2009年2月21日土曜日

『坂の上の雲』


いわずもがなの司馬遼太郎センセイの傑作です。
先日大連に行った時に旅順、203高地も回ってきたので再度読み返してみました。
前回通読した時に自分は20代だったのですが、40代になって読み返してみると前回とはまた違った観点で読むことができました。
「日露戦争」という日本としては絶望的な戦争を、「国家」という意識をもち始めた日本が奇跡的な勝利を得る過程が縷々述べられています。
何故日本はロシアに勝利することができたのか。
ロシアの皇帝独裁制の弊害など色々な理由を挙げることができると思いますが、日本という資源も人口も少ない国が、文字通り国家国民が一丸となって日本国の存在をかけて準備、実施にあたったからではないかと思います。

大好きな言葉に『一隅を照らす』というのがあります。
明治のこの時期の日本人は、日本国のために己がなしうることを全国民各々のレベルで悲壮なまでになしうることで、日露戦争の勝利をつかみ取ったのではないでしょうか。
この「勝利」のために幾多もの尊い先人の生命が犠牲になっています。
よく「歴史に”if"はない」と言われますが、先人の犠牲がなければ今の日本はないと思います。

『一隅を照らす』ということを時間軸で展開して考えてみると、我々の世代はどんな役割を与えられ、何をすべきであるのか。
先人から脈々と引き継いでいるこの時代において何を実現すべきであるのか。
己もしっかり『一隅を照らし』ていきたいと思います。




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