2009年7月29日水曜日

天然氷のかき氷

日光の天然かき氷屋さんで修行をしている店長さんが、夏期には出身の柏に戻って来て、天然かき氷屋さんをやっています。
「三日月氷菓店」といいます。
屋台でやっていたり、他の店舗の店先を借りていたりで神出鬼没です。(確か去年食べたときはお店の名前はなかったと思います)
昨年試しに食べてみたら、その美味しいこと。
先週末の柏まつりの日に今年も食べに行きました。
天然氷のかき氷は、頭がキーンといたくならないといいます。
これは氷の温度が0℃に近くて、口に入れるとその側から融けていくからだとか。
実際に食べてみても、痛くなりません。

この『三日月氷菓店』毎週日曜日11:00〜18:00のみの営業です。
写真の生白桃は期間数量限定で520円。
やっぱり美味しかったです。

2009年7月27日月曜日

Formative Research

同志社女子大学の上田信行先生が監修するICCの展示会で、開発中のLeaning DeviceのFormative Researchを行うということで見学した。
Formative Researchとは、商品等を開発するにあたって、プロトタイプを製作し、それを一般の方に利用してもらって更に改良を加えていくための調査である。
上田先生はアメリカでSesami Streetの番組を作る時にこのFormative Researchを知り、以降活用しているらしい。
この日は、学び(Learning)を触発する家具(Device)のプロトタイプだったので、子供がどのように使うのかというのが大きな関心事項であった。
キューブ状の家具なので、積み上げるという発想は我々も想定していて、どのように積み上げるのかと興味津々だった。
積んだりひっくり返したりして使っているうちに、ある女の子が箱の中にすっぽり入ってしまい、気持ち良さそうに出てこないシーンがあった。
それを受けて別室での反省会では、「もっと大きな子も入れるくらいのボックスも造ろう」「通り抜けられるよう2面を抜いたキューブもつくろう」など色々な意見が出ていた。
現場では子供のアクションだけでなく、お母さんの意見についてもヒアリングを行っていた。
改良版についても更にFormative Researchを行い、製品のブラッシュアップを行っていく予定だ。

2009年7月26日日曜日

i-phone

先日、打ち合わせでランドスケープデザイン、照明デザイン、サインデザインの会社と打ち合わせがありました。
前に座った方がi-phone持っていたので
「携帯電話買い替えようかと思ってるんですよ。i-phoneどうですか?」と聞いたら、他の人もほとんどi-phone持っていて、自分のi-phoneを出してきて口々に「いいですよ〜」と言っていました。
流行最先端を行くデザイン系の方々ならではだと思いますが、その普及率にびっくりしました。

そのうちのお一人は「僕はi-pod touchなんですが、外でも大概無線LANでつながるので、i-phoneにしてません。i-pod touchで十分ですよ」と言っていました。
私もi-pod touchは持っていたのですが、自宅でしか無銭LANがつながらなかったので、早速Yahoo!無銭LANスポットに加入しました。
しばらくこれで使ってみようと思ってます。

普及しまくってるi-phoneですが、先ほどのデザイナー軍団の一人がポソリ。
「便利なんですけど、あまりにみんなi-phoneなんで、オリジナリティがなくてそれが嫌なんですよね。。」

2009年7月24日金曜日

『任天堂』井上理

世界のトヨタをはじめ、あらゆる業種が業績を悪化させるなか、一人気をはいている企業『任天堂』。
岩田聡、宮本茂、横井軍平、山内溥という4人にスポットを当てながら、「任天堂」という会社の強みの分析を行った本です。

いまでこそ任天堂といえば、DSやWiiの会社というイメージですが、もともとは花札メーカーでした。
その任天堂がどのようにして今のゲームをメインとした娯楽産業のトップに登り詰めたのか。

Wiiの開発秘話を読むと、その裏には「一般人のゲーム離れ」というゲーム会社としては看過できない危機感がベースとしてありました。
今までのゲーム機の常識を打ち破るインターフェイスのWiiですが、基本的な開発コンセプトは「お母さん至上主義」。
お母さんに嫌われないように形状は小さく、電気代は安く、音も小さく、リモコンは配線がちらからないワイヤレス、、ということを突き詰めて開発しました。

