2013年6月30日日曜日

『データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」』

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全てのビジネスはたった2つの要素から構成されている。需要と供給だ。 供給、すなわち「どうやって注文に対応するか(どうやって顧客のニーズに応えるか)」という要素については企業側でコントロールすることができる。 供給の世界は、左脳型人間(論理的な考え方をする人々であり、財務系の仕事に就いていることが多い)が落ち着ける場所だ。彼らは何十年にもわたり、サプライチェーンや業務プロセスの効率化に務め、進捗管理する方法を確立することに尽力してきた。 一方で需要は、企業がコントロールできない要素である。コントロールするのは消費者だ。 需要はあいまいな世界で、何が原因で何が結果なのかは必ずしも明確ではない。
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という文章から始まるデータマーケティングの本。

1.ターゲティング:誰にアプローチするか
2.メッセージ:何について話すか
3.ロケーション:どこで顧客を見つけるか
4.予算:いくら費やすべきか
5.測定:何が有効か、有効でないかをどう把握するか
6.最適化:有効なものをさらに活用し、無効なものを排除するには
という流れで、具体的に企業がどのようにデータ活用すべきなのかが分かりやすく書かれている。

面白かったのは、結局いくつかの小クラスターに分類し、そうした上でストーリーをつくるあたり。
細かい分析を大ざっくりにまとめてストーリーを創らないと、実は経営サイドに理解されないという経験から導きだされていると思われる。
分析という結果ありきの業務に見えるものでも、やはりストーリーは大切だ。

データ分析するにあたって(というより分析を発信するにあたって)有用なプラットフォームがたくさん提示されていて、具体の業務でも活用していけそうな感じである。

ちょっと意外だったのが、Facebookにおける情報発信の有効な方法。
インフルエンサーを押さえるということで有名ブロガーに発信をしてもらうということなのかと思っていたら実は多数のユーザー数を獲得する方が効率的とのこと。

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エリック・サンはFacebook上でどのように情報が拡散するかを調べるために、26万2985のFacebookページと、そのファンを分析した。 あるページの人気がどのように集まるかという点については、まずは少数のインフルエンサーが集まり、彼らの存在を通してネットワーク上で人気が広がるというのが従来の考え方だった。 しかし、サンの研究からは、人気を得るためには少数のインフルエンサーを見つけるよりも、多くのユーザーを獲得する方が重要という結論が得られた。 Facebook上のネットワーク非常に密接に絡み合っている。そのため、良いアイデアは、次々と大規模なグループに広がっていくのである。
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<投資/回収曲線を描くハイブリッド型アプローチ>
・最低値:予算を一切使わなかった場合の売上はどうなるか?
・最高値:予算が限りなくあった場合に、達成できる売上の最高値はどうなるか?
・現在値:予算で達成している売上はどの程度か?
・増分:もし予算をX%増やしたら/減らしたら、売上はどの程度変化するか?
このアプローチで説明をすると分かりやすいというのもノウハウである。

アジャイル(機動的な)マーケティングを実現するためには
・感度を高める
・適応する
・学ぶ
・素早く動く
・フィードバックを繰り返す
ことが必要。

また、
○具体的な数字がストーリーを語るものであれば、それを示すことに躊躇する必要はない。
○1.「価値のある顧客」とは、自社にとってどんな顧客なのかを定義すること。
 2.定義した「価値」を、計測・追跡が可能な要素に変換すること
 3.「価値」の高さを基準にして顧客を順位づけること。
○愛着度:ブランドに愛着を抱いている顧客はどの程度か。企業はそれぞれ、自社にとっての「愛着」の意味を考えなければならない。
といった点も非常に参考になる。


データ分析と創造性について、著者は最後に以下のように述べている。
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分析と創造性は極めて補完的な関係にあると信じている。
我々に必要なのは、技術者(システムを駆使してより重要な発見をより素早く把握する役割)と魔法使い(得られた発見をアクションへと変える、想像力や直感的な意思決定を行う役割)の両方なのだ。
技術者と魔法使いの両者がタッグを組んで働くことが成否を左右することになる。
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技術者と魔法使いのタッグという比喩がアンバランスな組み合わせで面白い。

この本でもジョン・ボイド大佐のOODAループが引用されている。
観察、観察、また観察。
CRMの基本を実践するために非常に参考になった。

2013年6月22日土曜日

『ソーシャルシフト』


LOOOPSの斉藤徹氏の著書。

「ソーシャルシフト」とは、ソーシャルメディアが誘起する、不連続で劇的な変化。そして、マーケティング、リーダーシップ、組織構造にまで及ぶビジネスのパラダイムシフトを表した斉藤氏の造語。
この本では、ソーシャルメディア時代に企業がどのように顧客とコミュニケーションをとっていくべきなのかがたくさんの事例とともに語られている。

