ソーシャルメディアにおける『事前期待のマネジメント』というテーマで面白い本だと、FBで勧められていたので購入して読んでみた。
昨今はモノがあふれており、モノのコモディティ化が進んでいる。サービスにおいても同様の傾向にある。
モノやサービス自体で差別化が図れなくなった企業は、モノやサービスを購入した後のアフターサービスで差別化を図ろうと、様々な次のサービスを考案する。
しかし、差別化のステージはさらに次のステップに進みつつある。
お客様の購買プロセスは、大きく分けると購入前、購入時、購入後の3つのフェーズで考えることができる。
更に進んだ企業は、購入前の潜在顧客へのアプローチを開始している。
購入前段階での差別化として重要なのが「事前期待のマネジメント」だと著者は言う。
事前期待は「事前期待の内容」「事前期待の持ち方」「事前期待の持ち主」の3つの要素に分解できる。
【事前期待の内容】
サービスメニュー、サービス価格、サービス品質
【事前期待の持ち主】
ユーザーの属性、ユーザーのサービスへの関わり方
【事前期待の持ち方】
「事前期待の持ち方」はさらに以下の4つの種類に分類できる。
①共通的な事前期待:そのサービスを利用しようと考える誰もが必要としている内容
②個別的な事前期待:お客様それぞれの固有のニーズ。お客様個人の好みをデータベース化することで応えることが可能。
③状況で変化する事前期待:お客様との会話やメールのやり取りから判明する場合が多い。少ない会話の中から的確にお客様の期待を読み取らなければならない。
④潜在的な事前期待:お客様本人が気づかない場合も多く、お客様のペルソナを具体的にイメージし、お客様の立場に立って考えることでお客様にとってふさわしいサービスを考えることができる。
ソーシャルメディアを活用することによって、より一層事前期待のマネジメント(顧客の事前期待を読むこと)がしやすくなる。
ソーシャルメディアの特徴を挙げてみよう。
◯ほとんどのソーシャルメディアにはプロフィール項目があり、この情報を事前に見ることでお客様の経歴や趣味、嗜好が手に取れるように分かる。
◯従来のメディア(実際の会話やメールのやり取り)とソーシャルメディア上でのやり取りで大きく違う点は、コミュニケーションのやり取りが会話している当事者だけでなく、周りの人々(潜在顧客)にもみえるということ。
◯ソーシャルメディアでの会話には、「友人の共感」が付与されている。
◯ソーシャルメディアは、拡散性に優れているが、情報の滞留性という面では、既存のウェブサイトやブログ、紙媒体に軍配が上がる。
◯コーチングの3原則、「双方向」「継続性」「個別対応」というマインドはソーシャルメディアと相性がよい。お客様に寄り添いながら、一緒に成長していくバーチャル・コーチングで共感を獲得できる。
サービスサイエンスでは、6つのサービス品質評価軸(正確性、迅速性、柔軟性、共感性、安心感、好印象)というフレームワークでサービスを評価する。ライバルのサービスレベルのベンチマーク指標としても使える。
6つのうち、事前期待を把握し、お客様がサービスに期待している内容を紐解くには「共感性」の発揮が何よりも重要とのこと。
「共感性」には日本人の気遣い、おもてなしの心に通じるものがある。
ソーシャルメディアを活用したお客様とのやり取りは、ある意味”行間を読み込む行為”。 相手を慮るという日本的なアプローチで人の気持ちを汲み取り、その上で西洋的な仕組みで人やチームをうごかすことは日本人にしかできないのでは、というのが著者の考え方。
という訳で共感を生むためのコンテンツづくりのノウハウ。
自分の会社では、まだまだアフター段階に力を入れるところから、ようやく購入前の潜在顧客層へのアプローチのトライアルを始めた段階だ。でも、既にロイヤルカスタマーになってもらうべくロング・エンゲージメントの取り組みは鋭意継続中である。
業務を進めるにあたっても、頭の整理に非常に良い一冊だった。
昨今はモノがあふれており、モノのコモディティ化が進んでいる。サービスにおいても同様の傾向にある。
モノやサービス自体で差別化が図れなくなった企業は、モノやサービスを購入した後のアフターサービスで差別化を図ろうと、様々な次のサービスを考案する。
しかし、差別化のステージはさらに次のステップに進みつつある。
