敬愛する、中西紹一立教大学特任准教授がFacebookで勧めていたので、Amazonワンクリックでほとんど衝動的に購入した本。
グロースハッカー・マーケティングと呼ばれるマーケティングの新手法における、マーケターのマインドセットについて書かれた本。
旧来のマーケター視点との比較で書かれているので、マーケターが読むと(腑に落ちるかどうかは別として)分かりやすいのかも知れない。
「マーケティングは企業や製品の完成後にスタートする自己完結型活動」という考え方を放棄することから始まる。
簡単に言うと、製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い、ということ。
だからグロースハック・マーケティングのマインドセットは、製品発表前の数週間前に始まるのではなく、製品の開発・設計フェーズから始まる。
「マーケティング」とは、顧客の獲得だ。そう考えれば、顧客を獲得するための行動すべてがマーケティングだといえる。
という訳で、今までの「マーケティング」とは、製品が決まっている段階からいかにそれの認知を上げてリードジェネレーション(見込み客)を獲得するか、ということであったのに対し、グロースハッカー・マーケティングにおいては、(製品開発段階からアフターサービス段階まで、コンバージョン率を上げることも含めて)顧客獲得のために行うあらゆることが「マーケティング」ということになる。
著者ライアン・ホリデイは4つのステップがあるという。
【ステップ1】まずは人が欲しがるものを作れ。
プロダクト・マーケット・フィット(Product Market Fit:PMF)。これはサービスと顧客(のニーズ)が完全にシンクロする状態。『リーン・スタートアップ』の著者、エリック・リースは、PMFを獲得する最善の方法は、まず「実用最小限の製品」(minimum viable product:MVP)でスタートし、ユーザーからのフィードバックに基づいて改良していくことだと説明している。
グロースハッカー・マーケティングにおいて、PMFへの到達はマーケターの仕事だ。
マーケターは、PMFが奇跡的に達成されるのを待つのではなく、このプロセスに参加する必要がある。サービスの顧客を見極め、彼らのニーズを把握し、圧倒するようなサービスをデザインする。これらは全てマーケティングの決定であり、開発設計のプロセスではない。
マーケターは製品やサービスが開発されるのに任せるのは、もうやめるべきである。マーケターはアイデアの提供、ルールとガイドライン、そしてフィードバックによって開発に影響を与えることができるのだ。
【ステップ2】自分なりのグロースハックを探して
事業を成功させて収益をあげるには、マーケティングの方法を、潜在顧客の購買行動プロセスに合わせる必要がある。
マーケターの仕事はもはや「ブランド構築」ではない。忠誠度が高く、情熱的なユーザーの集団を形成するのが仕事だ。
ユーザーは引き込まなければならない。いいアイデアだけでは不十分だ。
実際、顧客は獲得するものだ。その方法は絨毯爆撃ではなく、ふさわしい相手にターゲティングしたピンポイント攻撃だ。
【ステップ3】クチコミを巻き起こせ
クチコミを巻き起こすためにも製品設計の段階から自問するべき内容がある。
◯顧客がこの製品を話題にする理由はあるだろうか?
◯この製品には人に薦めたくなるような工夫がしてあるだろうか?
◯そもそもこの製品には話題にするだけの価値があるだろうか?
