2012年3月4日日曜日

『商品企画できない社員はいらない』

ポッキーなどグリコで売れ筋商品企画を行っていた太田昌宏氏の著書。
正直、タイトルだけで購入を決めてしまったが、読んで、菓子という別業界の商品企画の話しも面白そうだと思った。

「コンセプト」「ターゲット」「使用シーン」の3つの要素が連動することが大切。
コンセプト:顧客が最も魅力に感じるメリット(一番のウリ)
ターゲット:コンセプトを一番魅力に感じるグループ
使用シーン:ターゲットがメリットを享受できる典型的なシーン
これは三位一体なので、どれか一つに修正が入ると別のも変えていく必要があるというのは、不動産においても一緒であると感じた。
また、「シーン」を重視しているというのも共通であり、大切な要素であると思う。

面白かったのはネーミングの注意点。
1 一目見て、商品の特徴が分かること
2 新鮮さ(いい意味での違和感)を感じること
3 ターゲット顧客が言いやすい名前であること
4 先行商品に対抗する場合は、同じ土俵に乗らないこと
5 担当者が名付け親になること

ちなみに、店頭で消費者が商品を目にしてから手を伸ばすまで0.6秒といわれている。その間に商品の内容を理解してもらうため、小林製薬では「1秒以内でどんな商品かわかる」がネーミングの鉄則らしい。
また、小林製薬では「小さな池の大きな魚」戦略として、競争相手がひしめく「大きな池の小さな魚」になるのではなく、「小さな池の大きな魚」で「池」を拡大しながら高シェア高収益を確保する戦略をとっている。

売上=分布×回転
「回転」が悪いのは、商品に魅力がないからで企画の責任。
「分布」が悪いのは、営業活動に問題がある場合が多い。
 これが最初、自分の業界で当てはめると理解できなかったが、食品小売については「店に並べてもらう」ということが非常に大切となるということが分かって新鮮であった。


最後にロングセラーの注意点。
<ロングセラー作りの注意点>
1 ○○ブランドといえば△△という基幹商品を育成する
2 系列品は、基幹品が定着してから発売する
3 系列品発売時は、基幹品の定番化を再徹底する
4 系列品発売時は、基幹品もせっとで露出する
5 系列品発売には、「限定」を有効に使う
これは不動産業においても参考になる法則かもしれない。





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