2010年2月21日日曜日

『ザグを探せ!』

商品、機能、広告、メッセージ、メディアの5つの分野において市場は極度に”氾濫”(クラッター)しており、その中でブランドを確立するためには「他者との差別化」、それも”過激なまでの差別化”が必要であるというブランディングの本。
『ザグ』とは、みんなが『ジグ』なら『ザグ』で行くべしという、「差別化」を象徴的に語ったワードである。

今日の最も強力な競争の障壁は、消費者が情報の氾濫から身を守るためにつくる”心の壁”だ。その最強の障壁が、企業ではなく個人の手に委ねられる時代が来ている。企業側ではなく、消費者が頭の中につくるこの小さな”箱”が、ブランドの境界を決めるのだ。

情報の氾濫する時代においては、まずは消費者にメッセージが自らに関わりのあるものであるということを認識させるところから入る必要がある。
そのための手法が17のチェックポイント形式で述べられている。

面白かった点を羅列する。
・似たような商品であふれかえる市場において消費者が求めているのは、商品の機能やサービスのメリットではなく、それを利用、活用したときの『集団としてのアイデンティティ』(「この商品を買ったら、どんな自分になれるんだろう?」)である。(Unique Buying Tribe)
・誰もいないところを狙う(差別化)のと同時に、時代の先端をいく必要がある。実は、その”リーダー”になるのは、そんなに難しいことではない。パレード(時代のトレンド)を見つけて、その先頭に立てばよい。
・チョキ企業(得意技:フォーカス)、グー企業(得意技:勢い)、パー企業(得意技:規模)はジャンケンの関係にある。通常チョキ企業→グー企業→パー企業と成長するが、規模の成長には限界があり、不安定状態の時期になると、パー企業においてもフォーカスが必要となる。

”商品・サービス”をイメージして書かれているのか、”企業ブランド”をイメージして書かれているのかがちょっとわかりづらい感はあるものの、普段わかったつもりになっている『差別化』について、より重要性を認識した。

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