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フィリップ・コトラーは『コトラーのマーケティング3.0』の中で、これからのマーケティングの目的を「世界をよりよい場所にすること」とし、顧客獲得や利益を追求する従来型の企業姿勢に警鐘を鳴らすとともに、社会的責任を重用視しない企業は淘汰されていくであろうことを示唆している。
内村鑑三は『代表的日本人』の中で、東洋思想の美点として、経済と道徳を分けない考え方を説いた。富は常に徳の結果であり、両社は木と実と同様の相互関係なのだ。
日本資本主義の父と言われる渋沢栄一は『論語と算盤』の中で、「道徳経済合一説」という理念を打ち出した。富を成す根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができない。
経済学の父アダム・スミスは『国富論』で「市場経済において各個人が自己の利益を追求すれば、結果として社会全体において適切な資源配分が達成される」とし、この効果を「神の見えざる手」と表現した。 しかし、同時に前著『道徳情操論』の中では「人間は他人の視線を意識し、他人から共感を得られるように行動する。その結果、社会にはある種の秩序が形成される」と説いている。
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ジム・ステンゲル氏の『GROW』でもあったように、「高次のブランド理念が必要」という大原則はソーシャルシフト時代においても変わらないようだ。

ではマーケティング手法はどのような変遷をたどってきたのか。

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昔のマーケティングは「製品が中心」だった。良いものをつくれば売れる時代。
マーケティングは取引指向で、どのように製品を販売するかに力点が置かれていた。 特に重要視されたのは1961年にジェローム・マッカーシーが提唱した4P、適切な製品(Product)に、適切な価格(Price)をつけ、適切な場所(Place)で売り、適切な販促(Promotion)を行うこと。この考え方に基づいた製品管理がマーケティング活動の中心となっていた。
やがて1970年代に入ると石油ショックなどで米国経済が打撃を受け、経済成長はアジアの途上国に移り始める。世の中にはモノがあふれ始め、良いモノをつくっても売れない不確実性の時代が到来した。そんな時代背景が、マーケティングを「消費者が中心」にしていく。 マス市場を細分化(Segmentation)し、その中からフォーカスすべき分野を選択(Targeting)し、顧客に対して独自のベネフィットを提供(Positioning)するSTPアプローチが主流になった。そして製品も顧客ニーズに合わせ多様化していく。
さらにマーケターは、新規顧客を開拓するよりも、繰り返し購入してもらう方がローコストなことに気づいた。CRM(Customer Relationship Management)の登場だ。既存顧客との関係性を重要視し、顧客に継続的に消費してもらうことに主眼がおかれるようになったのだ。そして、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「いくらで」買ったのかを把握するためのデータベースが構築され、生活者は多角的に分析されるようになる。
一方で企業間の競争は激しさを増し、企業は自社に不利な情報を覆い隠し、一方的に都合のいいメッセージを流し続けた。 売り手が買い手よりより多くの情報を持つ、情報の非対称性を生み出した。モノローグ、一人芝居の時代だ。

しかし、インターネット、さらにソーシャルメディアの登場によって、企業の独りよがりは終わりを告げた。
これからのマーケティングは「人間が中心」だ。 生活者は機能的な満足だけでは満たされず、ココロの満足を求め始めた。 生産活動がボーダーレスとなり、製品はコモディティ化が進む。企業は製品や価格での差別化が困難となり、特別なサービス、心のこもったおもてなしがテーマとなってきた。 生活者は対話交流の場を得て、能動的な存在となった。ありとあらゆる顧客体験が日常的にシェアされる。そして、企業の不誠実な言動は告発される透明性の時代が訪れた。
今やマーケターにとって、生活者は分析のターゲットではない。一人ひとりが心を持ち、終わりなき旅をともにする、大切なパートナーとなったのだ。
そして私たち企業人は、新しい資本主義にふさわしい新しい企業価値を定め、新しいマーケティング・スタイルを速やかに取り入れる必要がある。
企業は生活者とのあらゆる接点で、今までの考え方を大きく変革しなくてはいけない。透明性の時代、ソーシャルメディアが誘起したパラダイムシフトを、「ソーシャルシフト」と呼ぶ。 ソーシャルシフトの背景にあるのは、驚くべきスピードで世界に広がりつつある新しい習慣「シェアの文化」だ。
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ソーシャルメディア時代では、企業の発信した情報は顧客に届かなくなっている。

