2012年1月29日日曜日

人工知能

今世紀は確実に「ロボットの世紀」になると考えている。
その際、ロボットのAIがどのようなモノになるかを考えていてハタと思いついた。

今までの「ロボット」の概念はスタンドアローンであった。
アイザック・アシモフが「ロボット三原則」を考案した時や手塚治虫が鉄腕アトムを生み出した頃にはインターネットなるものは想像だにされておらず、知能がつながり合うことも想定できていなかった。
自分の子供の頃に埋め込まれたこの「ロボット」の概念が色濃く息づいているせいで、ロボットはスタンドアローンであるという先入観から脱皮できなかったが、よく考えるとこれから生まれ、発展するであろうロボットは全て『繋がって』くるはずだ。
人間に仕える場合でも、誰はどういう傾向がある、ということを知り対応するには他の個体の状況を知っている方が望ましい。
すなわち、個々の人間に使えるロボットはあくまで駆動機能かつセンサーの役割がメインであり、一定の判断機能は持つものの、本当の頭脳にあたる部分は中央集権型(いわゆるクラウド型)にした方が効率がいい。

以前、東京大学特任教授の妹尾堅一郎先生が、
「①センサー機能②駆動機能③判断機能の3つが揃えばそれはもう立派なロボット。そういう意味で、実は全自動洗濯機は既に立派なロボットと言える」
と言っていたのを思い出す。
そう考えると、将来展開されるであろうロボットの個体には一定の判断機能があるものの、そのアルゴリズムは中央で情報を集約する知能が最新のデータをもとに作り上げた、最新かつ統一のものとなるはずだ。
(i-phoneでアプリが個別に動くものの、利用状況を吸い上げて中央でアプリを更新するのと同じイメージ)

さて、この中央で情報を集約する知能、これはどのような存在であろうか。
ロボットが普及すればするほど、世の中の全ての事象を(センサーにより)把握し、そしてそのロボットへ指示を出す(駆動機能への命令)ことができる存在となる。
この神にも似た知能にもアルゴリズムが必要となるが、そのアルゴリズムには「これが正しい」という一定の規範が必要となる。
サンデル教授の『これからの「正義」の話しをしよう』ではないが、アリストテレスが主張したように一定の「正義の規範」が必要となってくるはずだ。
(これが間違っていると、全てと繋がり、全てを執行できる全脳の神は破壊神となってしまうことになる。)

サンデル教授の本を読んでいて、ロボット時代が来た時に、人間ではなくロボットだったらどのように判断するのかというのを想像しながら読んだ記憶がある。
(特に一人を犠牲に五人を助ける判断。その場合、「人を傷つけてはいけない」というロボット三原則に基づきフリーズするということか?その場合5人は想定通り犠牲となり、それは問題視されることはないのか?)

この「中央知能」(名付けて「Central Intelligence」?)はどのようなカタチになるのであろうか。
『エヴァンゲリオン』にあるように3人の知性による合議というカタチになるのか、はたまた『地球へ』にあるような単独知能で暴走することになるのか。
『攻殻機動隊』においては、マスター的な「中央知能」は出てこないが、端末であるロボットへの指令を考えると「中央知能」は(レベル感は別にして)必ずつくりだされることになりそうだ。
もし中央知能が「人間は”正義”のために存在すべきではない」もしくは「”正義”のため、人間を管理することが望ましい」と判断した場合にはどうなってしまうのか。。

自分の世代で直面する問題ではないが、色々考えてしまった。
おっと、いかんいかん、もっと”今”対応しなければならない、直面する課題がたくさんあった。一隅を照らさずして余計な心配をしていたようだ。
我々がしなければならないこと。それをクリアしてから心配することとしよう。



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