目につきやすくすれば、模倣しやすくなり、人気がでる可能性も高まる。商品やアイデアそのものに宣伝させ、また買った後や利用した後でも分かる『行動の残滓』を生み出すよう、工夫をする必要がある。
事例として、Hotmailはユーザーが送信する電子メールを新規ユーザーへのアピールに利用した。Appleとブラックベリーは自社製モバイル端末からユーザーが送信する全ての電子メールの文末に「iPhoneから送信」「BlackBerryから送信」と表示させた。
さらに、Appleによる「製品そのものに宣伝させる作戦」で最も効果的だったのは、それまで黒が普通だったイヤホンをiPadで白にしたことだ。
グロースハッカーは、ブランディングのために全国ネットのテレビ番組での製品露出の権利を買ったり、セレブに金を払ってサービスを利用してもらったりはしない。
その代わりに、こうした「ソーシャルカレンシー(社会的通貨)」を無料で獲得する方法を考えるのだ。
【ステップ4】つかんだユーザーを手放すな
「伸び悩んでいる企業は、営業とマーケティングに投資するべきだ」というこれまでの常識は忘れるべきだ。
企業はサービスそのものの改善に投資する必要があるのだ。ユーザーがそのサービスから離れられなくなる(そして友達を誘う)まで改善しよう。
新しいマーケティング戦略を試す方がやる気が出るし、プレス発表の方が面白いのは確かだ。だが、ビジネスにとって既に手の内にあるものを定着させたり、最適に改善したりする方が重要なのである。
コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーによると、 顧客の定着率が10%上がるのは、企業価値が30%上がることに相当するという。
調査会社マーケット・メトリクスによると 既存顧客が購入する可能性は60〜70%なのに対し、新規顧客の場合は5〜20%だとしている。
「定着は獲得に勝る。」のだ。
グロースハックは、ROI(投資収益率)の最大化を目指すもの。最も効果的なポイントに全精力を注ぎ込むことだ。
グロースハック・マーケティングで重要なのは、そこに共通するマインドセットだ。
グロースハックを実践している新興企業は、グロースハックのプロセスを踏襲し、マーケティングを製品あるいはサービスの構築に結合させている。
立ち上げ段階でアーリーアダプターを巻き込み、製品あるいはサービスにクチコミを誘発する要素を埋め込み、データを分析して最適化を繰り返している。
戦術はバラバラでも、戦略的ゴールはひとつだ。
効率的で拡張可能なデータ駆動型の方法で顧客にリーチすること。
そう、今やっている事業の目的も「効率的に顧客にリーチする手法を生み出すこと」だ。
データ駆動型の準備はできているので、拡張可能なやり方を編み出すというのが今年の事業上の課題だな。
フムフム。
グロースハッカー・マーケティングと呼ばれるマーケティングの新手法における、マーケターのマインドセットについて書かれた本。
旧来のマーケター視点との比較で書かれているので、マーケターが読むと(腑に落ちるかどうかは別として)分かりやすいのかも知れない。
「マーケティングは企業や製品の完成後にスタートする自己完結型活動」という考え方を放棄することから始まる。
簡単に言うと、製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い、ということ。
だからグロースハック・マーケティングのマインドセットは、製品発表前の数週間前に始まるのではなく、製品の開発・設計フェーズから始まる。
「マーケティング」とは、顧客の獲得だ。そう考えれば、顧客を獲得するための行動すべてがマーケティングだといえる。
という訳で、今までの「マーケティング」とは、製品が決まっている段階からいかにそれの認知を上げてリードジェネレーション(見込み客)を獲得するか、ということであったのに対し、グロースハッカー・マーケティングにおいては、(製品開発段階からアフターサービス段階まで、コンバージョン率を上げることも含めて)顧客獲得のために行うあらゆることが「マーケティング」ということになる。
著者ライアン・ホリデイは4つのステップがあるという。
【ステップ1】まずは人が欲しがるものを作れ。
プロダクト・マーケット・フィット(Product Market Fit:PMF)。これはサービスと顧客(のニーズ)が完全にシンクロする状態。『リーン・スタートアップ』の著者、エリック・リースは、PMFを獲得する最善の方法は、まず「実用最小限の製品」(minimum viable product:MVP)でスタートし、ユーザーからのフィードバックに基づいて改良していくことだと説明している。
グロースハッカー・マーケティングにおいて、PMFへの到達はマーケターの仕事だ。
マーケターは、PMFが奇跡的に達成されるのを待つのではなく、このプロセスに参加する必要がある。サービスの顧客を見極め、彼らのニーズを把握し、圧倒するようなサービスをデザインする。これらは全てマーケティングの決定であり、開発設計のプロセスではない。
マーケターは製品やサービスが開発されるのに任せるのは、もうやめるべきである。マーケターはアイデアの提供、ルールとガイドライン、そしてフィードバックによって開発に影響を与えることができるのだ。
【ステップ2】自分なりのグロースハックを探して
事業を成功させて収益をあげるには、マーケティングの方法を、潜在顧客の購買行動プロセスに合わせる必要がある。
マーケターの仕事はもはや「ブランド構築」ではない。忠誠度が高く、情熱的なユーザーの集団を形成するのが仕事だ。
ユーザーは引き込まなければならない。いいアイデアだけでは不十分だ。
実際、顧客は獲得するものだ。その方法は絨毯爆撃ではなく、ふさわしい相手にターゲティングしたピンポイント攻撃だ。
【ステップ3】クチコミを巻き起こせ
クチコミを巻き起こすためにも製品設計の段階から自問するべき内容がある。
◯顧客がこの製品を話題にする理由はあるだろうか?
