2009年10月24日土曜日

『経営の見える化』

株式会社武蔵野の小山昇社長の本。
タイトルにあるようにベースとしては『経営計画書』の重要性とその考え方について紙面が割かれています。

○「見える化」と「見せる化」は違って、変化のプロセスが追えるようになっていないと「見える化」にならない。
○マーケットには「ライバル」と「お客様」しかいない。
 だから経営判断を正しく行うための5つの情報は
1.実績報告(数字)
2.お客様からの声(褒められたことやクレーム)
3.ライバル情報
4.本部・ビジネスパートナー情報
5.自分・スタッフの考え
この順番で報告する。
○コミュニケーションは「回数」である。部下と飲みにいった回数を月末に報告させる。
○社員のモチベーションを高めるためには、「インプットはデジタル、アウトプットはアナログ」の方が適している。
インプットもアウトプットもデジタルという考え方は、データを活用したり、作業効率を高めるうえで有効だが、情報(=もの)を扱うならデジタルでアウトプットしてもいいけれど、感情(=心)に働きかける場合には、アナログでアウトプットした方がいい。
なぜなら、「見たら分かる」と「見た」は違うから。「いつでも、誰でも、閲覧できる」状態は「いつも、誰も、閲覧しない」につながりやすい。
○何回現場に行ったか「現場百回帳」をつける。
などなど、納得できる斬新な考え方もある一方、

△課長職以上(50人)の360°評価(投票)で査定し、社員の序列をつけていて公表している。
結果に文句がある場合には50人に自分の評価をあげてもらうようお願いしてこい、と話ている。
それで引き下がるということは納得したということ。
△飲み会は社長の自腹の方が社員は喜ぶ。
△同僚の真似をして成果を上げると賞与倍増。
△バスウォッチング(他現場視察)して、気づきを50個あげないと罰金
など、ちょっとオーナー企業でないとできそうもないアイデアまで色々書かれています。

基本的には、性悪説にたって社員をどのようにマネジメントしていくのか、という明るいノウハウが書かれている感じですが、オーナー企業ならではの手法も多く、通常の上場企業においては中々実行できそうもないことも多々あります。
それでも20年前の創業以来増収増益を続けている実績ノウハウはすごいものがあります。
真似したくないけど凄いってのは、やっぱり凄いってことなんでしょうね。



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