2015年1月4日日曜日

『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』

年末にインフルエンザに罹患した。
インフルエンザワクチンをうち、外出時には予防のマスクをしたのに結局罹患した立場として、「どうすればインフルエンザにかからなかったのか」という観点で手に取った本。

疲れのV字回復を実現するために「計画的に疲れよ」というのが著者、裴英洙氏の主張。

◯人間の疲労は主に次の3つのタイプに分類できる。
1 肉体的な疲労…簡単に言うと筋肉を動かすためのエネルギーが不足している状態。
2 精神的疲労…人間関係や悩み事などのストレスを原因とする心の疲れ。
3 神経的疲労…長時間のデスクワークや細かい作業などで、眼の神経や脳が緊張した状態が続くことによって起こる頭の疲れ。
疲れはこびりつく前に、すっきりと落としておくことが大切。

◯疲れの原因を見極める。
「生体の3大アラーム」 は「発熱」「痛み」「疲労」
「痛み」や「発熱」の危険信号は、比較的対処がラク。しかし、「疲れ」は「痛み」や「発熱」ほど重要に捉えられていない。日常生活での疲労はジワジワとやってくる。ゆっくり進行するせいで、見逃しがち。気づいた時にはかなり貯蓄されていると思った方がいい。
「疲れを翌日に持ち越さない体」になるためには、このアラームを敏感に感じ取ることが第一歩。
「どれくらいまでやれば疲れるか、どれくらいが自分の「疲れの限界」なのかをすでに知っているビジネスパーソンはそれ以上のリミットを決して超えない。
 F1のレーサーは、車に異常が生じそうな危険水域を超える前にピットインする。超えてしまうことで、その後のマシンのパフォーマンスが大きく落ちることを知っているから。
ビジネスパーソンも同じ。リミットを超える前に、リミットが近づいてきたことを察知し、戦略的に休息し、あっさりと回復することで、素早く戦闘態勢に戻れるのである。
その際間違いやすい点は「疲労」と「疲労感」は違うということ。
「疲労」はカラダや精神に負荷を与えられたときにみられるパフォーマンスの低下。「疲労感」は個々人が感じる心理的なもので、心の持ちように左右される。「疲労感」は”意欲”や”達成感”に大きく影響されてしまうということ。
体は正直。
「疲労感は減らせても、疲労は減らせない」と肝に命じておくことが大切。


う〜ん、なるほど。
今回のインフルエンザ罹患も、ちょっとここ一番休みたい時に休めずに結局ダウンしてしまった気がしないでもない。
著者は、自分で
「徹夜を覚悟した瞬間から、翌日のお昼過ぎまで予定を変更し、午前中はすべて単純作業に切り替える。この日は徹夜仕事になるな、と感じたら、すぐにその翌日は丸一日犠牲にするくらいに割り切る。」
というような疲労コントロールを行っているようだが、正直そこまでできれば苦労はしない。
自分で振り返ってみると、得てして徹夜仕事になるときは別にピンポイントで忙しい訳ではなくて、翌日も忙しい。徹夜したからって翌日にそんな業務の割り振りなんか出来ない状況の方が多い。
でも、それで休みをいれなきゃ後でもっと大変なことになる、というのはその通りで、これには自分のおかれた状況を”カラダ”も含めて客観的に見ることが求められる。


その際に、必要となって来るのが著者の提言する「カラダ手帳」だ。
書くのは自分の体調について感じたことのみ。いつも使っている手帳と合わせて毎日記載することで、継続的に自分のカラダを”見える化”する。
「なぜか体調がよくない」「なぜか集中力がない」というようなことも記載し、それを自分のスケジュールと合わせ読み解くことで、自分の疲労の傾向を読み解くというものだ。
これをやって、日々の疲れを”見える化”することで、自分のカラダを客観的に観察し、F1レーサーばりの”自分のカラダのピットイン必要時期”を見極めるというもの。

著者の裴英洙氏は医者でありながら、コンサルティングファームを経営し、本まで書いているというワラジ履きまくりの人だが、疲れをコントロールすることで効率的に業務をこなしているらしい。
まずは、やってみるという基本原則から行くと、今年は「カラダ手帳」をつけることとしたい。
既に、自分の健康状態で特筆する事由が発生した時(熱が出たとか、お腹を壊した時とか)は記録を付けているのだが、それを日々のスケジュールと合わせて記載し、”点”を”線”として読み解くことが肝心ということか。
◯日坊主にならないように頑張ろう。

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