2018年9月23日日曜日

『1分で話せ』

「エレベーターブリーフィング」という言葉がある。忙しい役員などにそもそも説明の時間をもらうために短時間で話の概要を説明することだ。
忙しい人々に時間をもらうため、短時間で概要を説明する、そのためのノウハウを学ぶべく読んでみた。

そもそも人間は、相手の話の80%は聞いていない。
これは偉くて時間のない人に限らない。
そのため日々の活動においてチームで動く場合にも、チームの力を最大限活かすためには、自分の主張を相手にしっかりと伝え、理解してもらい、動いてもらう力、すなわち「プレゼン力」が必要となる。
これは人前で発表するスキルでも、話すスキルでもない。人に「動いてもらう」力である。
プレゼンというのは、自分が伝えたいことを「伝えていく」行為ではなく、「相手の頭の中に、自分が伝えたいことの骨組みや中身を『移植』していく作業」なのだ。

そのために必要なのが、「1分で話せるように話を組み立て、伝える」ということ。
「1分で伝える」極意、それは左脳と右脳の両方に訴えかけること。
そして「相手を動かす」、これを明確に意識すること。


右脳と左脳の両方に訴えかけるためには、ピラミッドは3段で作る。
 「結論」→「根拠」→「たとえば」の3段ピラミッド。
左脳には理論で根拠を示し、右脳には例えを引くことで想像させる。

ピラミッドを作るにあたっては
・前提を聞き手と共有する(そのためには「◯◯の場合には」という枕詞をつける)
・主張(結論)を明確にする
・主張を説明する根拠を複数用意する(できれば3つ)
・意味が繋がっているか、「〜だから、〜だ」と読んでみてチェックする。
ことを経る。

いくらいい話をして聞き手に喜んでもらったとしても、聞き手がそれをずっと覚えているかどうかは別の話。
人は相手の話を80%聞いていないことを忘れてはいけない。
しかし、印象に残るストーリーをしっかりと話し、相手に覚えてもらうための仕掛けを作ることによって、相手にずっと話を覚えてもらうことは可能だ。
そのためには、「自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す」。そうすることで、自分の伝えたい内容をその一言に「包み込む」。それを「めちゃくちゃ大事な一言」という意味を込めて「超一言」と言っている。
「覚えやすく、その一言で、プレゼン全体を表現するようなキーワード」を用意することだ。


必要なら、事前の根回し、会議後のアフターフォローなんでもやる。
相手が動くためにできることを全てやりきる。そしてそのために時間を惜しんではいけない。
自分がプレゼン下手だと思い込んでいる人の7割は単に「声が小さい」ことが原因。
声に出して、立って、何度も練習する。時間の許す限り。

たとえ上司であっても「配慮はしても遠慮はしない」
大事なのは動かしてなんぼ。


1分間で言い切れるように、シンプルに言いたいことをまとめ上げる。
これはプレゼンだけではなく、チーム内のコミュニケーションにも重要なこと。
シンプルな中にも独創性のある「超一言」を入れ込むことでビジョンを共有することができる。

その他にもプレゼン資料のフォントの大きさやら、人前で話すとき意識することのポイントなど、具体的な内容がシンプルに記載されている良書。
確かに、「1分間で話せ」の内容がダラダラと長かったら説得力ないからね。

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