また、大ヒットとなったDSとの違いということで”据え置き型”の存在意義はなんだろうか、ということも突き詰めて考えられました。
「細切れの時間をいつでもどこでも使える携帯型ゲーム機に比べ、据え置き型には毎日電源を入れてもらう強い動機が必要。」
この難問の回答として出て来たのが『毎日新しい』というコンセプト。インターネットとつながることで、毎日新しい情報、それも家族全員が興味のあるコンテンツというのがソフト(Wiiチャンネル)として盛り込まれることになりました。

今でこそ大ヒットを飛ばしているWiiですが、開発時点では方向としては間違っていないという確信があったものの、お客様に受け入れてもらえるであろうかという不安もあった、という下りもあり、開発業務に携わる者としては非常に共感できるものがありました。

『肩越しの視線』・・プロトタイプを素人にやらせてみて、その反応を観察して改良を加えること。格好つけていうとFormative Research。
『ちゃぶ台がえし』・・その名の通り。英語だと”Return tea table”。おっかないですが、方向性を示した上で、結果を出すと納得につながるそうです。
『枯れた技術の水平思考』・・最先端の技術ではない、どこにでもある技術を組み合わせて、人を驚かせる仕組みを創る。
というような任天堂独自の開発手法も紹介されています。

任天堂という会社は社員数が3000人ちょっとなのですが、これだけ業績拡大(岩田氏が社長になった2002年から2008年までで売上高約3倍。純利益が約2.4倍)にも関わらず、社員数はほとんど増やしていないそうです。
これは「任天堂らしさ」を保つため。
この『任天堂らしさ』を岩田社長は
「任天堂らしさとは、独創的で柔軟であること。それから人に喜ばれることが好き。言い換えるとサービス精神ですかね。それから知的好奇心があること。」
と言っています。
一般的に”社風”といわれたりするものだと思いますが、これを大切にしているというのはエクセレントカンパニーの要件であると思います。

任天堂の歴史と合わせて語られる「カルタの歴史」も本筋とはあまり関係ありませんが、とても面白いです。

任天堂が今後、DS-i、Wiiといったヒット商品の次にどんな『娯楽商品』を出して来てくれるのか。
とても楽しみです。

2009年7月22日水曜日

『プレイフル・シンキング』

同志社女子大の上田信行先生が本をだされたということで読ませていただきました。
「学習環境デザイン」の専門家上田先生がプレイフル・ラーニングの考え方をビジネスマン向けに仕事を楽しむために書いた本です。
キャロル・ドゥエックのfixed-mindsetとgrowth-mindsetに始まって「つくって、かたって、ふりかえる」という上田先生独自の理論まで非常にわかりやすく述べられています。

物事を頼まれた時に「Can I do it?」と考えるか「How can I do it?」と考えるかで物事への取り組み方が変わります。
「世界とはこういうものだ」と人が感じている世界は、見方を変えればいくらでも違った世界に見えてくる。人はその認識によって世界をつくり変えることができる。プレイフルに考えるためには「How can I do it?」すなわちgrowth-mindsetで考えよう、というのが上田先生の教えです。

『メタ認知』についても述べられています。
メタ認知で考えると、物事の全体像が把握できます。全体における位置づけや意味合いが明確になったときに、この活動を通して何を学べばいいのかが理解できます。
メタ認知の次なる効果として、物事の本質を探ることができるようになります。
物事を表面的にとらえるだけでは、学びにつながりません。その本質的で普遍的な意味を見つけてこそ、学んだといえるのです。

頭の中にある自分の考えを外に出すことを「アウトプット」といいます。
アウトプットのよいところは、可視化したり、言語化することで自分なりにメタ認知できるだけでなく、他者とも共有できるようになることです。
アウトプットは実は学びそのものの行為でもあります。
よく、知識や情報をインプットすることが学びだと誤解されがちですが、アウトプットする過程において、インプットした知識や情報を自分なりに咀嚼し、意味の組み替えや再構築を行うことで自分のものにしていくことができます。(これを「創造的借用(appropriation)」といいます。)
自分が時間をかけてブログを書くのもこの「アウトプット」の教えに他なりません。


