2010年4月4日日曜日

『田原式つい本音を言わせてしまう技術』

ご存知、テレビ司会者としても有名なジャーナリスト田原総一朗氏の著書。
「朝まで生テレビ!」とか「サンデープロジェクト」などの舌鋒鋭い突っ込みをみるに、どんな派手な技術なのかと思いきや、その根本はターゲットのことを調べて調べて調べ抜き、相手に惚れるというもの。

ロッキード事件を担当した名検事、堀田力氏の言葉に「被告に真実を吐かせる技術は”相手に惚れること”」というのがあるらしい。
凶悪犯罪を犯す人間は、追いつめられるだけの事情がある。彼らしかわからない、苦悩、懊悩がある。苦悩や屈託がない人間よりは、よっぽど何かの魅力がある。
堀田氏は、その「何か」を探すために、容疑者の生い立ちから犯罪に至るまでの経緯まで徹底的に調べ、彼らのどこかに魅力的なところを発見するという。
「何もしない人間より、犯罪者の方が魅力がある」というのが堀田氏の言だそうだ。

相手と話すときには、自分は相手にとって「邪魔っけなもの」なんだという自覚を持つ。セールスマンも同じ。
そう思っているからこそ、せめて少しでも邪魔ではない存在になろうとして、相手についてトコトン調べたり、何度もお会いしてこちらの真意を伝えようとする。

「人の意見など、ブレてブレてブレまくるくらいでちょうどいい。それは『自己否定』できる強さがあるがある証明」というちょっと過激な意見だけでなく、
「人生の極意は、運、鈍(鈍感=バカであること)、根(根性)」など、田原氏の意外な一面が伺えて面白かった。

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