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総務省の「情報流通インデックス」の調査では、国内に流通している情報の総量を 「流通情報量」、その中で実際に生活者が知覚する情報量を「消費情報量」として動向調査を行っている。
それによると2009年度の流通情報量は7.6×10の21乗ビットなのに対して消費情報量は2.9×10の17乗ビット。簡単にいうと、世の中に流通している情報のうち、実際には0.004%しか人間の意識に入らず、残りは全てスルーされてしまう時代になったのだ。特に爆発的に増加しているのはインターネット経由の情報で、2001年からの8年間で71倍になっている。
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もとよりGoogleが担っていたのは、すでに買いたいと思っている人に告知する「リード・ジェネレーション」のみだった。Facebookはリード想像に加えて、買いたいと思ってくれる人を増やす「デマンド・ジェネレーション」の機能も備えている。
サーチからディスカバリーの時代へ。人々の行動に変化の兆しがあらわれてきた。
ソーシャルメディアは、情報の洪水の中から人々が「知っておくべき情報」を浮き上がらせるフィルターの役目をしている。信頼できる友人による「知っておくべき情報」の選別、ソーシャル・フィルタリングだ。このフィルターは抽出機能だけではなく、共感できる情報、逆に反感を感じる情報などを拡散させる拡声器としての機能も合せ持っている。
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マスメディア全盛の時代は、「お茶の間」というプラットフォームを通じて情報が男女全世代に伝搬していた。家庭のお茶の間、テレビの前に老人から子供まで男女全世代が集い、そこがクチコミ源となる。そしてその情報は、会社、学校、井戸端など各世代の外のつながりで、一気に拡散していく。
しかし、都会を中心に核家族化が進み、お茶の間が万能ではなくなった。生活者は男女そして世代ごとに分かれ、それぞれが異なる情報に触れるようになる。正月にはみんな家に戻るのに、4割の家庭で食卓に家族が揃わなくなり、別行動をとるのが当たり前になった。 ネット上ではコミュニティが形成され、同じ趣味や考えを持つ同士が集まり始めたが、それらが相互に交流することはほとんどない。そして情報洪水が生活者を襲い始めた。
今、ソーシャルメディアの出現が、情報伝達の仕組みを根本から変えようとしている。情報伝搬のコアが「友人・知人とのつながり」へと移行し始めた。
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この話しを一番最初に聴いたのは佐藤尚之氏の話しを聞いた時だ。既に企業が発信する(お手盛りの)情報は顧客に届くことはなくスルーされていく。
昔のファネル型のマーケティングで企業側が管理しようとしても出来ない時代がソーシャルネットワークというインフラにより実現してしまっている。
ソーシャル時代では、これがファネル型ではなくベル型(と佐藤尚之氏は表現していた)となっており、従来よりも費用はかからないが、企業側でコントロールが効かない。すなわち、いくら投下するといつ頃撥ねるのかが読めない時代になっているということだ。

そんな時代の中、では企業はどのように対応したらいいのか、その1つの切り口がこれから述べられていく。

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<マッチングのアルゴリズム>
Facebookはヒトの行動に関わる共有情報を寡占しているが、これからは、そのテリトリーを超え、モノからの情報発信、そしてモノ同士の会話という極めて膨大なリアルタイムデータがサーバーサイド、「クラウド」に収納されていく。
現実世界のすべてがバックアップされたリアルワールドの写し鏡。
多くの宗教では、全宇宙の過去から未来までのすべてが記録された神秘的な投影像「アカシックレコード」の存在が示唆されているが、まさに人工版アカシックレコードとも言える究極のデータベースだ。この膨大な情報をもとに、ヒト、モノ、コトの最適なマッチングを生み出すアルゴリズムがキー・テクノロジーとなろう。

<リアルタイム セレンディピティの効率化>
1300年代に書かれた童話『セレンディップの三人の王子たち』には、王子達が旅の途中に意外な出来事と遭遇し、聡明さによって「予期せぬ何か」を発見するくだりがある。 この話しにちなみ、英国小説家のホレス・ウォルポールが「何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力」という意味で「セレンディピティ」という言葉を創造した。日本語の「ご縁」にも通じるものだ。
これからは蓄積された情報に基づくリアルタイムなセレンディピティをいかに効率化するかにフォーカスが移っていく。

<コンテンツ・イズ・キング>
ソーシャルメディアの普及により、素晴らしいコンテンツは生活者の共感を得て、マスメディアの力を借りずとも拡散していく。逆に言うと、良いコンテンツさえ制作できれば、どんな伝送路を経由するかはともかく、必ず人にたどり着く。そんな時代になっていくということだ。

