2010年4月18日日曜日

中学校授業参観

中学校にもなって授業参観なんかあるのかとも思ったが、土曜日に上の息子の授業参観に行ってきた。
今回は担任の先生の授業をみると言うことで、参観時間が丸一日設定されている小学校とはことなり、ピンポイントの時感設定がされていたせいか、結構の数の親が来ていた。
息子の担任が体育の先生と言うことで、2クラス合同で体育の授業であった。
内容はバレーボール。
最初は12人制で、ボールも通常のバレーボールよりも大きくて柔らかそうなボールを利用していたり、女子生徒は後ろからサーブをしなくてもいいという特別ルールがあったのか、あまりバレーボールっぽくなかった。

授業の大半は実際の試合形式だったので、担任の先生の授業遂行スキル的なものは正直よくわからなかったが、混沌としたチーム編成で試合を行うので、各生徒のキャラクターがでてきて面白かった。
採用面接においても、使えそうな気がした。
(グループ討論を自由にやらせるというのは行われているが、キャンプの食事の準備のように、役割分担をしながら成果を出すテーマだと、何をやりだすか、どうコミュニケーションをとるか、なんかを観察できるのではないかと思った)

それにしても、見ていてちょっとビックリしたのが、バレーボールあまりに下手過ぎ。
もちろんバレーボールなんて初めてという生徒ばかりなのだが、昔に比べて運動能力の低下が叫ばれているのを目の当たりにした感じだった。
勉強だけでなく、運動に関しても「ゆとり教育」の弊害がでているということか。
頑張れ日本!

『岩崎弥太郎と三菱四代』

NHK大河ドラマ「龍馬伝」の影響か、坂本龍馬ブームである。
大河ドラマでは、岩崎弥太郎を香川照之が熱演していて、あまりの”熱演”に三菱グループから「ありゃ酷すぎる」とクレームが来たとか来なかったとか。
さて、そんなこともあって、岩崎弥太郎の真の姿を知りたいと思って読んでみた。
大河ドラマでは、弥太郎と龍馬が土佐藩にて若い頃からの旧知の仲として描かれるが、どうやら実際のところは龍馬が脱藩した後、長崎で亀山社中を立ち上げ、後藤象二郎と面会して以降初めて会ったかも知れないとのことである。
とはいえ、岩崎弥太郎が大言壮語の士であったことは間違いないらしい。

著者の河合敦氏は
「多くの歴史人物の生涯をひもといていくと、面白い共通点がある。
偉人の多くが少年期を過ぎてからも、弥太郎のように大風呂敷を広げ続けていることである。
さらに言うと、人格と栄達とは、全く無関係なようである。善人や悪人の別なく、天は大志を抱き続ける傾向が明瞭に見て取れる。」
と述べている。

岩崎弥太郎は海運業で日本一の会社を作り上げたが、政府の横やりにより共同運輸というライバル会社をつくられて死闘を演じることになる。
この死闘の決着をみぬまま、岩崎弥太郎は胃癌にてこの世を去ることになる。

そして弥太郎の死後、2年と経たないうちに三菱汽船会社を共同運輸と合併することを決めた。
資本金は共同運輸が6百万、三菱が5百万なので、共同運輸が優位の合併である。
新会社名も日本郵船となり、海運業で岩崎弥太郎が興した”三菱”の名前は世から消えることとなる。

ところが、岩崎弥之助は陸の三菱社を創設する。
事業内容は、銅山、水道、炭坑、造船、銀行などであり、ここから三菱の多角的経営が展開されることになる。
すなわち、実は戦前の三菱財閥、戦後の三菱グループは、弥太郎の興した三菱商会からではなく、弥之助が立ち上げた三菱社から全ては発展していったものである。

その後、岩崎弥太郎の長男、岩崎久弥が3代目、岩崎弥之助の長男、岩崎小弥太が4代目となり、各々三菱グループの基礎を作っていったということである。

意外と知られていない三菱創業者、岩崎家の顔ぶれがわかって面白かった。

あみプレミアム・アウトレット

あみプレミアム・アウトレットに行ってきた。
昨年の7月にオープンして、比較的近くにも関わらず行ったことがなかった。
三菱地所グループとなったチェルシージャパンの日本では8番目のアウトレットである。
敷地面積 165,000m²、店舗面積 21,000m²、店舗数104店とのこと。
ちなみに三井アウトレットパーク幕張が敷地面積 43,000m²、店舗面積 16,300m²、店舗数 90店。
どちらも十分一日で回りきれちゃう感じの規模感である。
三井不動産と三菱地所の両アウトレットパーク施設を見ていると
大規模:店舗面積35,000〜40,000㎡前後、店舗数200前後
小規模:店舗面積20,000㎡前後、店舗数100前後
に2分できそうなことに気がついた。店舗数が増えると店舗平均面積が小さくなるのは小規模店舗が増えるからなのであろう。(100店舗前後の場合は@200㎡/店舗くらいか)

