸内環境をよくし、その働きを安定させることにある。そのために有効なのが、「朝一番のコップ一杯の水」と「食前のコップ一杯の水」、そして乳酸菌をとることなのだそうだ。

ストレッチの方法についても著者は現在の常識と異なる見解を述べている。
多くの人は、運動前に筋肉を伸ばしておくことで筋肉の動きが良くなると思い込んでいるがそれは間違い。筋肉には一度伸びてしまうとなかなか元に戻らないという性質がある。伸びてしまった筋肉は、柔軟性が損なわれるとともに可動域が狭まるので動きが悪くなる。
ということで、以下の4つのストレッチだけで十分なのだそうだ。
①手の先を持って体側を伸ばす
②手の先を持って横に伸ばす
③肘を固定して手首を回す(肩甲骨の運動)
④反対側の膝の上で足首を回す(股関節の運動)

面白く感じたのは、「自律神経のバランスはなぜか周りに伝染する」というもの。
医療スタッフの中にもたった一人で雰囲気を改善してしまう人がいるらしいのだが、負の連鎖を止めてしまう彼女達の秘密は「口調」。
どのような言葉を使うか、言葉選びも大切だが、それ以上にその言葉をどのような口調で伝えるかが重要とのこと。
何を言うかよりも、どう言うかが大切というメラビアンの法則と結論は似ているが、更に進化させて、それにより「自律神経のバランスも伝染する」としたものだ。
今後、研究が進むにつれ、自律神経とコミュニケーションの関係も解き明かされていくのかも知れない。


facebook

仕事の関係もあり、知らないわけにもいかず、といって始めたフェイスブック。
早半年以上になる。
人の投稿をみるのは非常に楽しく有益なのだが、どうも自分で投稿することが少ない。
ブログに書いたり、社内SNSに投稿するの以上にローペースなのはどうしてなのだろうと考えてちょっと、気がついた。

人間は社会的動物なので、色々な面を併せ持っている。
家庭の中の自分、仕事の世界の自分、趣味の世界での自分、地域の中での自分。。
そういった様々な面を使い分けて人間は生きている。
スターバックスのコンセプトである「third place」も、”家庭”、”職場”の次にくる”第三の場所”をスターバックスは提供しますということだ。
そういった様々な世界の中で、人は自ら発信する内容を変えている。各々の世界における自らの立ち位置は違うということだ。(だから、ほぼ全ての”世界”で「先生」と呼ばれる人達は、その幅が狭くなり、驕りが発生しやすくなるということだ)
家庭内では、仕事関連でいくアフターファイブの話はほとんどしないだろうし、家庭内の込み入った痴話を職場ですることもない。
たとえ仕事という”世界”ひとつとっても、グループによって話す話題は全て違うものとなる。

そういった中で、フェイスブックはあまりに360度に発信することになるので、自分のどの”世界”に向けて発信するのかが絞れない。
フェイスブックの「友達」は会社の上司から後輩、昔の同級生までいる(下手すると奥さんを「友達」にしている人もいる)ので、発信した情報は全て筒抜けとなる。
悩みをアップして相談するにしても、友人や上司に対して打ち明ける表現と、後輩に向けて話す表現とでは自ずと違うはずなのに、フェイスブックではそのコントロールが効かない。
それゆえ、全方位で話せる内容に限り発信することになる。

実名制の善し悪しもさることながら、フェイスブックには個々人の持つ世界を統一してしまう怖さがある(仮面ライダーディケイドみたいなものか?)
果たしてフェイスブックは、世界を融合する「人類補完計画」(byエヴァンゲリオン)たりうるのか、はたまた人間の様々な世界をぶちこわす破壊者(by仮面ライダーディケイド)なのか。
それとも、単に第4のネット上の”世界” が増えたというだけのことなのか。

 どちらにしても、自分は色々な”世界”を持ち続けることで、色々な自分を演じていきたいと思う。

2011年8月21日日曜日

資生堂パーラー

久しぶりに妻と二人で銀ブラに。
ちょっと贅沢ということで、資生堂パーラーに入ってお茶をした。
季節メニューの「マスクメロンと夕張メロンかき氷」1,890円也を頼んだのだが、これが激ウマ!
ほんのり薄甘のメロン風味のかき氷と、様々なフルーツ類が奏でるハーモニーが絶妙。
食べ進めると下にもフルーツの層があって、上部を彩る甘いメロン系から下の各種ベリー系の酸味と真ん中の2種類のアイスクリームの味が渾然一体となって、味がどんどん変わっていく。
資生堂パーラーだから高いというより、これはこの商品としてそれだけの価値がある感じのスイーツであった。