<広告を超えたクリエイティブ>
単なるアテンション獲得を超え、企業の課題解決にこそクリエイティブの力を活用すべきだ。モノをつくる、モノを売る、売った後にサポートする。そんな本質的な課題に広告業界のノウハウや経験を投入することで、クライアントに対してより大きな貢献ができる。
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スコット・M・デイビス/マイケル・ダン 『ブランド価値を高めるコンタクト・ポイント戦略』より、短期的な利益を求める風潮と、厳しいビジネス環境の下で、どうすればブランド資産を構築できるのかについて、2つの方向性があることが示されている。

第1は、コスト効率が高く、有効で信頼性のあるブランド構築を行うこと。
効果は消費者が体験する個々の接点で決まる。そこで着目すべきは、ブランド・コンタクトポイントである。コンタクトポイントを活動の中心に据えれば、桁外れの金を費やさずとも、効果的なブランド構築を行えるであろう。平素から継続的に企業の質を高める活動だからだ。流行のコンセプトに飛びつき、一貫性のない施策を繰り出すのとはまるで正反対である。
第2の方向は、ブランド主導型の企業文化を築くことである。ブランド構築活動への抵抗勢力を排し、マーケティング部門のみならず、社内の全部署が責任を負うようにする。ブランド浸透はまさにそのための活動であり、ブランド構築活動を先頭に立って進める層をつくり出す。 ポイントは、全社員をブランドの下に結集させ、それぞれが自分の職責の中で消費社のブランド体験を強化する方法を身につけさせることだ。


上記のような原則論だけでなく、具体的な企業での進め方について事例をベースに詳述されている良書。

著者の斉藤徹氏とは直接お会いしてお話をしたこともあるが、非常に素晴らしい方。
是非一度ご一緒にお仕事をさせていただきたい人だ。








2013年5月27日月曜日

docomo ガラケー着信音

NHKの宮藤官九郎の朝ドラ「あまちゃん」にハマってしまい、会社の携帯電話(ガラケー)の着信音を「あまちゃん」にしようと画策。
ところがどっこい、auやソフトバンクと違って、docomoは一工夫しないとそのまま音楽データを着信音として認識しないことが判明。
そしてWeb上で紹介されているMac用のノウハウは古くて活用できないことも判明!
長男と一緒に、MacのGarageBandなんかも駆使しながら二日がかりでようやく着信音化に成功!
正直100円程度でダウンロードした方が安上がりだったんだけど、結構色々勉強になった。

『本当のブランド理念について語ろう』

P&Gなどで実績を積み、「世界の大企業のGMO(グローバル・マーケティング・オフィサー)に上り詰めた人」であり、現在は企業のコンサルティングや大学院で教鞭を執っているジム・ステンゲル氏の著作。
Facebookで勧められていたのでそのままAmazonで購入。
個人が購買活動をするにあたって、誰から勧められたかというのは非常に重要なファクターである。

閑話休題。

ステンゲル氏は自らP&Gにて「ジフ」「ダブ」「パンパース」といった世界的ブランドを再構築する実績を積み、「ブランド理念」こそが世界で成功を収める企業と相関があることを確認し、自ら「ブランド」=「ビジネス」だと思っていると述べている。

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10年の調査により、ブランド理念の面でとくに優れていると判断できた50のブランド「ステンゲル50」の投資利益率(ROI)の伸び率の平均は、「S&P500」の構成企業の平均より4倍高かった。
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私は、「ブランド」と「ビジネス」を同義語として用いている。 あるビジネスの未来にとって最も重要な人たちにとっては、ブランドこそがビジネスの本質だ。 複数の企業が競い合う市場で利益獲得と事業の成長を牽引し、社員、顧客、取引相手、投資家に対してライバル企業との違いを示せる要因は、ブランドなのである。

1980年、S&P500を構成する企業の株式時価総額のほぼ全てが、現金、オフィスや工場といった不動産、設備、在庫など、目に見える資産で構成されていた。 しかし、2010年、その割合は40〜45%まで落ち込んでいる。残りの55〜60%は目に見えない資産だ。そのうちの半分をブランド価値が占めている。株式時価総額全体に占める割合でいうと、30%以上がブランド価値ということになる。

 一言で言えば、企業やビジネスの実力はブランドの実力で決まるようになった。ブランドほど、ビジネスリーダーにとって強力な武器になりうるものはない。 だからこそ、私は全てのビジネスリーダーに対して、ブランドを率いるブランドリーダーとしての自覚をもって考え、行動するよう呼びかけている。
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ステンゲル氏は「ブランド理念」という高次の理念を提唱している。