柏インターからだと30分前後で到着できるので、非常に便利である。
駐車場も2,500台と充実している。
家族連れが多く、茨城県ならではの感もあったが、もっとテーマを絞り込むようにしたら(例えばご当地○○など)よいのではないかと思った。
すぐ近くには全高120mの牛久大仏がある。こんなのもご当地テーマの一つとして盛り込んでも面白かったのではないか。











遠方に見える牛久大仏。
圏央道走っているとその大きさには圧倒されるものがある。

2010年4月17日土曜日

『かもの法則』

2008年北京オリンピックで金メダルを獲得した女子ソフトボールチームの指導も行った西田文郎氏の著作。
人の頭の中には、思考の前段階の”予感”レベルとして「肯定的なかも」と「否定的なかも」が生まれては消えている。

『否定の「かも」が発生したら、肯定の「かも」に置き換えればいい。』

というのが西田氏の提唱する【かもの法則】である。

脳科学的に考えると、否定の「かも」が飛ぶことは、脳が努力することをやめてしまうことにつながる。
大脳辺縁系にある快不快の脳=扁桃核が「不快」になり、やる気の脳(期待の脳)である側坐核がトーンダウンし、未来を作り出す脳と言われる前頭前野の活動性が低下するのだ。

この「かも」の正体は、「未来のクオリア」であるという。
予感の「かも」はこの段階ではプラス思考でもマイナス思考でもない。(従って肯定の「かも」≠ポジティブ思考)
明確な思考ではなく、思考が形成され、概念化される前のファジーな「感じ」「質感」であり、脳科学的には「クオリア」と呼ばれるものである。(「クオリア」というと茂木健一郎さんって感じがするが)

人の脳は過去の記憶データに基づいて判断する。
だから過去に支配され、過去の延長で生きることになりやすい。
過去の延長からの脱却を図るキーワードが、不確定な未来をあらわす助詞である「かも」。
我々の脳は予感によって変わる。
予感を抱いた瞬間から、脳への問いかけが始まり、脳は「どうしたら実現できるか」を探し始める。
本人が眠っている間も、脳は懸命に探している。むしろ眠っている時の方が、常識的な理性の干渉を受けない分、いいアイデアや思いがけない発見がひらめく。

物事を実行できないのは、もともと行動力がないのではない。
「できないかも」「ダメかも」という予感が、実行力を奪っているだけ。
人を行動的にするのは、未来に対するワクワク感(喜び)。
そのためにキーワードが「かも」ということだ。
成功体験がなくても、「もしかしたら、おれにもできるかも」と思えばいい。

そういう意味で「モデル」「手本」になる人が存在する意義は大きい。
「モデル」「手本」」になる人は自分の未来のイメージだからだ。
「人生の師」は未来のクオリアであり、私たちの脳に埋め込まれた「肯定的なかも」の体現そのもの。
しかし、人生の師を見つけるには、他人に共感し、感動する素直さと、自分より優れた人の存在に気づく謙虚さがなければならない。

ちょっと動物の”かも”の話とリンクしようとしすぎているキライはあるものの、
『神様とは、愛を信じさせてくれる”錯覚”である。「愛」という翼をもった「かも」が一番高く飛べる。』
など、愛に満ちていてモチベーションを上げてくれる良書である。

2010年4月14日水曜日

スッポン料理

スッポン料理を食べました。
実はよく考えると生まれて初めて。
悪友連と「スッポン基金」なるものを貯めている割には、スッポンって食べたことがありませんでした。

生き血・・日本酒で割っていて、味は日本酒そのもの。ちっとも生臭くありませんでした。


右奥の黄色いのが卵だそうです。ねっとりとしているのに淡白な感じの味でした。
右手前がレバー。ちょっと甘みのある感じ。
左手前が胸肉。重量ありながらもやはり淡白な味。
左奥は、黒いのが胆のう、赤いのが心臓だそうです。
これは数が少ないということで、レディーと若手に割り振られました。胆のうは苦いそうです。

続いて、お鍋。
最後に雑炊。
スッポンを堪能させていただきました。
合掌。

1.4kg位のスッポンを3日位は活かしたまま水を毎日取り替えるんだそうです。
ここまでのフルコースは珍しいはず、とお店のご主人が自慢してました。


2010年4月11日日曜日

『11歳のバフェットが教えてくれる「経済」の授業』

○お金の3つの役割
1.交換の手段
2.価値の尺度
3.価値の保存

○比較優位性・・わかりやすく言うと、出来の悪い人は悪いなりに、適材適所に配置すれば、その役割を果たしてくれるということ!?

