WEBサイトのシステム改修の提案をしたら、
「その改修の趣旨はこれだな」
と上司から渡された本。
インバウンドマーケティングとは、インターネットが普及した時代における消費者・購買者の情報行動を真摯に捉えることによって、広告を中心とした企業マーケティングが長らくもっていた課題を解決しようという試みでもある。
今までのマーケティングは、人がいるところ(広告媒体やイベントなど)をターゲットにしてリーチするという点で「Hunter(狩猟民)」型マーケティングだった。
対してインバウンドマーケティングは「Harvester(農耕民)」型マーケティングであり、自分たちで種をまき、育てるもの。
「インバウンドマーケティング」というのは、言ってみればマーケティングを行う時のマインドセット、すなわち「態度・姿勢・考え方」そのもの。
人間と言うのは、色々な情報が流れているような環境下で、それぞれが自分にとって重要だと認識した情報だけに注意を示すという認知特性があると言われている。
これを心理学の世界では「選択的注意(Selective attention)」と呼ぶ。
情報過多・情報洪水時代において、人々は”選択的注意(Selective attention)”によって情報を選り好みしている。だから、マーケターは”選択肢としての魅力(Selective attraction)”を準備しなければならない。
インバウンドマーケティングが、これまでの考え方とは違うポイントが二つある。
1つは「マーケター側ではなく、人々のタイムライン(時間軸)に合わせたマーケティングを行うこと」。
もう1つは「マーケティングを好かれるものにしよう」(lovable marketing)ということ。
インバウンドマーケティングは、SEOの新しい名前ではない。
それは、organic(お客さんを自然な流れで連れてくる) で earned marketing(自分たちで努力するマーケティング)な、あらゆるチャネルを用いたマーケティングのことなのだ。
<検索連動型広告の歴史>
1997年 米国のアイデアラボ社の「GoTo.com」後に「Overture」と名前を変え、その後2003年にYahoo!傘下の企業となる。
1クリックあたりに支払う金額が高ければ高いほど、上位の位置の枠を獲得することができた。
2000年からスタートしたGoogleのAdWordsは入札金額とクリック率を乗じた数値で順位を決めた。クリック率をみることで「その広告がユーザーに指示されている」と考えた。このGoogle AdWordsの考え方は非常に画期的すぎて、当初は中々理解されなかった。
2011年にGoogleは「ZMOT」という概念を提唱する。
ZMOTとは”Zero Moment Of Truth”を縮めたもので、2000年代半ばにP&Gが提唱したFMOT(First Moment Of Truth:消費者とブランド・商品が出会う瞬間。即ち棚や店頭のこと)、SMOT(Second Moment Of Truth:買った後の体験のこと)を発展させたもの。 AIDMA(Attention,Interest,Desire,Memory,Action)モデルを若干否定し、商品と出会う場所としての棚(Shelf)、そしてその後のブランド・商品との体験(Experience)を重視せよ、というもの。
これに対して、「今では、人々は店頭に行く前に色々調べてからモノを買っているのではないか?」という仮説から生まれたのがZMOT。
<マーケティング手法色々>
【One to One マーケティング】
1993年、ドン・ペパーズとマーシャ・ロジャーズによる 『ONE to ONEマーケティング 顧客リレーションシップ戦略』 によって 普及。リコメンデーションエンジンを活用する。
【パーミッションマーケティング】
このコンセプトは、米国Yahoo!の副社長を務めたセス・ゴーディンという、米国一有名なカリスママーケターが1999年に生み出したもの。(ちなみに『バイラルマーケティング』の概念も彼の著書が広げた。)(permission marketing ⇔interruption marketing) One to One マーケティングを進化させ、「相手の同意を得ること」、「消費者・顧客側が反応を返せること」が加わった。 パーミッションマーケティングにおいては、パーミッションを得るために懸賞やオマケをつけるのが一般的なのに対し、インバウンドマーケティングにおけるリード(見込み客)獲得においては、”役に立つコンテンツ”を提供することが異なる。
インバウンドマーケティングは”Get Found,Get Leads”、つまり人々に見つけてもらい、彼らに見込み客になってもらうためのマーケティング活動のことを指す。
