2011年6月25日土曜日

『35歳からの「脱・頑張り」仕事術』

著者の山本真司氏が、自らの経験から生み出した仕事術について書かれている。
山本氏のマネジメントスタイルは「ウルトラ放し飼い」のノーマネジメント→「究極の一人プロジェクト」
という両極端に振れたらしいが、その苦しみながら試行錯誤のもと生み出されているので説得力もある。

仕事にはオーナーシップが必要ということで、いかにこの「仕事オーナーシップ」を部下に持たせるかが肝要ということになる。
仕事の最初の段階では、マネージャーが一兵卒よろしくかけずりまわり、長くても2週間程度で仮説を構築する。その検証を部下と一緒に行う。仮説に修正が必要ならばすぐに修正を行う。
間違っても悉皆調査(全数調査)的にあたって(あたらせて)はいけない。有限である時間という資源を集中的に配分するためには仮説思考が必要である。

その他にも「仕組み」として様々な仕事術が紹介されている。
○板書のススメ・・・一回見れば全体が把握できる。そして不純物が混じらない(複雑な絵は描けない。のでシンプルにしか書けない)
○部下の思考を把握するブレイン・ジャック創造思考
○リスクマネジメントの要諦は「嗅覚」にあり。ということで高頻度で短時間の打ち合わせを行う。これはワコールのトリンプの吉越浩一郎さんの早朝会議の発想同じ。
○成果物つくりは、壁塗りのように、まずは粗く全体を、次にそこそこ深く全体を、そして最後に完成塗りをしていく。これは「残念な人の思考法」で紹介されていた考え方とほぼ一緒。
○1週間に反日、手足を動かさずに沈思黙考する時間を確保する。これは意外とできそうでできない。相当な覚悟が必要。
○気楽に自分のところに駆け込んでもらうための行動
①部下が駆け込んできた時に、絶対に叱責しないこと
②トラブル処理に全力を集中すること
③原因究明は、トラブル処理に関係が薄い時には後回しにすること
これは救急医療ERの考え方と一緒。
トラブルにどう対応するかは全ての部下がよく見ている。口で言ってるだけではなく、行動で示さないとダメ。

などなど。
色んな知見が一緒になっているまとめの様な本だが、それが実際の仕事を通じて産まれてきたものである
ところに重みがある。

「お天道様はみている」というフレーズも久々に聞いた(読んだ)。

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