これは”tensional"(張力)+"integrity"(統合、整合性)という2つの言葉を結びつけた造語である。
「張力によって整合性がとれている状態」をテンセグリティと言い換えることで、この考え方が組織論、人間関係論にもあてはまるのではないか、というピープルフォーカス・コンサルティング黒田由貴子さんの説が日経新聞に載っていた。
従来の組織はピラミッド型が多く、”柱を多くすることで強くする”という考え方だが、どこかひとつがダメになるともろく崩れる可能性があり、また簡単に形を変えられないため、変化への対応性が低い。
一方、テンセグリティ的な組織の形は、たくさんのチームとそのネットワークから成り立つ球形に近いもので、今日のように変化のスピードが速い世の中に対応できる組織となっている。
多くの組織はピラミッド型と球形、2つを組み合わせているが、どちらに重きをおくかで、組織のしなやかさがかわってくるという説だ。
リーダーシップに関しても、
①先見性や情熱でメンバーを引っ張る「牽引型」
②明確な判断基準で指導する「人格型」
③社員に奉仕する「奉仕型」
④つなぎ役としてメンバーが力を発揮できる環境をつくる「触媒型」
があり、④の「触媒型」がテンセグリティ的組織の中で必要とされるのだそうだ。
ビジョンを持ち、組織活動を通じてそれを実現しようとするため、自分の考えを積極的に述べ、行動をおこす”フォロワーシップ”をもった理想的フォロワーは、リーダーとの違いが曖昧で互いの意志や熱意が拮抗する『張力』のような関係になる。
この”フォロワーシップ”が、上下関係の無いテンセグリティ的組織には大切なのだそうだ。
テンセグリティについては、大好きなアートの本で以前から知っていたが、それを組織論、人間関係論にあてはめる考え方があったとは驚きであった。
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