P・F・ドラッカーによると事業上の目的による企業買収に成功するためには5つの原則があるらしいです。
①企業買収は、買収される側に大きく貢献できる場合のみ成功する。(買収される側が買収する側に何を貢献できるかではない。買収する側が貢献できる内容は、経営能力、技術力、販売力など様々)
②企業買収は、買収される側と共通の核がある場合にのみ成功する。(共通の核となりうるのは市場であり、技術、あるいは共通の文化である)
③企業買収は、買収する側が買収される側の製品、市場、顧客に敬意を払っている場合にのみ成功する。(やがて、事業上の意思決定が必要となる。そのとき、製品、市場、顧客への敬意がなければ決定は間違ったものとなる)
④企業買収は、買収される側に一年以内にトップマネジメントを送り込める場合にのみ成功する。(マネジメントを買えると思うことは間違いである。社長だった者が事業部長になって満足しきれる訳がない。)
⑤企業買収は、最初の1年間に、買収される側の者と買収する側の者を、多数、境界を越えて昇進させる場合にのみ成功する。(買収を、歓迎されるものに仕立てあげなければならない)
①の企業買収は買収する側が買収される側に大きく貢献できるのが前提というのはちょっと意外。大抵自社の足りない部分を補うために買収するような気がしていました。
②は当然のことですね。
③についても言われてみれば長い目で見た場合当然の帰結のような気がしますが、買収する企業の”顧客”に関しても資産の一部であると言う考え方なのでしょうか。聞けば納得感あります。
④、⑤については買収するなら本気でやり、人材については分け隔てなく扱う、と言うことだと思います。
いずれも言われれば納得感がありますが、原則として打ち出してくるのはさすがドラッカーと言った感じです。
サブプライム問題で”企業価値”が下がってお買い得になっている会社が多い中で「どこだったら我が社が買収して成功するだろうか」なんて夢想するのも悪くありません。
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