2017年7月23日日曜日

LEGO SERIOUS PLAY

立教大学 中西先生による つなぐLab Vol.0011で小笠原裕司先生によるLEGO SERIOUS PLAY を体験。

・手で考えて
・出きた作品に意味を与えて
・思考を整理するメソッド
ということで、MITのシーモア・パパート教授のコンストラクショニズムの考え方がベースになっているらしい。




○曖昧模糊とした質問(お題)に対し、考えてから作る(デザインする)のではなく、まず作る(作りながら考える)ことを指示される。これにより、全員参加が必須となる。さらに言うと手を前に出す必要があるので、全員、「前のめり」の会議になる。
○自分のプレゼン時に、レゴ作品を指差してプレゼンすることを指示される。これにより、プレゼンの敷居が下がる(説明相手の視線が自分に刺さらない)効果とともに、ヴィジュアル(3Dのレゴ作品)とともに説明ができる(「目で聴かせる」)ので、相手の記憶に残りやすい。
○プレゼン者に対しては「作品」に対して質問することを指示されるので、相手の人格と相手の意見を分けて捉えやすくなる。(とはいえ、「作品」はややもすると自分の分身となるので、相手の作品に勝手に触らないよう、との指示もあり)
○作品を中心に質問が進むので、言葉だけで対話するのに比べ、質問(テーマ)が取っ散らかることが少ない。
○特に価値観が大きく異なる、多様な文化を背景にもつメンバーが参加する場合に効果的である反面、レゴとはいえスキルにより表現に差が出る部分もあるので、多少の練習時間が必須。


<所感・気づき>
○たった52個のパーツだが、「高い塔を作る」と言う”目的性”を持ったお題ですら、人それぞれの作品となる面白さがあった。(そしてこの52個のパーツは色も形も相当考えられてこの組み合わせとなっているらしい)
○作って、語って、振り返る(気づきを得る)と言う一連の流れが、上田信行先生の講義を思い出した。
○「目」のブロックは得てして「他人」を意味することで使う人が多く、「目」と言うのは人間にとって「他者」の重要な象徴なのだと改めて思った。
○「気持ちの準備が整った方から発言をよろしくお願いします」と言う表現を使うと、参加者を焦らすことなく、発言を促すことができる。



人は「作話する動物」であるという認識でいるので、このメソッドで何を作るか(どんな形を作るか)には、実は全く意味がないのだと思っている。
自分の作ったものに対してどう意味・解釈を与え発信するのか、と言うことが重要なわけだが、最初の段階ではその意味づけも荒削りで場当たりなものとならざるを得ない。(なぜなら最初に形を作ってしまうわけだから)
それでも議論が活性化するのは、そもそもレゴが抽象性を持っているからなのだろう。
時間の都合で割愛されたのだが、自分の作品について、「コアな部分」だけを取り出す行為(おそらく本当に自分が言いたい部分を抽出する行為)を行うことで、より自らの考えについて深め、気づくことができるのではないかと感じた。

このLEGO SERIOUS PLAY 、ファシリテーターをやるにはLEGOから認定される必要があるらしいが、その認定研修は来年秋ごろまで予約がいっぱいなんだとか。
LEGOのビジネス上の凄みも感じた1日だった。

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