それにしても資生堂パーラー、色んな人がいて、それも楽しめた。

2011年8月20日土曜日

KIRIN アイスプラスビール

KIRINのICE+BEER。ビールを半分注いでから氷をそ〜っと入れて飲むんだそうな。
試しに買って飲んでみたら、これが中々Good!
ちょっとアルコール分も高め(5.5%)で、飲み口も中々。似た飲み物のホッピーよりも喉越し&味覚は上と感じた。

こういう”際物”を大手のKIRINがやっている所がスゴい。
ビール業界も気を抜くと首位が入れ替わる戦国時代だけに、大手と言えど殿様商売していられないということか。
Try&Errorの精神は我々も見習わなければ。

『一日で読める『源氏物語』』

東進ハイスクールの古文講師、吉野敬介氏の源氏物語の入門版。
現代語(更にいうと若者語)で書かれている部分が感情もこもっていて非常に分かり易い。
恥ずかしながら、これまで『源氏物語』は名前や作者については知っていても、どのようなストーリーなのかについてはほとんど知らなかった。
著者も「『源氏物語』と出会って国文学に目覚めたが、通常の現代語訳は正直みんな難しい。」と述べているが、この本は『源氏物語』の分かりにくさをクリアしつつ、『源氏物語』の深さを感じさせるには十分の内容である。

そもそも、源氏物語は言葉以前に登場人物の関係性が難しい。
今と違って「一夫一妻多妾制」なのでただでさえ相関図がつくりづらいのに加えて、義理のお母さんと子供を作っちゃうようなオイタをする輩が主人公なので、誰と誰がどのような関係なのかを理解するのが非常に難しい。
「一夫一妻多妾制」なので、現代の感覚からするとタブーっぽいことがたくさん出てくるのだが、『源氏物語』の平安朝時代においては通常のこととして描かれる。
一方、源氏と朧月夜の恋沙汰や、浮舟の入水自殺騒動についてはスキャンダルとなるとの判断が、現代の感覚だとどの程度の”ヤバさ”なのかがピンとこない。
”ヤバさ”加減がわからないということになると、平安時代の年齢感覚もよく分からないものの一つ。
10歳で「可愛い!」と思っていた若紫(紫の上)と源氏が結婚したのは、源氏22歳(大学2年生)、紫の上14歳。当時は当たり前なのかしら??
(この、今でいうと何年生という比較も吉野氏によるもの。イメージしやすくてvery good!!)

と、わからないことだらけながら、源氏物語の全体のあらましが理解できる良書である。
また時間があったら『源氏物語』を深堀り(深読み)してみたいと思わせるところも、この本が良書たる所以と思う。

2011年8月19日金曜日

『相手に9割しゃべらせる質問術』

自称「対談師」のおちまさと氏の著作。
相手に色々話しをしてもらうため、お風呂に入ったときのように気持ちよくなってもらおうという「お風呂理論」をベースに色々なノウハウが紹介されている。


・第一問目は「自分のことは好きですか?」→「その理由は?」
・4つの”恋バナ”(初恋、初キス、初デート、失恋)は欠かせない。
「今の仕事をやっていてよかったと思った瞬間、やらなきゃよかったと思った瞬間を教えて下さい」
「好きな物、嫌いな物は何ですか?」
嫌いな物とその理由は、心理学的には、その人自身の自己評価が投影されている。
・”そもそも力”で相手の核心に迫る
「そもそも(なぜ)」で核心に迫る。(これは自分の初期設定の振り返りにも使える)
「マジっすか?」は魔法の相づち
「現在」→「過去」→「現在」→「未来」の順できく。
などなど。

・相手の話を印象的なキーワードでタイトルづけしてあげる。
・雑談の中に質問の伏線を仕込む。
など、おちまさと氏じゃないとそりゃできないでしょ!と突っ込みたくなるようなノウハウもあるものの、「お風呂理論」については非常に共感できるものもあり、そのノウハウも使えそうなものが多い。
この手の本は全てそうだが、後は如何に日々実践できるかが「本当に読んだ」といえるかどうかの分かれ目だ。
 



2011年8月17日水曜日

『9割は伸ばせる できる人の教え方』

東進ハイスクール人気講師の安河内哲也氏の「教え方」本。
予備校という究極の人材育成機関にあって、20年以上の経験を伴った知見には説得力がある。

企業においては、人材育成だけを目的とした「人材育成部」というのは一般的ではなく(今だと人事部の一セクションか)、OJTという名のもとに各ライン部署に「人材育成」の実行責任が降りてきている。
そのことを考えると安河内氏の教えは、企業においては誰しもが意識しなければならないということだ。