<購買に至るステージの考え方>
【購買に至る3つのステージ】
ToFu:Top of Funnel:見込み客創出ステージ
↓
MoFu:Middle of Funnel:見込み客の育成ステージ
↓
BoFu:Closing:顧客化のステージ
この考え方を進化させたのがインバウンドマーケティングにおけるInbound Marketingu Methodology 。
【Inbound Marketing Methodology】
企業が人々に対して行う4つのアクション
Attract Convert Close Delight
潜在顧客 → 訪問者 → 見込み客 → 顧客 → 推奨者
Strangers Visitors Leads Customers Promoters
(インバウンドマーケティングの活動としては「ToFu」と「MoFu」の2段階で、「BoFu」については営業活動として捉えられていた。)
という訳で本の中では、具体的に
Attract(惹き付ける)、Convert(転換させる)、Close(顧客化する)、Delight(満足させる)ための具体策が述べられる。
面白かったのは、マーケティング部門と営業部門というのは元来仲が悪く、この2つの部門をどうやって仲良くさせるかというのは経営の重要課題の一つだったのだそうだ。
インバウンドマーケティングを実践しつつ、見込み客をさらに段階化しマーケティング部門と営業部門で見込み客リストを共有することを著者は提唱している。
そして「マーケティングと営業活動を行うことを「Sales + Marketing = SMARKTING」と呼んでいる。
「商品・サービスについてネガティブな体験をもった顧客のうち48%は、そのことを10人ないしはそれ以上の人に伝える」らしい。
非常に漠賭していた内容が非常に整理されていたものが体系だって整理されている本。
やろうとしていることの根本には、Looopsの斉藤徹さんの『ソーシャルシフト』『BEソーシャル!』で出てくるあらゆる顧客コンタクトポイントでの統一的なメッセージ発信に通じるものがあると感じた。
非常にコンパクトに分かりやすく体系が理解できることもあり、早速メンバーにも配布。課題図書とした。
「その改修の趣旨はこれだな」
と上司から渡された本。
インバウンドマーケティングとは、インターネットが普及した時代における消費者・購買者の情報行動を真摯に捉えることによって、広告を中心とした企業マーケティングが長らくもっていた課題を解決しようという試みでもある。
今までのマーケティングは、人がいるところ(広告媒体やイベントなど)をターゲットにしてリーチするという点で「Hunter(狩猟民)」型マーケティングだった。
対してインバウンドマーケティングは「Harvester(農耕民)」型マーケティングであり、自分たちで種をまき、育てるもの。
「インバウンドマーケティング」というのは、言ってみればマーケティングを行う時のマインドセット、すなわち「態度・姿勢・考え方」そのもの。
人間と言うのは、色々な情報が流れているような環境下で、それぞれが自分にとって重要だと認識した情報だけに注意を示すという認知特性があると言われている。
これを心理学の世界では「選択的注意(Selective attention)」と呼ぶ。
情報過多・情報洪水時代において、人々は”選択的注意(Selective attention)”によって情報を選り好みしている。だから、マーケターは”選択肢としての魅力(Selective attraction)”を準備しなければならない。
インバウンドマーケティングが、これまでの考え方とは違うポイントが二つある。
1つは「マーケター側ではなく、人々のタイムライン(時間軸)に合わせたマーケティングを行うこと」。
もう1つは「マーケティングを好かれるものにしよう」(lovable marketing)ということ。
インバウンドマーケティングは、SEOの新しい名前ではない。
それは、organic(お客さんを自然な流れで連れてくる) で earned marketing(自分たちで努力するマーケティング)な、あらゆるチャネルを用いたマーケティングのことなのだ。
<検索連動型広告の歴史>
1997年 米国のアイデアラボ社の「GoTo.com」後に「Overture」と名前を変え、その後2003年にYahoo!傘下の企業となる。
1クリックあたりに支払う金額が高ければ高いほど、上位の位置の枠を獲得することができた。
