アップルコンピュータジャパン日本法人社長から日本マクドナルドホールディングス社長に就任した原田泳幸氏の著作。
「マクドナルドに来たばっかりなので・・」というような表現があって確認したら、第1刷は2005年4月とのことで大分前のもの。
藤田田さんから原田さんが社長になってから単純な安売り路線でなくなり、マクドナルドに元気がでてきているという認識であったので、その考え方等がどのようなものかを知りたくて読んでみた。
色々な自分の考え方が述べられていて、マクドナルド社長就任直後に著していることを考えると自分の考え方を社員に示しているのではないかと思ってしまう位である。
○20代は学ぶとき、30代は人生の方向を決めるとき、40代は決めたことを全うするとき、50代は後継者を作って自分の第二の人生・キャリアを考えるとき。
(ちなみに孔子は「吾十有五而志于学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲 不踰矩」)
○考える時間は予定をブロックしてでも確保する。
○週に一度は自己チェックをして「新しいモノを生んだだろうか、自分にプラスになることを何かしただろうか」をチェックする。
○この先、企業を伸ばすために必要なものは”スピード”。そのプランがお客様に喜んでいただけると確信できるものならば、とにかく実行に移すのがベスト。
「決定したことをすぐにやれ、はもう古い。決定しなくてもいいから、いいと思うプランはすぐ実行しろ。実行しながら検証して、ベストの結果をだせ。それが今求められているスピードだ。」
○悩む時こそがチャンス。この種の壁にぶち当たったときは、とことんもがいてみるのが一番。行き詰まりを打破する道は「考える」ことに尽きる。
○停滞期があるから急成長がある。
○リーダーにとって何よりも大事なのは、部下の能力を見極めて適材適所で配置し、チームのパフォーマンスを最大にすること。
「顧客の立場で考える」「会社レベルで考える」「グローバルな視点で考える」という三つの「考える仕事」を通じて、ベストな結果を出すこと。
○自分自身と企業の成長の核になるのは、情熱であると言っても過言ではない。
○目標も無く、現状に満足していたら、現状維持すら難しい。
などなど。
面白かったのと関心したのが一点ずつ。
面白かったのが、自分が不要と思う社員像の三つ目に「失敗をしない社員」というのを挙げている点。
理由は、失敗をしないということは、何も挑戦していないことの裏返しだから。
仕事に対する情熱が足りない社員は失敗をしなくてもダメ社員ということだ。
関心した点は、
「ビジネスの方向性を部下と共有し、持てる力を発揮させるのがリーダーであり、そこで優れたリーダーシップを発揮し人材の育成につなげるところにある。
リーダーの最も重要な役割は、実は人材育成にある、というのが私の考え。」
と述べている点。
あれだけ短期的にも実績を出している原田氏が「リーダーの最も重要な役割は、実は人材育成」というのは非常に含蓄深い。
マクドナルドが成長する訳だ。
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