2009年12月10日木曜日

『全脳思考』

神田昌典氏の本。神田氏は売れっ子になる前から、面白い視点の人だと思って注目していた。
氏の『成功者の告白』にもある、チーム・ダイナミクスにおける「桃太郎理論」という面白い視点の考え方はこの本でも紹介されている。

物語シナリオによるプロセス管理システム論は非常に秀逸。
「何故ウルトラマンは最初からスペシウム光線を使わないか。」「何故水戸黄門は最初から印籠をださないのか。」
その答えは、我々が無意識レベルではむしろ葛藤を望んでいるから、という仮説には脱帽である。
6人による100までの数字寸劇を行うと、盛り上がる箇所は4カ所あって、平均すると33近辺、50近辺、66近辺、85〜90近辺となるらしい。
これも、我々が物語を通してみた時に山場(葛藤)を望んでいる証左であるのかもしれない。

あるサッカーの名将の
「ゲームの途中で、観客は絶望的になってブーイングを始めるのですが、私は全く気にしません。ネガティブな出来事が起こっても『あれ、どうしてかな?』と思うだけです。『勝つことは決まっているのだから、シナリオを読み違えたかな』と考えて、勝つまでのシナリオを調整するのですね」
という考え方は是非見習いたい。

この本の中核理論として『U理論』『Creative Problem Solving Method』というのが出てくる。
個人的には何となく肌感覚としてわかるのだが、わからない人も多いだろうし、わからない人には理解できないであろうこともよくわかる。
実践によって同様のことを経験していないと腑に落ちないのではないか。

人間版100匹目のサルみたいなことを信じられるかどうかという気がする。

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