2009年9月1日火曜日

『CIA秘録』

その昔観たアメリカ映画ではCIAとFBIは大抵仲が悪く描かれていたが、その違いっていうのはよくわかっていなかった。
CIAはアレン・ダレスが諜報活動を目的としてつくった組織である。
映画の中のイメージでは万能の諜報機関として描かれることの多かったCIAがいかにいきあたりばったりの機関であったかが、これでもかというくらいに描かれている。
実際莫大な予算を投入して、実際に国家の一大事件に対し不意をつかれたり予測を間違えたりすることが多々あったようだ。
このような、何にお金を投じているかが不明瞭な諜報機関は、トップすなわち大統領が諜報活動に対してどのように捉えているかによって、天国にも地獄にもなる。
そのため、歴代CIA長官は組織運営よりも、時の大統領の歓心を買うことに必死になる。
意外なのはクリーンなイメージの強いJFK政権は実はCIA秘密工作に取り付かれた政権のひとつであることだ。JFK暗殺は、CIAによるカストロ暗殺失敗の報復であったということが暗に語られている。
その昔、元CIA局員の暴露本を読んだことがあったが、CIAがエージェントの教育と称して如何に無駄な研修を行っているかが述べられていた。

戦国時代の大名は多かれ少なかれ”忍び”やら”草”と呼ばれる諜報網を使ったらしい、と歴史物では書かれているが、実際のところどの程度効果があったのだろうか。
莫大な予算を投じて当たるも八卦当たらぬも八卦だとすると、諜報機関としては存在意義が無いということになる。
そもそも絶対的な諜報機関というもの自体が、夢、幻であるのかもしれない、などと思わせる本である。

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