「リーン・スタートアップ」とは、リーン生産方式やデザイン思考、顧客開発、アジャイル開発など従来から活用されてきたマネジメントや製品開発の手法をベースにした、イノベーションを継続的に生み出せるアプローチである。
「起業」というとベンチャー企業で行うイメージだが、ここでいう「スタートアップ」とは大企業であれベンチャーであれ、新たな商品・サービスをビジネスとして提供し始めることを総括して称している。
(著者はスタートアップを、「とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創りださなければならない人的組織」と定義している。)
なので一般企業に属する「新規事業」「新商品開発」などを担当している人間にも役に立つ訳だ。
リーン・スタートアップ。
色々と書かれていて全体が見えないと分かりにくい部分もあるが、次回説のMIT メディアラボの伊藤穰一氏によると、以下の通りになる。
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リーン・スタートアップの本質を分かりやすく表現すると「地図を捨て、コンパスを頼りに進め」ということになる。
イノベーションに必要なコストが劇的に下がった現在においては、あるプロダクトを生み出すためにそれを成功に導くまでの「地図」を描こうとすると、その作業だけでプロダクトを開発する以上のコストがかかってしまう。たとえ地図ができたとしても、イノベーションが急速に進む今の世の中では、プロダクトを開発している途中でゴールが変わり、地図そのものが陳腐化する可能性が高い。
こうした状況においては地図などはじめから持たずに、市場の変化を敏感に感じ取るコンパスを手に、しなやかにプロダクトの方向性を変えていった方がよい。
地図を捨てることで「セレンディピティ」の恩恵にもあずかれる。
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リーン・スタートアップの具体的な手法としては
MVP(minimum viable product:製品やサービスのプロトタイプ)を作って、構築ー計測ー学習のフィードバックループに要するトータルの時間を最小にする
というもの。
著者は様々なケースにて起業支援やアドバイスを行ってきているので、リーン・スタートアップを行った際に実際起こることについても述べている。様々な事例は非常に説得力があり、それを読んでいるだけでも面白い。
その一例が、チームの生産性について、その定義を機能的な卓越性〜マーケティングや営業、製品開発などそれぞれにおけるエクセレンス(卓越性)〜から検証による学びにかえるとフリクションが起きるというもの。
各機能のスペシャリストは自分の仕事に没頭できた時間の割合で業務効率を測ってきた。
それが、リーン・スタートアップの場合、スペシャリスト一人一人の効率向上は目的に含まれない。機能横断的に仕事をして「検証による学び」を得るチームを構築することを目的としているため、一見メンバー個人の業務効率が悪化するように感じられるというのだ。
行動につながる評価基準、継続的デプロイメント、全体的な構築ー計測ー学習のフィードバックループなど、そのためのテクニックはいずれも、チームメンバーの個人的効率を落とす。
しかし、大事なのは、ループ全体を少しでも速くまわすことだ。
「やってはいけないことを素晴らしい効率で行うほど無駄なことはない」(by ピーター・ドラッカー)
我々は得てして、”やってはいけないことを素晴らしい効率で行い”、自己満足に陥っていることがあるということだ。
②自分たちの事業を興す権限を有していること
③成果に個人的な利害がかかっていること
「起業」というとベンチャー企業で行うイメージだが、ここでいう「スタートアップ」とは大企業であれベンチャーであれ、新たな商品・サービスをビジネスとして提供し始めることを総括して称している。
(著者はスタートアップを、「とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創りださなければならない人的組織」と定義している。)
なので一般企業に属する「新規事業」「新商品開発」などを担当している人間にも役に立つ訳だ。
リーン・スタートアップ。
色々と書かれていて全体が見えないと分かりにくい部分もあるが、次回説のMIT メディアラボの伊藤穰一氏によると、以下の通りになる。
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リーン・スタートアップの本質を分かりやすく表現すると「地図を捨て、コンパスを頼りに進め」ということになる。
イノベーションに必要なコストが劇的に下がった現在においては、あるプロダクトを生み出すためにそれを成功に導くまでの「地図」を描こうとすると、その作業だけでプロダクトを開発する以上のコストがかかってしまう。たとえ地図ができたとしても、イノベーションが急速に進む今の世の中では、プロダクトを開発している途中でゴールが変わり、地図そのものが陳腐化する可能性が高い。
こうした状況においては地図などはじめから持たずに、市場の変化を敏感に感じ取るコンパスを手に、しなやかにプロダクトの方向性を変えていった方がよい。
地図を捨てることで「セレンディピティ」の恩恵にもあずかれる。
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リーン・スタートアップの具体的な手法としては
MVP(minimum viable product:製品やサービスのプロトタイプ)を作って、構築ー計測ー学習のフィードバックループに要するトータルの時間を最小にする
というもの。
著者は様々なケースにて起業支援やアドバイスを行ってきているので、リーン・スタートアップを行った際に実際起こることについても述べている。様々な事例は非常に説得力があり、それを読んでいるだけでも面白い。
その一例が、チームの生産性について、その定義を機能的な卓越性〜マーケティングや営業、製品開発などそれぞれにおけるエクセレンス(卓越性)〜から検証による学びにかえるとフリクションが起きるというもの。
各機能のスペシャリストは自分の仕事に没頭できた時間の割合で業務効率を測ってきた。
それが、リーン・スタートアップの場合、スペシャリスト一人一人の効率向上は目的に含まれない。機能横断的に仕事をして「検証による学び」を得るチームを構築することを目的としているため、一見メンバー個人の業務効率が悪化するように感じられるというのだ。
行動につながる評価基準、継続的デプロイメント、全体的な構築ー計測ー学習のフィードバックループなど、そのためのテクニックはいずれも、チームメンバーの個人的効率を落とす。
しかし、大事なのは、ループ全体を少しでも速くまわすことだ。
「やってはいけないことを素晴らしい効率で行うほど無駄なことはない」(by ピーター・ドラッカー)
我々は得てして、”やってはいけないことを素晴らしい効率で行い”、自己満足に陥っていることがあるということだ。
また、大企業におけるスタートアップについては、「親組織を守る」ため、イノベーションのサンドボックス(砂場)をもうけることが有効であると提言している。
この「砂場」、その中では一定の制限の中、チームに裁量を渡して自由にチャレンジをさせるというものだ。
また、社内スタートアップであっても通常のスタートアップであっても、3つの組織的な特質が必要になると著者は述べている。
①少ないが確実に資源が用意されていること②自分たちの事業を興す権限を有していること
③成果に個人的な利害がかかっていること
現在企業内で、新商品企画を考えたり、新事業を興したりしている立場からすると非常に参考になる本であった。
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