安河内氏曰く、教える人は「5つの役割」を担う。(これは安河内氏の独創ではなく、教育界においては結構いわれることなのだそうだが、初耳である)
教える立場に立つ人は、「学者」であり、「役者」であり、「易者」であり、「芸者」であり、「医者」でなければならない。
【学者】
・分かり易さは、教える側の膨大な知識があることによって初めて生まれてくる。
・自分が勉強する姿を見せて、それを部下、生徒、子供などに波及させる。
【役者】
・教えるとは、人前にたって、人を惹き付ける行為である。
【易者】
・相手の不安をキッパリ切り捨てる
・相手が「自分は成功に向かっている」と思えるように働きかけ、サポートする。
【芸者】
・学ぶ場を楽しくする。
・相手が退屈しないように「笑い」を盛り込む。
【医者】
・相手のタイプ(思考型か暗記型か)を見抜いてアドバイスする。
 (暗記型には思考するように、思考型には暗記するようにアドバイス)

教師の評価軸であるが、安河内氏曰く、教えると言う仕事は、次の二つの柱から評価すべき。
「部下・生徒・子供の満足度」
「部下・生徒・子供の伸び率」
それぞれについて、達成率が70%以上をキープできている人は、上司として、教師として、親としてかなり優秀だといえる、とある。
企業において何をもってして部下の伸び率の達成率70%というのか定量的な基準が難しいが、360度評価を用いて数値化するというようなことは可能な気がする。

また、話をまとめる時のコツも披露されている。
論理的に話すコツは、内容を4つに分けること。
「トピックの提示」(小さな主張)
「サポート」
「具体例・反論」
「結論」(最後まで引っ張っておく大事な主張)
  これは教師のみならず、一般の企業人にも活用できる素晴らしい技だ。

また、教える立場と教わる立場の距離感についての考察も面白い。
教える側と教わる側の距離は、遠くても近くてもダメ。追いつけそうだと思わせておいて、追いついてきたら突き放す。そのようにして、追いつけそうで追いつけない距離を保つ。
教える立場に立つ人は、ときに圧倒的な力の差を見せ、適度な距離感を保つことを意識する必要がある


伸びにくい人間の特性についても述べられている。
中途半端にできる人ほど、伸びにくいことが多い。
一番教えにくいのが、全体のレベルを5段階に分けたら、上から2,3番目のあたりの層。
彼らに共通していえるのは「プライド」が高いということ。そのため、自分のやり方を捨てようとしない。
間接的に彼らのプライドを挫いて、ガチガチに固まったプライドやコンプレックスを崩してあげると、この層は飛躍的に伸びていく。
この考察などは,正に一般企業でも同じこと。

テストの数字で”伸び(成長)”が明確に定量化しやすい予備校における人育ての様々なノウハウは非常に参考になるところが大であった。

『哲メン図鑑』

柏の葉でもご一緒させていただいたアーティストの高橋信雅さんがイラストを描いている哲学の入門書。
現在、仕事でご一緒させていただいているE社の齋藤社長が、たまたま高橋信雅さんをプロデュースされているとのことで、頂戴して読んでみた。
70人の哲学者の人となり、考え方を高橋氏の楽しげなイラストで魅せる哲学入門書ではあるが、お堅い感じが全くなく、我々の世代にはわかりやすい樫辺勒氏の解説が楽しい。(哲学書は喩えが無いと全く理解できないが、その喩えがマンガやらアニメやら現代社会の登場人物やらで非常にユーモアに富み分かり易い)

恥ずかしながらこの歳で初めてしったことも多々あった。
○哲学というものは最初は自然科学に対する洞察(自然哲学)から始まったこと。
○ソクラテス辺りまでは、哲学とは”実践”するものであったこと。(著作がなくてもソクラテスは大哲学者!)
○キリスト教というものは、哲学においては思考の足枷となっている要素が大きかったこと(中世スコラ学における「神」の位置づけは間違いなく自由な思考の足枷となっていたはず) 。
○「愚行権」という素晴らしい考え方は多湖輝先生の独創とおもっていたらミルが提唱したものであったこと。
○思想についても、政体と非常に関わりがあり、流行すたりがあるということ。
476年のゲルマン諸族の大移動と西ローマ帝国の崩壊に伴う混乱で、ギリシアの哲学者の写本がヨーロッパから失われてしまう。
その後およそ1000年におよぶ「中世」のヨーロッパ社会での知の主役を担ったのは神学者達だった。それが学問として高度に体系化されたのが「スコラ(哲)学」。
そして、その際に重用視されたのが、13世紀にイスラーム世界から逆輸入されたアリストテレスの哲学だった。
アリストテレスに遅れること200年あまり、プラトンの哲学もまた東からやってきた。
1453年に東ローマ帝国がオスマン・トルコに滅ぼされると、学者達が貴重なギリシャ語写本を携えてイタリアに逃れてきた。当時の中世末期のイタリアでは、ルネサンスが全面開花しようとしていた。)
などなど。