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有効なブランド理念は、そのブランドのビジネスに関わる人たちがどういう価値を重んじているかを明瞭に描き出す。そういう理念は、企業が顧客を深く理解することを可能にし、どういう顧客を最良の顧客と位置づけ、その顧客層とどういう価値観を共有するのかという問いに、ライバルと異なる独自の答えを導きだす道を開く。
また、そのブランドがどのような類似化ポイント(顧客の選択肢に加わるために最低限満たす必要がある要素)と差別化ポイント(ほかのブランドより好ましいと顧客に評価されるために必要な要素)を現在持っていて、将来新しく確立しうるのかを浮き彫りにする。

ブランド理念は、単なる金額や数字の目標であってはならない。金額や数字だけでは、人々のやる気をかき立てて大きな成果をあげさせることも、有能な人材を引き寄せ、つなぎとめることも出来ない。

業界の先頭を走る急成長ブランドは、人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかに関わるブランド理念をもっている。
具体的には次の5つの方法のいずれかにより、人々の生活をよりよいものにしようとしている。
①喜びを感じさせる〜人々が幸せや喜び、無限の可能性を体験する後押しをする
②結びつくことを助ける〜人々が他の人たちや世界と有意義な形で結びつく能力を高める
③探究心を刺激する〜人々が新しい世界や新しい経験に乗り出すのを助ける
④誇りをかき立てる〜人々が自信や力、安心感、活力を高めることを可能にする
⑤社会に影響を及ぼす〜現状を揺さぶり、新しいビジネスの枠組みを打ち出すなどして、社会全体に好ましい影響を与える。
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ステンゲル氏は「ビジネス・アーティスト」という新しいリーダー像をつくりあげている。

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<ステンゲル研究の4つの発見>
発見1 ブランド理念は、最も急速に成長を遂げているビジネスの原動力である。
発見2 最も急速に成長を遂げているビジネスは、人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかに関わるブランド理念をもっている。
発見3 最も急速に成長を遂げているビジネスを動かすのは、ビジネス・アーティスト(ブランド理念を主たる表現手段として用いるリーダー)である。
発見4 ビジネス・アーティスト達には、いくつかの活動に卓越しているという共通点がある。これらの活動がコンピューターのOSのように高成長を生み出し、持続させる土台になっている。


「スター・ブランドは、芸術的で創造的な精神からしか生まれない。」
by 仏高級品ブランド複合企業モエエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノーCEO兼会長
アルノーは傘下の全てのビジネスで、ビジネス運営者の役割とアーティストの役割を別々の人物に担わせている。
このリーダーシップ・ビジネスモデルは、どの業種のビジネスにも有効だ。一人で二役をこなせる人物もいるが、そういうケースは少ない。
リーダーとして成功するためには、自分の強みがビジネス運営者の面とアーティストの面のどちらにあるのかを見極めた上で、もう一方の役割を担える人物を見つけ、その人物に権限を与えることが重要だ。


業界の先頭を走る急成長を実現するために、ビジネス・アーティストは次の4つの問いを絶えず自問し続けなければならない。
・わが社の未来にとって最も重要な人々(社員、取引先、消費者、投資家)のことをどの程度理解できているか?
・わが社とわがブランドは、どのような価値を実践しているのか?
・わが社とわがブランドは、どのような価値を実践したいのか?
・わが社はどのように、これらの問いに対する答えを実際の活動に反映させているのか?
すべてシンプルな問いだが、これらの問いに答え、その答えに基づいて行動することは簡単ではない。しかし、その難しい課題に取り組むことを通じて、ブランドと企業は力を手に出来る。


ビジネス・アーティスト達は次の五種類の活動に卓越している。
この共通点はビジネスリーダーが満たすべき重要な条件と言っていい。
・人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかに関わるブランド理念を発見(もしくは再発見)する。
・ブランド理念を軸に、企業文化を構築する。
・ブランド理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方と共有する。
・ブランド理念に沿って、理想に近い顧客体験を提供する。
・ブランド理念に照らして、ビジネスの進歩の度合いと社員の仕事ぶりを評価する。
(実はこの5項目は後述の”ブランド理念の木”の”葉”にあたる)
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ステンゲル氏は”ブランド理念の木”という生命体的なビジネス概念についても述べている。

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<ブランド理念の木>
”ブランド理念の木”の根っこは二つの要素で構成される。
1つは、社内の人々がいだく信念(それは、たいていブランドの歴史に由来する)
もう1つは、そのブランドが顧客や消費者と共有する価値観である。
この二つの要素が生き生きと相互に作用しあうことにより、”ブランド理念の木”は地面につなぎ止められて、しっかりと支えられる。