人生を楽しく豊かにしてくれる一番の経験は「学び」である。
そして楽しさのなかにこそ学びがある。

「Everything is situated.(全ては状況のなかにある)」


素敵な言葉も満載。
たくさんの人に読んでもらいたい本です。

2009年7月20日月曜日

プレイフル・ラーニング たのしむ∩まなぶ

初台のICC(NTTインターコミュニケーション・センター)で同志社女子大の上田信行先生が展示監修を行うということで行ってきました。
今回の展示でICC側からのお題が「ワークショップを行わずに”活動”を展示できないか」という難しいお題だったそうです。
上田先生の構想では、メタ”メタ認知”ということで”Learning about 'Learning about Learning'"がリーフレットのテーマとなりました。

会場ではメタフロアが設置され、自分も参加していた下階で行われている活動を上から見ることができるようになっています。
会場の中には色々なアーティストの展示が行われているのですが、展示期間中も観客の動向をアーティストがみて、ドンドン展示内容が進化していくようになっているそうです。
最初に見に来た人と、終わりに見に来た人では展示内容が違うなんていいのかしら、と思うようでは頭が固いということなのかも知れません。

ICCは常設展示もあります。
通常こちらは有料らしいのですが、夏休み期間は無料ということで家族連れが結構きていました。

モレスキンとペリカーノジュニア

博報堂ケトルの嶋浩一郎さんの『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』を本屋で立ち読みしていたら(買おうかと思ったら子供から急かされて購入に至らず)、
「アイデアを発酵させるための手法としてモールスキンの手帳とペリカン社ペリカーノジュニアの万年筆を駆使して、アイデアを放牧させる。資料は整理整頓しない。情報は1ヶ月寝せる」
という下りがありました。
「机が整理整頓されてない点なら負けてないぞ。このギアを使うとアイデアがでやすいのかⅠ?」などとバカな発想がとりついて我慢できなくなり、近くのジョイフル本田へ。早速購入してしまいました。

モールスキンは色々な種類があったのですが、悩んだ結果ノートの方眼紙バージョン(スクエアードノートブック)を購入。
ペリカーノジュニアは青いものを購入しました。
夏休みにフル活用してアイデアをたくさん作りたく思います。

遅ればせながらETC


3連休は連日結構な渋滞があちこちの高速道路で起こっています。
夏休みに入ったということと、ETCで高速1000円というのが効いているんだと思います。
我が家も夏の民族大移動に備えて、遅ればせながらETCを取り付けることにしました。
朝一(10時)に行ったオートバックスは「9:30から整理券配ってて今日の分は完売です。また明日9:30に来て下さい」とつれない返事。
この不景気に久しぶりに『完売』という景気のいい言葉を聞いたなどと、妙な所に感心しつつ、イエローハットにも確認すると「納品は2ヶ月くらいかかります。」とのこと。
こりゃまずい、ということで本腰入れて、なんとか16号沿いのオートウェーブで在庫を発見。無事取り付けも完了しました。
それにしても、数ヶ月前「5,000円のキックバックあり」というのでフィーバーしてた(あの時も買いに行って断念した経緯あり)のでそろそろほとぼりが冷めたかと思いきや、まだまだフィーバーしているETC業界なのでした。

気がつくと、デザインがどうのとか、機能がどうのとか選べる状況でもなく、「もうそれでいいから取り付けちゃって下さい」というマインドになってる自分が悲しいかったです。

進化するカーナビ


タクシーに乗って目的地をカーナビで入れてもらったら、どこぞに携帯電話で電話をかけて、電話先が入力してくれるサービスをやっていました。
タクシーなので自分の会社に電話してオペレーターに入力してもらっているのかと思ったのですが、携帯電話の向こうから「それではお気をつけていってらっしゃいませ」とか言っているので、別会社のサービスだと思い、運転手さんに聞いてみました。

