シアトルのパイク・プレイス魚市場で実践されている4つの<フィッシュ!哲学>の実践事例を紹介しながら<フィッシュ!哲学>を学ぶことができる本。
仕事を楽しむことをベースに組織を変革するためにその根本を「哲学」という形にまで昇華している。
<楽しく仕事をするための4つの原理>
「遊ぶ」Play
・・楽しみながらやる仕事ははかどる。くつろいだ、自然な気持ちで重要な仕事に取り組むと、特に効果的だ。遊ぶとは何らかの活動のことだけではない。やっている仕事に新たなエネルギーをもたらし、創造的な解決法を引き出すような心の状態のことでもある。
遊びは内発的におこるものだから、”誘い出す”ことしかできない。
遊びには信頼も必要だ。職場での遊びを可能にするための熱意と信頼をみんなが共有していないと、本当に遊ぶのは無理かもしれない。
正しいことをする方法をさがすより、間違いを犯さないためにより多くのエネルギーを使うような組織では、遊びは盛んにならない。
しかし、人々が自由に仕事に情熱を傾け、仕事仲間に責任をもつことのできる健全な職場では、遊びは自然に発生する。「注意を向ける」「人を喜ばせる」そして「態度を選ぶ」ことと結びついた形でそれが発生した時、遊びは適切で生産的なものとなる。
「人を喜ばせる」Make Their Day
・・ちょっとした親切や印象的な応対で人を喜ばせれば、日々のありふれた出会いさえも特別な思い出に変えることができる。
自分にだけ注意を向けるのではなく、お客様や家族、同僚など、ほかの人と気持ちを通じ合わせ、彼らを喜ばせるにはどうすればよいかを考えることは、はかりしれないほどの効果を生む。「いっとき喜ばせるだけ」でもよい。
「注意を向ける」Be there
・・私たちはお互いに注意を向け合うことによって、気持ちを通じ合わせる。何かに打ち込むため、また燃え尽きるのをふせぐためにも、注意を向けるのはよい方法だ。ほかのことに気を取られながら身を入れずに仕事をすることが、疲れを生むのだから。
別のことを考えながら何かをしても、能率はあがらない。それならひとつのことに全力で取り組んだ方がいい。過去のことを思い煩ったり、将来のことを心配したりせず、現在に注意を集中していれば、おとずれるチャンスや出会った人達のニーズに対応できる。健全なものの見方ができ、集中力や創造性も高まる。
「態度を選ぶ」Choose Your Attitude
・・不満の種はいたるところにある。だが人生がもたらすものにどう対処するかを選ぶ力が自分にあるとわかれば、好ましい点をさがし、想像もしなかったようなチャンスを見つけることができる。自分が望ましくない態度をとっていると気づいた時は、別の態度を選ぶことができる。
これら4つはすべてが重なり合うものということだ。
どこから手を付けてもかまわない。
同志社女子大の上田信行先生が「これからのkeywordは”Playful”です。楽しさを重視した組織こそが活性化して結果も出すようになります」と言っていたのを思い出す。
組織も”囚人のジレンマ”のように、みんなが揃ってやればみんなが楽しい(取り分も多い)のに、お互いに信用しないと皆の取り分が少なくなるということが起きているような気がする。
”囚人のジレンマ”を一気に解消する方策。その1つの手法がこの哲学なのかも知れない。
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