ブランド理念、言い換えれば、そのブランドが世界に提供する高次の恩恵は、ブランドの歴史に根ざすべきものだ。それは、”人々の生活をよりよいものにする”ことを目指す創業の理念を出発点とし、その後も絶えず磨きをかけられていく。これまでそのビジネスを担ってきた人たち、特に歴代のリーダーたちの信念や願望、価値観がそこに吹き込まれる

”ブランド理念の木”の最も土台の部分をなすのは、ブランドが奉仕する人々である。
どういう層を対象にビジネスを行うのかは厳選すること。
これはある程度の規模を持った層を対象にする必要がある。
自分のビジネスが人間にとって本当に重要な領域で活動しているかどうかを点検するためには、ブランド理念が人間にとって大切な五つの基本的価値〜喜び、結びつき、探求、誇り、社会への影響〜に根ざしているかどうかを確認すればよい。

”ブランド理念の木”の幹を構成するのは、ライバルとの「差別化ポイント」そしてライバルから遅れをとってはならない「類似化ポイント」(市場に参入してライバルと肩を並べて競い合うための最低条件といってもいいし、ライバルの強みを無力化するために到達すべき水準といってもいい)だ。

”ブランド理念の木”の葉はビジネス・アーティストが卓越している、発見、構築、発信、提供、評価の5つの活動である。

”ブランド理念の木”という比喩は、単なる言葉遊びではない。
樹木という生命体になぞらえることにより、ビジネスの未来にとって重要なすべての人々の存在を考慮にいれ、その人たちの相互の関係を描き出せる。
また、ビジネスを成長させるために調和をとる必要のある要素を木の根、幹、枝、葉の関係として描くことを通じて、それらの要素の動的な相互作用を表現できる。その中には、企業の内部の要素(ほとんどの場合、顧客には見えない)と、対外的な要素(商品やサービス、顧客とのコミュニケーションの取り方など)の両方が含まれる。
そして、ビジネスを一本の樹木と考えれば、ビジネスを顧客と社員とライバル企業で構成されるエコシステム(生態系)の 中に存在するものとして位置づけられる。

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ステンゲル氏が原則として述べているの上記の内容で、それを繰り返し色んな会社の事例、自分の経験を通して繰り返し丁寧に述べている。

いくつか面白いと思ったポイントを紹介する。
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<企業文化を築く10の手法>
1 人々の行動の背中を押せるブランド理念を掘り起こし、それを実践する。
2 自分が何を大切にしているかを社内外にはっきり伝える。
3 達成したい目標のために組織を設計する。
4 チームを整備する、それも迅速に。
5 あらゆるタイプのイノベーションを後押しする。
6高い基準を設定する。
7 常にスタッフをトレーニングする。
8 象徴的な活動を行い、人々の興奮を生み出す。
9 勝者のように考え、勝者のように行動する。
10 どういう「遺産」を残したいかを意識して行動する。
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そしてイノベーションについては、ステンゲル氏は三種類あるとし、それをショットガン方式で並行して実践すべきだと述べている。

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ブランド理念を出発点に複数のイノベーションを同時に推進する方針を明確に打ち出すべきだ。いかなる企業やブランドも、三種類のイノベーションを並行して全て推進するのが重要だということだ。
1つは、持続的イノベーション(製品やサービスの日常的・継続的改良を行う)
もう1つは、商業的イノベーション(製品やサービスそのものは変更せず、マーケティングによって新しい需要を生み出す。既存製品の新しい用途や新しい使用局面を提案するなど)。
そして三つ目は、破壊的イノベーション(新しいビジネスのジャンルを発明、再発見し、ビジネスモデルを変更する)

大事なのは、常にいくつものイノベーションに取り組み、特定の1つのタイプのイノベーションに依存しすぎないことだ。
P&Gでは、社内の全ての部門に対し、イノベーション野ポートフォリオの内訳を示すように要求していた。実は、イノベーションのタイプ毎の理想的な比率も決めてあった。
その比率とは、持続的イノベーション:60%、商業的イノベーション:20%、破壊的イノベーション:20%である。
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その他、諸々参考になった点。
○リーダーは、スタッフの中の誰に手柄をもたせ、誰をヒーローとして位置づけるかを決めなくてはならない。この選択も極めて大きな象徴的意味を持つ。
○企業文化を築く上で核となる要素は、その会社の人事方針だ。自社にとって最良の人材を選ぶことをおこたってはならない。それさえ押さえておけば、ほかの問題は自ずと解決する。
○理念を原動力とするビジネスは、ファスト・プロトタイピング、ないしデザイン思考を実践するのがことのほか得意だ。ブランド理念が組織のあり方と組織内の人々の活動に深く浸透しているほど、コラボレーションを通じたイノベーションを実践しやすく、しかもそれを素早く進めやすい。
○成果をあげているリーダーは、それぞれ自分なりのスタイルを持っているが、企業文化やチームの文化に関しては誰もが同じような行動をとっていた。 単にブランド理念の実戦に向けて高い水準の行動を要求するだけでなく、その目標を達成させるために、人々の潜在能力を引き出しているのである。
○コミュニケーションはあらゆる人間関係を動かす血液のようなもの。その意味で、コミュニケーションに関して企業が最もお手本にすべきなのは愛情ある人間関係だ。
○完璧な体験よりも理想的な体験
○アップルがこれまでに行った最高の「広告」は、アップルストアの店舗だ。