○サンクコスト(埋没費用)

など、経済のイロハをわかりやすく書いた本。

ウォーレン・バフェットとはこんな人
①アメリカの長者番付で1〜2位を争う大富豪
②「バークシャー・ハザウェイ」という世界最大級の投資持ち株会社の会長兼CEO
③1930年生まれで、かなりのジイさん
④6歳で商売を始め、11歳で株式投資デビューを果たした投資界の大ベテラン
⑤ネブラスカ州のオマハという片田舎に住み、質素な暮らしを送る賢人
⑥慈善事業団体に約370億ドルを寄付する慈善家
大富豪となった現在でも、わずか10万ドル(約1000万円)という世界的CEOとしては格安の年俸で働き続け、運転手や守衛も雇わず、若い頃に購入した質素な家に住み続けている。。
とバフェット氏の話はでているものの、正直バフェットさんが出てこなくても話せてしまう内容。

さわかみ投信の澤上社長が「大変わかりやすく。面白い」とコメントしているが、正直皮層的すぎて初心者にも物足りないのではないか。

経済初心者(それこそ11歳の中学生とか)の意見を聞いてみたい気がした。

2010年4月10日土曜日

『葬式は、要らない』

葬儀費用の全国平均は231万円(2007年)。その内訳は、
葬儀一式費用(葬儀社へ支払うもの)142.3万円。
飲食接待費用(料理屋、香典業者などへ支払うもの)40.1万円。
お布施・心付け(寺などへ支払うもの)54.9万円

国際比較でいうと、アメリカの葬儀費用は44.4万円。イギリスは12.3万円。ドイツは19.8万円。韓国は37.3万円程度(1990年代前半)とのことなので、日本人が葬儀にかける費用はダントツであり、更に近年においても増加傾向にある。

歴史的にひもとくと、飛鳥時代から奈良時代にかけての仏教は、高度な学問の体系として受容されており、死の世界と結びつきを持たなかったので、葬式仏教の側面はまったくもたなかった。(古墳に葬式仏教的な影響がないことを与えていないのを見てもわかる)
仏教式の葬式が開拓されたのは、鎌倉新仏教 道元による曹洞宗においてである。
さらに江戸時代に入って「寺請け制度」が導入されたことが現在も続く”檀家”の制度を確立した。各寺院は行政組織の末端に位置づけられ、いわば役所の戸籍係の役割を果たすようになる。これによって、村人は必ず仏教式の葬式をしなければならなくなり、戒名も授けられた。

歴史的にはどうであれ、葬式を贅沢にしているのは「世間体」であると著者は言う。
日本の場合、”個人の葬式”ではなく、”家の葬式”なのでついつい見栄をはってしまうものらしい。

面白いのは戒名料について。
戒名料の相場(○○院○○居士だといくら位)から、最近のインフレ傾向までが詳述されている。
経済的にはデフレ傾向と言われる近年、戒名料はどのように推移していくのだろうか。

墓参りの習慣は儒教に由来し、日本以外の東アジア共通の習慣だが、ヨーロッパには墓参りの慣習はほとんどないとか、社葬は日本の文化だとか、我々の常識が世界的には非常識なものも多いと知りびっくりもした。

核家族化が進んでから、その意識をもった人達(家族)の葬儀が行われるまでにはタイムラグがある。
これからは著者が「直葬」と呼ぶ簡易な葬儀、そして簡易な墓が主流になるのかも知れない。

2010年4月4日日曜日

エスポット(espot)

柏の葉で公衆電源サービスの社会実験モニターを募集していたので登録した。
駅前のUDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)、ららぽーと柏の葉、県立柏の葉公園の大きく3カ所に公衆電源が設置され、それを市民がどのように活用するのかを調べる社会実験である。
1回の利用時間は30分。
携帯電話やパソコンの電源としての利用の他、赤ちゃんのミルクを温めたり、電気コンロを利用したり、電気毛布を利用したりといったことが想定されているらしい。
登録制ということですぐ使える訳ではないことと、駅前だと実はマクドナルドに入れば無料電源が使えたりすることを考えると中々実際の利用状況が読めない部分ではあるが、今後このようなステーションが増えてくると格段に利用者が増えると思われる。
今日の時点では、登録者は120名程度とのことであった。

『田原式つい本音を言わせてしまう技術』

ご存知、テレビ司会者としても有名なジャーナリスト田原総一朗氏の著書。
「朝まで生テレビ!」とか「サンデープロジェクト」などの舌鋒鋭い突っ込みをみるに、どんな派手な技術なのかと思いきや、その根本はターゲットのことを調べて調べて調べ抜き、相手に惚れるというもの。