お客様の購買プロセスは、大きく分けると購入前、購入時、購入後の3つのフェーズで考えることができる。
更に進んだ企業は、購入前の潜在顧客へのアプローチを開始している。
購入前段階での差別化として重要なのが「事前期待のマネジメント」だと著者は言う。
事前期待は「事前期待の内容」「事前期待の持ち方」「事前期待の持ち主」の3つの要素に分解できる。
【事前期待の内容】
サービスメニュー、サービス価格、サービス品質
【事前期待の持ち主】
ユーザーの属性、ユーザーのサービスへの関わり方
【事前期待の持ち方】
「事前期待の持ち方」はさらに以下の4つの種類に分類できる。
①共通的な事前期待:そのサービスを利用しようと考える誰もが必要としている内容
②個別的な事前期待:お客様それぞれの固有のニーズ。お客様個人の好みをデータベース化することで応えることが可能。
③状況で変化する事前期待:お客様との会話やメールのやり取りから判明する場合が多い。少ない会話の中から的確にお客様の期待を読み取らなければならない。
④潜在的な事前期待:お客様本人が気づかない場合も多く、お客様のペルソナを具体的にイメージし、お客様の立場に立って考えることでお客様にとってふさわしいサービスを考えることができる。
ソーシャルメディアを活用することによって、より一層事前期待のマネジメント(顧客の事前期待を読むこと)がしやすくなる。
ソーシャルメディアの特徴を挙げてみよう。
◯ほとんどのソーシャルメディアにはプロフィール項目があり、この情報を事前に見ることでお客様の経歴や趣味、嗜好が手に取れるように分かる。
◯従来のメディア(実際の会話やメールのやり取り)とソーシャルメディア上でのやり取りで大きく違う点は、コミュニケーションのやり取りが会話している当事者だけでなく、周りの人々(潜在顧客)にもみえるということ。
◯ソーシャルメディアでの会話には、「友人の共感」が付与されている。
◯ソーシャルメディアは、拡散性に優れているが、情報の滞留性という面では、既存のウェブサイトやブログ、紙媒体に軍配が上がる。
◯コーチングの3原則、「双方向」「継続性」「個別対応」というマインドはソーシャルメディアと相性がよい。お客様に寄り添いながら、一緒に成長していくバーチャル・コーチングで共感を獲得できる。
サービスサイエンスでは、6つのサービス品質評価軸(正確性、迅速性、柔軟性、共感性、安心感、好印象)というフレームワークでサービスを評価する。ライバルのサービスレベルのベンチマーク指標としても使える。
6つのうち、事前期待を把握し、お客様がサービスに期待している内容を紐解くには「共感性」の発揮が何よりも重要とのこと。
「共感性」には日本人の気遣い、おもてなしの心に通じるものがある。
ソーシャルメディアを活用したお客様とのやり取りは、ある意味”行間を読み込む行為”。 相手を慮るという日本的なアプローチで人の気持ちを汲み取り、その上で西洋的な仕組みで人やチームをうごかすことは日本人にしかできないのでは、というのが著者の考え方。
という訳で共感を生むためのコンテンツづくりのノウハウ。
<共感を生む話題性のあるコンテンツ5条件>
①広く受け入れられる内容であること(心に響く、感動する)
多くの人に受け入れられるテーマだと広く拡散し、ターゲットとする人にリーチする可能性が高まる。
②役に立つ内容であること(有益であること)
人々の課題を解決するような内容だと、同じ問題意識を持つ人々の間に拡散する。
③魅力的であること(リッチコンテンツ)
映像や音声を活用した表現豊かなリッチコンテンツで届けたい内容の魅力をアップ。
④クセになる内容であること(習慣性)
ゲーム性があったり、続けて利用したくなるようなコンテンツであること。
⑤ニュース性があること
みんながあっと驚くようなコンテンツであること。
<3つの共感を意識する>
「企業やお店への共感」「発信者への共感」「情報への共感」
これからは「共創」の時代だということで、アドボカシー・マーケティング(お客様との強固な信頼関係を築くことを目的に、お客様の意向を最優先し、場合によっては他社製品を紹介したり、他店での購入を案内するなど、徹底的にお客様本位で接するマーケティング活動のこと。アドボカシー・マーケティング導入による効果は、お客様の企業に対するロイヤルティが上がること)と言った内容も紹介されている。
