2009年1月12日月曜日

『デジカメに1000万画素はいらない』


たくき よしみつさんという兼業カメラマン(?)の方が書いた本です。
一時期、デジカメは画素数が多い方が性能が高いとされていましたが、1000万画素超となってくると実は却って味気のない写真をつくるだけという盲点を指摘した内容です。

商業印刷物に使われる写真解像度は一般に350dpi(ドット・パー・インチ)なんだそうです。これは1インチ(2.54cm)にいくつの画素が並んでいるかという単位です。
葉書(148mm×100mm)の350dpiだと約281万画素に相当します。
実は350dpiというのはかなり余裕をもった解像度で、実際には200dpiで印刷しても、人間の目には差がほとんど分かりません。
1000万画素を200dpiで印刷するとすると、A3版よりも大きくなります。
つまりA3版よりも大きい紙に印刷するのでなければ、1000万画素というのは普通の人が使うカメラとしては途方もない解像度だということです。
それでも低い画素数よりは高い画素数の方がいい気がしますが、同じ大きさのCCD(受光部分)を細切れにしてひとつひとつの画素からの信号をとりだすと却って色のコントラストが出にくい写真に仕上がるそうです。

その他にも、ネックストラップを用いて第三の腕代わりにして撮影すると下手な手ぶれ補正よりも効果的であるとか、デジカメを活用した撮影方法が実際に撮影した写真付きで述べられていてとても参考になりました。

ゲーム機でも性能競争で勝ったソニーのPS3が販売ではニンテンドーのWiiに大負けしたというのもつい最近の出来事です。
売る側からすると「性能値が高い」というのは大切な『売り』ですが、本当にお客様のニーズに合致しているのかを常に見直さないと『プロフェッショナルの誤謬』に陥ってしまうということでしょうか。
自分の会社の商品企画においても気をつけなければといけないと思いました。

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