2014年11月30日日曜日

『CEOからDEOへ』

Facebookで紹介されていた本。面白そうでAmazonでポチッと購入した。

DEOとは、デザイン・エグゼクティブ・オフィサーの略。
「工業化時代」から「情報化時代」、そして気がつくと「コンセプトの時代」となった今、求められているリーダー像はCEOではなくDEOだというのが著者ら(二人いる)の主張。

<「DEO」の6つの特徴>
・変化を起こす
・リスクを冒す
・システム思考をする
・直感力が高い
・社会的知性が高い
・さっさとやる(GSD:Get shit down)

ということで、この特徴に基づいて色々と知見が述べられる。

以下は面白かったことのピックアップ。
<MVPとSFD>
DEOは「MVP」や「SFD」を推奨する。
MVP:Minimum Viable Product。テストするのに必要最低限の機能を備えた製品。
SFD:Shitty First Draft。ひどい第一草稿

<役割を明確にする>
コラボレーションを成功させるには、メンバーの役割を明確にし、はっきりしたコミュニケーションを行う必要がある。
グループ内での役割を明確にするために、メンバーを「オーナー」「インフルエンサー」「パーティシパント」の3つに分けるという手法がよく使われている。
オーナーはグループ全体の成功に責任を負い、最終的な意思決定を行う。
インフルエンサーは専門知識、批評、評価、意見をもたらす。
パーティシパントは実際のデザインや開発プロジェクトに才能を提供する。
役割と責任を明確にすることで、コラボレーションにありがちな「船頭多くして船山に登る」という弊害を防ぐことができる。

<インテレーション>
短期間のうちに不完全ながらも機能する最初のプロトタイプをつくり、その結果をもとに短期間で問題点を改善して次のプロトタイプをつくるというサイクルを繰り返し、最終的に市場に出せる完成品に仕上げるやり方を「インテレーション(反復型開発)」と呼んでいる。
DEOは、そうしたインテレーション型の開発が、ニーズの変化などに柔軟に対応できるアジリティ(機敏さ、敏捷性)とスピードを生み、その2つこそが市場が求め、見返りを与えるものだと考えている。
また、小さな改善を繰り返すインテレーションを会社のあらゆる面に取り入れることで、社員のスキルアップや、先を見据える姿勢、軌道修正を当たり前のものと捉える考え方を促すことになると考えている。
イノベーションに向けたインテレーション型の手法には、実行とプロセスの両面で、ここでは挙げきれないほど多くのメリットがある。
定期的に軌道修正することで、社員からのフィードバックを促し、優れたアイデアを引き出すことができる。意見の相違や誤解にすぐに気づき、対処することもできる。
1つの仕事のサイクルを短くすることで、各チームに仕事をバランスよく割り振りやすくなる。コストも見積もりやすい。システムも改善しやすくなる。
すばやく、頻繁に、新しい知識を習得することも出来る。そして皮肉なことに、リスクを減らすこともできるようだ。


また、色んな人の名言が記述されていたので、ビっときたものをピックアップ。

「変化は、人生にとって必要なだけではない。変化こそが人生なのだ」・・アルビン・トフラー

「私たちが証明するときには「論理」を使うが、私たちが発見するには「直感」を必要とする」・・仏数学者 アンリ・ポワンカレ

「一人で見る夢はただの夢だけど、一緒に見る夢は現実になるよ」・・ジョン・レノン

「私がIBMで学んだのは、「企業文化が全てだ」ということだ」・・ルイス・ガースナー

「私たちは行動を繰り返したことで、今の私たちになっている。だから優秀さとは、単発的な行動ではなく、習慣のことである」・・アリストテレス

「私が問題を解決するのに1時間与えられたとしたら、最初の55分は問題がどういうものかを把握するのに費やし、残りの5分で解決策を考えます」・・アルベルト・アインシュタイン

そして最後が
Done is better than perfect.(完璧であるよりも、終わらせる方がいい)
誰が言ったか、事業家として現実のプロジェクトを抱えていると、身につまされる格言。


「デザインとは集団的な変化を促すこと」と定義する著者らの言う”DEO”がこれからの会社のトップリーダーとなっていくのだろうか。
そうなっていって欲しいと思いつつ、期待。

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