アップルストアの話しは結構奥が深い。単純に”売る”ためのストアではなくして、それでいて売上の最高面積効率をたたき出しているという。


最後に、感動企業ザッポスの10のコアバリューについて。
<ザッポス 10のコアバリュー>
1 サービスを通じて、Wow!を届けろ。
2 変化を受け入れ、変化を押し進めろ。
3 楽しいことを生み出せ。それと、ちょっとヘンテコなことも。
4 冒険しろ。創造的であれ。やわらかい頭をもて。
5 成長と学習を追い求めろ。
6 コミュニケーションを通じて、オープンで嘘のない関係を築け。
7 前向きなチームをつくり、家族のような関係を育め。
8 少ない資源で、多くのことをやり遂げよ。
9 情熱的であれ。強い意志を持て。
10 謙虚であれ。
この10か条はあらゆる業種のあらゆる企業にとって有効な行動指針だ。この点は、社内の企業文化が保守的だろうと革新的だろうと関係ない。

日本にザッポスが上陸したら、いの一番に利用してみたい。


全体を通して、原理原則からその事例に絡めて説明されており非常に納得できるものであった。
さっそく今会社で取り組んでいる”ブランド”に反映していきたい。

2013年5月26日日曜日

気仙沼往訪

仕事の関係で気仙沼へ行ってきた。
3/11から既に2年以上が経過しているが、被災地に足を踏み入れたのは震災後初めてである。
半年前の被災地復興支援ワークショップに参加して、被災地で頑張っていらっしゃるNPOの方々から
「真の復興はこれから。そのためにどうしたらいいのか、継続的な観点でアイデア・支援が欲しい。」
ということを聞いていたが、実際に現地でみて認識が強まった。

南町紫市場。プレハブでお店が並んでいる。
港町周辺で新設されているのはプレハブばかり。
鉄筋コンクリート造の建物は震災前にあったもので、
大抵外壁部に痛々しく看板があったと思われる痕が残っていたりする。


鹿折唐桑駅の脇にある第十八共徳丸。
こんな大きな船が内陸1km近くも離れているこの場所まで
運ばれたという事実、津波のパワーを身をもって実感。



第十八共徳丸の周辺。
流された建物の基礎のみ。
お供え物がされている区画もある。
新緑の季節に合せて咲いている菜の花の美しさが一層哀しい感じ。




港周辺。
プレハブの復興屋台村がある以外は、更地が多い。


気仙沼はそれまで、サメ、カツオ、メカジキなどで日本一の水揚げ量を誇っていた。
フカヒレも日本一の生産量だったこともあり、
サメの博物館があった。今は閉館中。
3/11当日の津波の様子をYouTube等で見ると、この博物館が目印となる。



気仙沼魚市場。
ここは補修が完了していて業務が行われているが、
隣の建物がまだ工事中だったり、復旧中であることが伺われる。


「津波がこの高さまで来ました」
と記す魚市場の看板。

行ってみて、まだまだこれからが本当の復興なんだと感じた。
また、地域の方と話しをしてみて
「復興支援ということでワンポイント支援で終わりにならない、継続的なお付き合いを意識して欲しい」
という意向を強く感じた。
”復興支援”というだけではなく、”地方活性化”と合せて何ができるのかを考えていかなければならないと思った。


2013年5月12日日曜日

『執事のダンドリ手帳』

執事サービスということを行う会社があるのにちょっとびっくりし、執事という職業(正式にはバトラーというらしい)に興味を持ったので読んでみた。

○ダンドリのポイントは「優先順位をつけて、無駄なことはしない」 そして「まとめられるものは全部まとめてしまう」こと。
○人に応じて、仕事に応じてそれぞれ異なった「完璧」を目指すことが、ダンドリに必要。 その完璧さを目指すために何よりも大切なのが「思いやり」。 
○人が不安になるときというのは、往々にして「見通しがついていない時」。うまくいくかわからない、間に合うかわからない、そういった焦りが不安に変わり、冷静さを失わせてしまう。 だからこそ、状況を整理することが大切。
○ 「張り切るより割り切る」ことがダンドリをする上で重要なスタンス。
○仕事の絡んだ接待のポイントは「マイナスポイントを作らない」こと。
 中華料理は要注意。中国には「日本的」なホスピタリティの文化があまりないので、食器を静かにそっと置くとか、優しく笑顔で話すという接客スタイルがない。

