2011年5月5日木曜日

『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』

「土地」というものの特性から入って、「サラリーマン大家さん」になろうという勧めの本。

日本人は世界の中でもとりわけ「不動産好き」の国民。
住宅の持ち家率は総務省「平成20年住宅・土地統計調査」によれば約61%と先進国の中でも上位の水準。

土地はなくなることのない資産。会計上でも永遠。
土地の持っている最大の価値はこの「永遠」性ではないか。
これだけ多くの活用方法があり、かつそこから多様で多額の収益を生み出すことができるのは土地だけ。
金(きん)はどこまでいっても「金」だが、土地は「顔」(建物)をチェンジすることが可能。


不動産を構成する世界が「ギャンブラー」と「大家」という2つの側面から成り立つものとすれば、町の不動産屋は、基本は大家の手伝いをしながら、ときおり不動産の仲介業務を通じて手数料を収受することが仕事。
自分で土地を売買したり、あるいはマンションを分譲したりしないので、彼らは基本的に借金をする必要がない。
「相場をはらない不動産ビジネス」ーそれが町の不動産屋。
不動産ビジネスのもつ「ギャンブル」の側面に手を出さない限りにおいて、土地は一定の安定収益源足りうる存在。
「大家」業の手伝いをベースとしている町の不動産屋はリスクが少ない。だから町の不動産屋はつぶれることがないという訳。


日本は、1年の間に土地の値段=地価について4つの異なった指標が発表される。
公示地価(国土交通省)、都道府県基準地価(都道府県)、路線価(国税庁)、固定資産税評価額(地方自治体(総務省))。
年に4回報じられるので、地価変動期には地価がすごい勢いで変動してる印象を与える。

そもそも適正な地価などという指標は、この世の中には存在しない。
土地の価格はある意味で、その国や地域が持っている活力の表象。


会社の先輩が
「つまるところ、不動産屋の能力は土地一種あたりの土地代を算出できることに尽きる」
と言っていたのを印象的に思い出した。

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