◯この製品には人に薦めたくなるような工夫がしてあるだろうか?
◯そもそもこの製品には話題にするだけの価値があるだろうか?
目につきやすくすれば、模倣しやすくなり、人気がでる可能性も高まる。商品やアイデアそのものに宣伝させ、また買った後や利用した後でも分かる『行動の残滓』を生み出すよう、工夫をする必要がある。
事例として、Hotmailはユーザーが送信する電子メールを新規ユーザーへのアピールに利用した。Appleとブラックベリーは自社製モバイル端末からユーザーが送信する全ての電子メールの文末に「iPhoneから送信」「BlackBerryから送信」と表示させた。
さらに、Appleによる「製品そのものに宣伝させる作戦」で最も効果的だったのは、それまで黒が普通だったイヤホンをiPadで白にしたことだ。
グロースハッカーは、ブランディングのために全国ネットのテレビ番組での製品露出の権利を買ったり、セレブに金を払ってサービスを利用してもらったりはしない。
その代わりに、こうした「ソーシャルカレンシー(社会的通貨)」を無料で獲得する方法を考えるのだ。
【ステップ4】つかんだユーザーを手放すな
「伸び悩んでいる企業は、営業とマーケティングに投資するべきだ」というこれまでの常識は忘れるべきだ。
企業はサービスそのものの改善に投資する必要があるのだ。ユーザーがそのサービスから離れられなくなる(そして友達を誘う)まで改善しよう。
新しいマーケティング戦略を試す方がやる気が出るし、プレス発表の方が面白いのは確かだ。だが、ビジネスにとって既に手の内にあるものを定着させたり、最適に改善したりする方が重要なのである。
コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーによると、 顧客の定着率が10%上がるのは、企業価値が30%上がることに相当するという。
調査会社マーケット・メトリクスによると 既存顧客が購入する可能性は60〜70%なのに対し、新規顧客の場合は5〜20%だとしている。
「定着は獲得に勝る。」のだ。
グロースハックは、ROI(投資収益率)の最大化を目指すもの。最も効果的なポイントに全精力を注ぎ込むことだ。
グロースハック・マーケティングで重要なのは、そこに共通するマインドセットだ。
グロースハックを実践している新興企業は、グロースハックのプロセスを踏襲し、マーケティングを製品あるいはサービスの構築に結合させている。
立ち上げ段階でアーリーアダプターを巻き込み、製品あるいはサービスにクチコミを誘発する要素を埋め込み、データを分析して最適化を繰り返している。
戦術はバラバラでも、戦略的ゴールはひとつだ。
効率的で拡張可能なデータ駆動型の方法で顧客にリーチすること。
そう、今やっている事業の目的も「効率的に顧客にリーチする手法を生み出すこと」だ。
データ駆動型の準備はできているので、拡張可能なやり方を編み出すというのが今年の事業上の課題だな。
フムフム。
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