2000年からスタートしたGoogleのAdWordsは入札金額とクリック率を乗じた数値で順位を決めた。クリック率をみることで「その広告がユーザーに指示されている」と考えた。このGoogle AdWordsの考え方は非常に画期的すぎて、当初は中々理解されなかった。
2011年にGoogleは「ZMOT」という概念を提唱する。
ZMOTとは”Zero Moment Of Truth”を縮めたもので、2000年代半ばにP&Gが提唱したFMOT(First Moment Of Truth:消費者とブランド・商品が出会う瞬間。即ち棚や店頭のこと)、SMOT(Second Moment Of Truth:買った後の体験のこと)を発展させたもの。 AIDMA(Attention,Interest,Desire,Memory,Action)モデルを若干否定し、商品と出会う場所としての棚(Shelf)、そしてその後のブランド・商品との体験(Experience)を重視せよ、というもの。
これに対して、「今では、人々は店頭に行く前に色々調べてからモノを買っているのではないか?」という仮説から生まれたのがZMOT。
<マーケティング手法色々>
【One to One マーケティング】
1993年、ドン・ペパーズとマーシャ・ロジャーズによる 『ONE to ONEマーケティング 顧客リレーションシップ戦略』 によって 普及。リコメンデーションエンジンを活用する。
【パーミッションマーケティング】
このコンセプトは、米国Yahoo!の副社長を務めたセス・ゴーディンという、米国一有名なカリスママーケターが1999年に生み出したもの。(ちなみに『バイラルマーケティング』の概念も彼の著書が広げた。)(permission marketing ⇔interruption marketing) One to One マーケティングを進化させ、「相手の同意を得ること」、「消費者・顧客側が反応を返せること」が加わった。 パーミッションマーケティングにおいては、パーミッションを得るために懸賞やオマケをつけるのが一般的なのに対し、インバウンドマーケティングにおけるリード(見込み客)獲得においては、”役に立つコンテンツ”を提供することが異なる。
インバウンドマーケティングは”Get Found,Get Leads”、つまり人々に見つけてもらい、彼らに見込み客になってもらうためのマーケティング活動のことを指す。
<購買に至るステージの考え方>
【購買に至る3つのステージ】
ToFu:Top of Funnel:見込み客創出ステージ
↓
MoFu:Middle of Funnel:見込み客の育成ステージ
↓
BoFu:Closing:顧客化のステージ
この考え方を進化させたのがインバウンドマーケティングにおけるInbound Marketingu Methodology 。
【Inbound Marketing Methodology】
企業が人々に対して行う4つのアクション
Attract Convert Close Delight
潜在顧客 → 訪問者 → 見込み客 → 顧客 → 推奨者
Strangers Visitors Leads Customers Promoters
(インバウンドマーケティングの活動としては「ToFu」と「MoFu」の2段階で、「BoFu」については営業活動として捉えられていた。)
という訳で本の中では、具体的に
Attract(惹き付ける)、Convert(転換させる)、Close(顧客化する)、Delight(満足させる)ための具体策が述べられる。
面白かったのは、マーケティング部門と営業部門というのは元来仲が悪く、この2つの部門をどうやって仲良くさせるかというのは経営の重要課題の一つだったのだそうだ。
インバウンドマーケティングを実践しつつ、見込み客をさらに段階化しマーケティング部門と営業部門で見込み客リストを共有することを著者は提唱している。
そして「マーケティングと営業活動を行うことを「Sales + Marketing = SMARKTING」と呼んでいる。
「商品・サービスについてネガティブな体験をもった顧客のうち48%は、そのことを10人ないしはそれ以上の人に伝える」らしい。
非常に漠賭していた内容が非常に整理されていたものが体系だって整理されている本。
やろうとしていることの根本には、Looopsの斉藤徹さんの『ソーシャルシフト』『BEソーシャル!』で出てくるあらゆる顧客コンタクトポイントでの統一的なメッセージ発信に通じるものがあると感じた。
非常にコンパクトに分かりやすく体系が理解できることもあり、早速メンバーにも配布。課題図書とした。
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