2009年6月14日日曜日
『吉越式利益マックスの部下操縦術』
元トリンプ・インターナショナル社長の吉越さんが経営者向けでなく、中間管理職向けとして書いた本です。
「報連相は不要」「部下は衆人環視のもと叱るべし」「部下は教育することができない」など正直、納得できない内容が多かったのですが,19年間増収増益という実績を誇った吉越氏の考え方(本意)を知りたいと思い読んでみました。
「ホウレンソウ不要」については、代わりに”デッドライン”を設けて仕事を任せるという趣旨で、仕事の進め方含め部下に任せるということだそうです。役員クラスであれば可能ですが、新人を含め指導、戦力化していく必要のある現場の中間管理職向けにしては少々難しいお題のような気がします。
「部下は衆人環視のもと叱るべし」については、失敗の共有化という趣旨であり、常に衆人環視のもとで部下を叱ることを行っていれば、怒られた部下のモチベーション低下も最小限で済むのかもしれないと思いました。
「部下は教育することができない」という内容については、
『部下は「育てる」ものではないのです。成長する人間は放っておいても成長していきます。上司の仕事は、その成長を妨げるような会社のシステムを取り除き、のびのびと自分の限界にチャレンジできるような「場」を提供してあげることです。』
とあるので、”自己の限界にチャレンジできる「場」の提供”を部下を育てること(≒教育)と整理すると納得感があります。
吉越氏は、”教育”を「形式知」を伝えるものではなく”暗黙知”を伝えることという整理をしているようで、『仕事は教えられるものでなく、見て盗むものだ』という発言につながっているのでしょう。
19年という期間実績を出し続けるということは、まぐれでできるものではありません。
日本の良い部分は残しながら外資の厳しさを取り入れてきた吉越式。もっと研究されてもいいのかも知れません。
○英語力、経理知識など他社でも通用する能力を磨くこと。
○アウトプットを減らさずにライフワークバランスを実現すること(所詮仕事はゲーム)。
○できるマネジャーの資質は「厳しさ」。人柄は温厚であっても鋭利に研ぎすまされたEdgeをもっている。部下に盗まれるような技を身につけること。
など、見倣わなければならない内容もたくさんでした。
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