2010年1月9日土曜日

『ワールド・カフェをやろう!』

年末に同志社女子大の上田信行先生とお話した時に「ワールド・カフェ」のお話を聞き、興味を持ったので読んでみた。
ワールド・カフェとは1995年にアニータ・ブラウンとデイビッド・アイザックスによって始められたもので、メンバーの組み合わせを変えながら、4〜5人単位の小グループで話し合いを続けることにより、あたかも参加者全員が話し合っているような効果が得られる会話の手法である。


標準的な進め方は、以下の通り。
①【テーマについて探求する】
 4人ずつテーブル(ライタブルテーブルになるように模造紙を敷いたもの)に座ってテーマ(問い)について話し合う。
②【アイデアを他花受粉する】
 テーブルホスト一人を残して、他のメンバーは旅人として、別のテーブルに行く。新しい組み合わせになったので、改めて自己紹介し、ホストが自分のテーブルでのダイアログ内容について説明する。旅人は自分のテーブルで出たアイデアを紹介しつながりを探求する。
③【気づきや発見を統合する】
 旅人が元のテーブルに戻り、旅で得たアイデアを紹介し合いながらダイアログを継続する。
④【集合的な発見を収穫し共有する】
 カフェ・ホストがファシリテーターとなって、全体でダイアログをする。

話が集中しないようなツールとして『トーキング・オブジェクト』なるものを用意すると話した時間が可視化できるらしい。

事務局側としては、前提条件(コンテキスト:目的、参加者、会議の形式、時間、場所など)の設定が非常に重要とされている。
前提条件の設定はワールド・カフェの成功させるために極めて重要であり、川の流れを結果として制御する「川の土手」のようなものと考えられているのは、通常のワークショプと同様である。

ワールド・カフェに限らないが、ワークショップにおける「テーマの設定」(「問い」)が非常に重要である。
この「問い」を考える切り口としては
[定義]→[意義]→[要素]→[行動]
というフレームで考えると有効であるというアドバイスが筆者の経験として述べられている。
新しいフレームワークであり今後活用したい。

ワールド・カフェはいい意味でも悪い意味でも「結論を出さないワークショップ」であるので、議論を収束する必要がある場合には他の手法(AI:Appreciative Inquiry、OST:Open Space Technology、Future Searchなど) と組み合わせる必要性が発生する。
そういった手法についても紹介されている。

いずれにせよ、ワールド・カフェを一度体験してみたいと思った。




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