それにしても哲学者というのは変わった人が多い。
ソクラテスあたりまでは”実践”するのが哲学者だったから、わからなくもない。
中世以降は、裕福な家の出が多い気がするのは、忙しいと哲学なんてやってられない(考えていられない)からであろうか。
そういう意味では久しぶりのオフで、ゆっくり哲学に思いを馳せる時間がとれるのはありがたい。

チャンネル争い

子供が自分の誕生日に仮面ライダーのソフトを買ってきた。
そんなことから昔、仮面ライダーを見ていたときの話になった。
「昔はチャンネル争いでな〜」という話をしたら子供達は怪訝な顔。
そういえば今はHD付きDVDのお蔭で録画して後で観るというのが当たり前になっているので「チャンネル争い」というもの自体が存在しない。
昔は「チャンネル争い」により、親父の絶対感や長幼の序を学んだり、誰が何を観たがるので何は観るのが難しそうだという見立てから、はては民主的なジャンケンという方法を確立したりと、そこからも色々学べたものだ。
便利になり、家族内においてさえ個人個人のプライバシーが重要視されている時代、意識して過ごさないと、明らかに”のりしろ”が少なくなっている気がする。

2011年8月9日火曜日

『CRM』

10年以上前にアクセンチュアから出された本。
CRMを概括してみるのにお勧めとのことで購入し読んでみた。

10年前に書かれた本であるので、正直、若干の古さは否めない。(アマゾンの事例で、「今後トイザラスとの提携により書籍以外の分野で業容を拡大」とあるのだが、この10年間でトイザらスとは喧嘩別れになってしまっているのは周知の通りである。)

とはいえ、基本的な柱については10年程度で変わることはなく、分かり易く学ぶことができた。

CS活動からの教訓
その1 顧客は一律ではない。
その2 顧客には儲かる顧客と儲からない顧客がいる。
その3 顧客ごとの異なる扱いの実現には高い企業能力が必要とされる。

アクセンチュアの提唱するCRMモデルがあって、ピラミッド型で4層に分かれているのだが、特徴的なのは
「顧客インサイト(顧客理解・識別)」
という層を設けていること。
これは「顧客戦略(Customer Strategy)」と「業務プロセスおよび人・組織層(Process and People)」の間にあって、CRMにおいてはこの「顧客インサイト」における仮説とその検証こそが肝とされている。

また、「顧客インサイト」につながるが、「顧客ゼグメンテーション」についても重要視されている。
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セグメンテーション手法と言った時に、実はその内容には二種類の話しが混ざっている。
一つはどのような情報を基にするかであり、大きく分けて属性情報(Attribute)、意向情報(Attitude)、行動情報(Behavior)の3タイプがある。
また一つはどのような数学的方法で顧客を区分していくかで、主成分分析、数量化Ⅲ類、クラスター分析、多次元尺度構成法などさまざまなものがある。

顧客第一主義を標榜する企業において、顧客セグメンテーションは単なるマーケティング上の部品ではなく、全社員にとっての行動基準であり攻略すべき敵陣の地図のような存在だ。
顧客セグメンテーションをどう取るかは「こういうお客様は大切。こういうのは切り捨てろ」という経営トップからの全社員へのメッセージであり、その後の商品開発・営業活動・ロジスティクス等々すべての企業活動に重大な影響を及ぼす。
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顧客を理解し、識別するには、人のスキルの面・組織の位置づけの面が非常に重要になってくる。
組織面では、インサイト担当(販促企画)が、現場任せでなく、本社にかなり集中化・集権化されていること。この業務の担当者には非常に幅広い経験と洞察力・情報処理能力が求められる。そのような人材は希少であり、現場に分散配置させられないので、どこかに集めて集中的にやってもらうしかない。
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顧客インサイトを行うためには、集権化して行うべしというのがアクセンチュアの見立てだ。

なかなかのボリュームであるが、一通りCRMについての基礎を知ることができた(ような気がする)本である。

2011年8月8日月曜日

柏の葉 納涼ナイトマルシェ

柏の葉で毎月やっているマルシェが今月は『星空ピクニック 納涼ナイトマルシェ』と銘打って18:30〜開催されてました。(通常は日中の開催)
生演奏の隣で、何故か自転車をこいでいる人(恐らく自家発電?)がいたり、『K-STREAM』と称してU-STREAMで世界に発信したり、色んな仕掛けが相変わらずという感じで駅前の交流施設UDCKも夏祭りの夜店風に仕上がっていて楽しげでした。
知らないうちにUDCKのとなりに、オープンテラスカフェの『えだまめ』なるものがオープンしていて、日々進化する柏の葉を感じました。
マルシェ自体は毎月開催してますので、機会がありましたら皆様も是非。