「100ます計算」で有名な陰山英男氏のコメントで
「丸暗記でも点数があがれば、子どもはもっと勉強しようと意欲を持つ。意欲が可能性を広げる。子どもを伸ばす最も方法は、テストで良い点を取らせること、これにつきる。」
というのがあった。
どんなに頑張らせても学力が伸びない場合、全く同じ問題を最低3日間続けてやらせるのだそうだ。
ここでのポイントは”全く同じ問題”ということ。ちょっと数値を変えたり、アレンジしたりは一切しないことが大切だそうだ。
当然「丸暗記は思考力の対局にあり、子どもの頭を固くしてしまう」という反論がでるそうであるが、実はこの丸覚えこそが学力の基本であると氏は主張している。
学習の段階において、何が大切であるかは異なってくる。
能や武道においても言われる「守・破・離」も、最初は丸暗記と同じ「守」から入るのを基本としている。
要するに学習意欲(モチベーション)を下げないという最も大切なことを守りながら学ぶためには、個々人の段階に応じた内容を行うのがベストということであろう。
そんなことが可能なのかと思っていたら、『イノベーションのジレンマ』の著者として有名なクレイトン・M・クリステンセンが、「コンピューターを用いて、規制された標準的な教育を破壊し、生徒一人ひとりの違いに合わせた学習の個別化をすすめるべき」という教育論を述べていた。
認知教育学の第一人者ハワード・ガードナーに影響を受けたとのことで、
「ある人にとって当然のことがある人にとっては混乱の種だったりする。知性のタイプは多様であり、学習スタイルも多様にあるべきである。コンピューターの”本質的にカスタマイズ可能”という長所を使って、生徒一人ひとりに対して教育をカスタマイズする必要がある。」
と主張している。
実現できたら素晴らしいことだと思いつつ、どのようにカスタマイズすべきなのかについてはこれからもっともっと研究が必要である気がする。
そんなことを考えていたら、「超整理法」の野口悠紀雄氏が
「外需依存型の現状の日本経済復興のためには、内需依存型への転換が必要であり、その施策案として出生率向上施策を打ち出し、養育と教育のために資源を振り向けるべきだ」と主張していた。
”環境””農業”に引き続き、これからは『学び』の分野が熱くなるかも知れない。