2009年10月19日月曜日

『マインドマップ会議術』 高橋政史 大嶋友秀

マインドマップを利用した会議術のノウハウ本です。
しかしながら、その理論を述べるのに非常に素敵な引用が多い本です。

「言葉」の壁を乗り越えることが如何に重要であるかを示すためのメタファーとしてのバベルの塔の話や、薬師寺西塔の再建の話が出て来ます。



<バベルの塔の物語>
その昔、民は一つで言葉は一つだった。人間はみな同じ言語を話し、一致団結して天(神)に届くような高い塔を建築していた。
この企てに怒った神は、言葉を乱した。一つだった言語を、多言語にした。
それにより人間は意思疎通ができなくなった。
言葉の「壁」ができ、「バベルの塔」は崩壊した。

<心の中に塔が建った>
昭和を代表する宮大工、西岡常一棟梁が薬師寺西塔の再建プロジェクトで言った言葉。
プロジェクトにあたって、西岡棟梁はすぐに着工せずに職人達との「対話」からはじめた。
その期間は実に2ヶ月。職人達の気持ちをそろえ、言葉の「壁」を超えるためだ。
結果、少なくとも3年はかかるであろうと言われた薬師寺西塔の再建は、対話期間も含め2年半で成し遂げられた。


マインドマップを用いた会議術としては”STARサイクル”というのが紹介されていますが、このマインドマップ会議術の”肝”は『単語』で案を出し合うことかと思います。
その理由は『単語』だと否定できないから。
『単語』だと出された側が質問をするようになり、傾聴が生まれるのだそうです。

その他にも「割れた窓理論」やチクセントミハイの「フロー」関連の話も出て来て、非常に共感がもてました。
後は実践あるのみなんですが、マインドマップも変に有名になりつつあって、使うには勇気がいります。
非常に有効な議題のときもありますので、活用していきたく思います。

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