などなど。
すすぎ洗いをする際には、50〜60℃の少し熱めのお湯を使った方が、洗った後の水切れが良くなり手にも優しい、などもっと細かな話しもたくさん載っていた。

わがままなクライアントが多いなか、執事業を遂行するのは結構大変そうだが、大切なのは「思いやり」というところに、やはりバトラーはサービス業だと感じた。



『なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編』

新規ビジネスを色々考える部門にいる、という話しをしたところ勧められた本。
具体的な事例を基に、原理原則を述べている。

<ビジネスモデルを考える視点>
①顧客の再定義
②顧客価値の再定義:主にメーカー用:サービス・ドミナント・ロジック
③顧客価値の再定義:主にサービス業用:マイナスの差別化(サービスを絞り特化する) ④顧客の経済性
⑤バリューチェーンのバンドリング/アンバンドリング
⑥経営資源の持ち方(ヒト、モノ)
⑦定番の収益モデル


顧客の定義ひとつとっても色々ある。B2CとかB2B、はたまたB2B2Cとかで分類していたが、色んな捉え方がありそうだ。
①顧客をバイヤー、ペイヤー、ユーザーに分類する考え方
②同様な分類として、DMU(Decision Making Unit:意思決定者)、PU(Purchasing Unit:購買者)、CU(Consuming Unit:使用者)という呼び方もある。
③また、生産財の場合には、購買決定プロセスはより複雑であり、ユーザー、バイヤー、アナライザー(技術的な分析をする人)、インフルエンサー(専門的なアドバイスをする人)、ゲイトキーパー(供給者と購買セクションをつなぐ人)、ディサイダー(決定者)という分類がある。

モノを「サービス経済の一形態」と捉えるのが「サービス・ドミナント・ロジック(SDL)」である。この考え方によれば、全ての企業は顧客にサービスを提供しているのであり、そこにモノの受け渡しが付随しているのが製造業だと位置づけられる。

「顧客の経済性」には二種類ある。1つは顧客のトータルコストが安くなることであり、もう1つは、顧客のコストが固定費から変動費に変わることである。
2つ目の固定費から変動費に変わるという「顧客の経済性」は新しい概念であった。


<ヒト〜属人性の排除>
ヒトに関しては、サービス業では末端の一人の行動で顧客満足が大きく左右される。
スカンジナビア航空の『真実の瞬間』・・サービス業において顧客が満足するか不満になるかは、従業員が顧客と接する15秒間で決まってしまう。
青梅慶友病院・・サービス業は、たった一人の愚行で、その企業の評価がゼロになってしまうことがある。(「100−1=0」と表現)

<モノ〜見える差別化、見えない効率化>
全てを差別化するとコストが合わなくなり、全てを効率化すると差別化ができない。こうしたトレードオフに対応するため、モノに関しては「見える所は差別化、見えない所は効率化」という二刀流での対応が必要。
そして効率化に関してはドラッカーさんの「コスト削減の最も効率的な方法は、活動そのものをやめてしまうことである」 というのが至言。
効率化の要諦は、やめるか、自分ではやらないことである。


<「売り切らない」モデルの特徴>
①景気の影響を受けにくい
②顧客により近づける
③顧客リストをアクティブに維持
④ソフト・サービス事業の拡張
⑤製品改良ノウハウの蓄積
⑥バージョンアップが容易
⑦中古市場のコントロールが可能 
サービス型事業には以上のような利点があるが、これまで売り切りをしてきた企業が「売り切らない」サービス型事業に転換し、利用料課金に移行する場合には、売上の一時的減少に直面する。
リクルートは、紙媒体からネット媒体への変換に際して、社内のカニバリゼーションを是とした。仮に社内でカニバリが起きても、結果的には市場で価値の高い方が生き残ればよいと考えたことで見事にネット媒体への転身を図った。


昨日の同期会でグローバルに活躍している外資の人間から、「最近の日本人は、ビジネスセンスがなさ過ぎる。もっと常にビジネスの種を考えていないと」という話しを聞いた。
センスは常日頃から考え続けることから身に付くのかもしれない。