非常に想いを強くしたのが以下のくだり。
>>>>>
ソーシャルメディアは、手間ひまかけないとダメ。
リアルの対面ビジネス以上に気遣いをしながら進めなければならない。
ソーシャルメディアは、決して魔法のコミュニケーションツールではない。バーチャルな空間でお客様と対話しながら、お客様の事前期待を読み解きながら共感のコミュニティを実践していく共感のプラットフォームなのだ。
お客様にそっと寄り添って、地味だけれどお客様の悩みに応えてくれるパートナーの方が、長いおつきあい(ロング・エンゲージメント)が継続する。
お客様の中からロイヤル・カスタマー(自社、自店舗のモノやサービスを好んで選択してくれるロイヤルティの高いお客様を指す。飲食店でいう常連さんであり、モノやサービスを提供する企業にとってはヘビーユーザーをいう。)と呼ばれるお客様をつくることで、ロング・エンゲージメントのビジネスが実現する。
ロイヤル・カスタマーが進化すると、いわゆるエバンジェリストと呼ばれる伝道師となる。言ってみれば私設応援団的な存在であり、他の誰よりもその企業や店舗のことを愛しているお客様である。
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①広く受け入れられる内容であること(心に響く、感動する)
多くの人に受け入れられるテーマだと広く拡散し、ターゲットとする人にリーチする可能性が高まる。
②役に立つ内容であること(有益であること)
人々の課題を解決するような内容だと、同じ問題意識を持つ人々の間に拡散する。
③魅力的であること(リッチコンテンツ)
映像や音声を活用した表現豊かなリッチコンテンツで届けたい内容の魅力をアップ。
④クセになる内容であること(習慣性)
ゲーム性があったり、続けて利用したくなるようなコンテンツであること。
⑤ニュース性があること
みんながあっと驚くようなコンテンツであること。
<3つの共感を意識する>
「企業やお店への共感」「発信者への共感」「情報への共感」
これからは「共創」の時代だということで、アドボカシー・マーケティング(お客様との強固な信頼関係を築くことを目的に、お客様の意向を最優先し、場合によっては他社製品を紹介したり、他店での購入を案内するなど、徹底的にお客様本位で接するマーケティング活動のこと。アドボカシー・マーケティング導入による効果は、お客様の企業に対するロイヤルティが上がること)と言った内容も紹介されている。
非常に想いを強くしたのが以下のくだり。
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ソーシャルメディアは、手間ひまかけないとダメ。
リアルの対面ビジネス以上に気遣いをしながら進めなければならない。
ソーシャルメディアは、決して魔法のコミュニケーションツールではない。バーチャルな空間でお客様と対話しながら、お客様の事前期待を読み解きながら共感のコミュニティを実践していく共感のプラットフォームなのだ。
お客様にそっと寄り添って、地味だけれどお客様の悩みに応えてくれるパートナーの方が、長いおつきあい(ロング・エンゲージメント)が継続する。
お客様の中からロイヤル・カスタマー(自社、自店舗のモノやサービスを好んで選択してくれるロイヤルティの高いお客様を指す。飲食店でいう常連さんであり、モノやサービスを提供する企業にとってはヘビーユーザーをいう。)と呼ばれるお客様をつくることで、ロング・エンゲージメントのビジネスが実現する。
ロイヤル・カスタマーが進化すると、いわゆるエバンジェリストと呼ばれる伝道師となる。言ってみれば私設応援団的な存在であり、他の誰よりもその企業や店舗のことを愛しているお客様である。
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自分の会社では、まだまだアフター段階に力を入れるところから、ようやく購入前の潜在顧客層へのアプローチのトライアルを始めた段階だ。でも、既にロイヤルカスタマーになってもらうべくロング・エンゲージメントの取り組みは鋭意継続中である。
業務を進めるにあたっても、頭の整理に非常に良い一冊だった。
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