2012年4月23日月曜日

『チームで最高の結果を出すマネジャーの習慣』

早稲田のラグビー部からJTBに入社し、その後プルデンシャル生命に転職、5年で営業マン最高位のエグゼクティブ・ライフプランナーになった小林一光氏の著作。
プルデンシャルの中で、トップ営業マンにしてトップ営業マネジャーという偉業を成し遂げた秘訣は何か。知りたくて購入した。

著者曰く、マネジャーの役割は二つあるという。
第一に「チームのサポーターであること」
第二に「会社のタテ系統の中で上と下をつなぐこと」
大切なのはこの順番。あくまでチームのサポーターの役割が一番という。

結果を出しているマネジャーにはある行動習慣がある。
それは
○メンバー同士の比較を完全に排除
○根拠のない目標はたてない
○「強み」ベースの役割分担
○効率より質を重んじる
○メンバーの見込み客数を詳しく把握する
というもの。


個人の「目標」「期中の達成度」は、チームで共有した方がいいというのが、小林氏の意見。
メンバー個人毎の目標を、全員で共有すべきかどうか悩んでいたので、一つの指針にさせてもらおうと思った。
そして、マネジャーにとって、目標設定の次の仕事はメンバーの「行動管理」。
できるようになるまで関与し続ける必要がある。



具体的なミーティングの仕方についても述べられている。
効果の高いミーティングを行うには
①ミーティングの性格付けを行う。
②事前に、メンバーの情報を吸い上げておく。
③価値の高い情報を選んで発表してもらう。
※そして当然、全員参加を義務づける。

予定表、結果表はマネジャーとメンバーをつなぐ重要なツール。
<予定表>
・何日の何時から何時まで
・誰に(顧客の名前)
・何の目的で会うか
<結果表>
・誰と合って
・どんな話しをしたのか
※そして、結果表に書き込まれた情報はデータ化して管理する。「初めて会った人が何人いたのか」「プレゼンまで進んだ人は何人いたのか」「顧客から紹介された人は何人いたのか」といった数字をエクセルで管理する。
当たり前のようだが、予定表、結果表はマネジャーは真剣に読んで、ちゃんと声をかけることが重要。

初期教育が重要なのは「最初」と「結果がでないとき」
バック・トゥ・ザ・ベーシック。これはメンバーを指導するうえでマネジャーが意識しておくべき大切なポイント。マネジャーも常に現場にでて、「最新の基礎」を学ぶことを心がける必要がある。
社内で出来ないことは社外でもできない。習慣化されていないことは、社外でミスする可能性が高い。

結果が出なくなった社員に対する接し方についての見識も勉強になる。
自信がなくなると自分のフォームが崩れる。行動がブレてくるとさらに結果も出なくなる。無理に動いても空回りして、この悪循環を繰り返すことになる。
だから結果が出ていない人に結果を求めてはいけない。
じっくり話しをきくだけでも効果がある。そのとき、注意して耳を傾けたいのは、そのメンバーの中にある「トラウマ」と「成功体験」。

心理的に追いつめられたメンバーは通常なら簡単な行動さえも実行できなくなることが多い。
①ひとまず売上のプレッシャーから開放する。
②確実にできる、基礎中の基礎、小さな行動を繰り返せる。
③「自分はできる」という意識が生まれて自信を取り戻す。
という流れを経ることで再度戦力となってくれる。


諸々、実績を伴った知見なので、非常に説得力がある。

何やら物わかりのよいマネジャー像な気がするが、やはり現実はそう甘くはない。
著者曰く、
「効率のいい仕事」とは結局の所「質のいい仕事」。そして「質」というのは「量」をこなしていく中からしか生まれない。




宮本武蔵ではないが、「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす。」は今も真実ということか。
保険の営業という仕事がベースとなっているが、色んな業種に適応できる原則が多く非常に勉強になった。

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