ロッキード事件を担当した名検事、堀田力氏の言葉に「被告に真実を吐かせる技術は”相手に惚れること”」というのがあるらしい。
凶悪犯罪を犯す人間は、追いつめられるだけの事情がある。彼らしかわからない、苦悩、懊悩がある。苦悩や屈託がない人間よりは、よっぽど何かの魅力がある。
堀田氏は、その「何か」を探すために、容疑者の生い立ちから犯罪に至るまでの経緯まで徹底的に調べ、彼らのどこかに魅力的なところを発見するという。
「何もしない人間より、犯罪者の方が魅力がある」というのが堀田氏の言だそうだ。

相手と話すときには、自分は相手にとって「邪魔っけなもの」なんだという自覚を持つ。セールスマンも同じ。
そう思っているからこそ、せめて少しでも邪魔ではない存在になろうとして、相手についてトコトン調べたり、何度もお会いしてこちらの真意を伝えようとする。

「人の意見など、ブレてブレてブレまくるくらいでちょうどいい。それは『自己否定』できる強さがあるがある証明」というちょっと過激な意見だけでなく、
「人生の極意は、運、鈍(鈍感=バカであること)、根(根性)」など、田原氏の意外な一面が伺えて面白かった。

『脳に悪い7つの習慣』


北京オリンピックの競泳日本代表メンバーに「勝負脳」の奥義を講義し結果を出したことで一躍有名になった林成之氏の著書。
脳医学の立場から、目からウロコの事実がわかりやすく述べられている良書。

脳神経細胞がもつ本能は3つ。「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」ということ。
脳が求めるのは「世の中に貢献しながら、安定的に生きる」こと、「違いを認めて、共に生きる」ことなので、他者に貢献してよろこんでもらうことは脳にとって本能的に報酬足りうるらしい。

また、脳はその機能を守るための第2段階の本能をもつ。「自己保存」と「統一・一貫性」である。
「自己保存」・・脳は自分を守ろうとする。
「統一・一貫性」・・脳は統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする。
ということなのだが、この2つが過剰に働くと本来の目的と反する結果となるやっかいな本能である。

自己報酬神経群は、ご褒美への期待をモチベーションとする。
逆に言うと「出来た、終わった」と思った瞬間、脳はモチベーションを失う。脳にとって、途中で「完成した」「できた」「達成した」といった言葉は”否定語”と同義なのである。
自己報酬神経群の働きをうまく活用するには、物事をもう少しで達成できるというときにこそ「ここからが本番だ」と考えることが大切らしい。
「そろそろ終わりだ」という情報を脳に与えると、脳の血流が落ちてしまうことが実験からわかっている。

そうは言っても、競泳のようにゴールがわかって(しまって)いる場合にはどのように考えたらよいのか。
林氏は、北京オリンピックの競泳日本代表メンバーへの講義にて、
「ゴールまでの最後の10mを、自分の”マイゾーン”であると思ってください。仲間になりたいという脳の本能を活かし、水と一体化するのです。そして、マイゾーンに入ったらこっちのもの、そこからぶっちぎりで引き離すから絶対に負けない、と考えましょう」
とアドバイスしたという。
更に北京オリンピックの競泳チームに対し、「選考会に向けて伸ばしてきた力を落とすことなく、本番までさらに今までの限界を超えて、全力で泳ぐ極限の練習を続けるべきである」という通常とは異なった方法を脳医学的な考え方として話し、コーチ陣はそれを取り入れた。
北京オリンピックでの競泳陣の目覚ましい結果は記憶に新しい。


ちょっと常識とことなるのが「コツコツ行う」ということに対する考え方。
実は脳の自己報酬神経群をよく働かせるためには、決断・実行を早くし、達成に向かって一気に駆け上がることが必要で、脳の達成率を上げ、集中してことを成し遂げるためには、「コツコツ」は間違い。
「コツコツ」や「一歩一歩」には「失敗しないよう慎重に進めよう」という自己保存のクセが隠れている。
「失敗しないように」は「失敗するかもしれない。失敗したらどうしよう」という考えと表裏一体のものであり、「失敗するかもしれない」は脳にとっての否定語。
脳にとっては「コツコツ」よりも一気呵成の方が効果的らしい。

ある実験によると人間のポテンシャルは最大で130%まで引き上げることができる。
最初に100%以上、130%を目指すという心持ちでスタートすると集中力が増し、脳の達成率をアップさせることが出来る。


林氏は救命救急センターに勤務していたこともあり、その際にも
・否定的な言葉をいっさい、使わない。
・出勤前に必ず、鏡の前で最高の笑顔をつくってくる。
・今、何をすべきかを具体的に口にだして言わせる。
・目標を簡単に変えない。
ということでチームをつくり、「脳低温療法」を開発し成果を上げるなどチームビルディングの面でも優れた実績を残している。