聞くと日産のやっているサービス(後で調べてみたら日産の『カーウィングス』というサービス)だそうで、住所対応だけでなく、「○○の近くの美味しいイタリアンを」みたいな曖昧な要求もオペレーターさんが調べてくれるそうです。
電話の向こうで調べてくれて、その結果をカーナビに目的地データとして飛ばしてくれるので、安全に運転しながら目的地をカーナビ設定することができます。
好奇心から「このサービスって月額おいくらなんですか?」と聞いてみたら、「新車購入の場合には(もちろん車種にもよるのでしょうが)3年間は無料」とのこと。
「でも無料期限がきれた同僚に聞いたら、無料期間を延長してくれてるみたいですよ」とのこと。

これが本当に自動車との会話だとナイトライダーのキットみたいになるんでしょうね。

2009年7月14日火曜日

野菜工場見学

街ナカの野菜工場ということで株式会社みらいのグリーンフレーバーを見学してきました。
お店の奥に20坪程度のクリーンルームの野菜工場があり、そこで野菜を水耕栽培しています。
入室管理は徹底しているので、虫がつかないのはもちろん、通常の野菜を洗った後と変わらない清潔さなので、そのまま洗わずに食べることができます。
20坪程度の大きさで毎日収穫される量は300株。この高効率は農業の世界ではありえないほどのものだそうです。
蛍光灯で照明しているのですが、1日の内にオンとオフを繰り返すことで、野菜が「日にち経った割に成長が遅い」と勘違いし(?)生育が早まるのだそうです。
生産しているその場で販売するので、商品開発が的確になる他、いわゆるフードマイレージは0。すばらしいビジネスモデルです。
色んな場所に工場を設けて、それを遠隔管理しているのですが、なんと南極にも工場があって南極で新鮮な野菜を供給しているとのことでした。
代表取締役の嶋村茂治さんからお話もお聞きしたのですが、様々な工夫をしておられ、これからもっと発展していく予感がしました。


2009年7月12日日曜日

運転免許証更新


運転免許証の更新にいってきました。
5年ぶりだったのですが、いったら新しい免許証はIC免許証になっていました。
これは平成20年からだそうです。
受付時に暗証番号を二つ記入するように求められます。
どんな時に利用するための暗証番号なのかわからないで設定しましたが、第一暗唱番号で基本データが、第二暗証番号で本籍と写真データが確認できるようなシステムになっているようです。
このIC免許証、本籍の記載がないのですが、この目的は偽造防止。だから第二暗唱番号まで入力しないと出てこないシステムにしているとのことです。

更新時につきものの講習、優良講習だったので、30分だけで済みました。
講師の人がよかったのか、いつもと違い結構面白い講習でした。
「車間距離をしっかりとりましょう」といういつもと同じテーマなのですが、
「ヘッドライトは下向きだと40m(上向きの時は80m)までしか照らすことができないので、時速60kmで走っていると停止距離は44mなのでアウト。夜は時速50km以上はださないようにして下さい。(50kmだと停止距離は32mなのでライトで見えてから停止して停まることができる)」
というように、「スピード出し過ぎ禁止」といった道徳一般モラル的な説明ではなく、科学的な数値も交えての話だったので面白かったです。(基本的には一般道ではスピードメーターの数値ー15mというのが適正車間距離だそうです。高速道路ではこれがスピードメーター+15mとなります。)

これ以外にも手作りの資料でカーブミラーに映る車の映像を見る時の注意点などもありました。
カーブミラーの中では車は右側通行していてます。(これもよく考えないと間違えます)
その脇を走る自転車も反対側の歩道を走っているように見えるという盲点があるので、ちゃんと直視して運転することが大切とのことでした。

また、免許証番号12桁の最初の二桁は免許証を取得した都道府県を表し、次の二桁は取得した年と表すという話とか、交付番号も頭の二桁をみると、優良運転者か、一般運転者か、はたまた違反運転者か、うっかり失効者かなどがわかるようになっているというような話もしてくれました。
こんなちょっと㊙的な小ネタもいれながらでしたので、30分はあっという間でした。
内容は同じでもちょっとした工夫で、聞いていて面白くにも退屈にもなるというのを感じました。
(ちなみに、免許において自動車にも『中型』という概念ができていたことも初めて知りました。疎すぎますかね。)

2009年7月8日水曜日

5クール目完了!

妻の服薬5クール目が完了した。
これにて6ヶ月間の服薬期間は完了である。
後は定期的に検査を受けて、5年間なにもなければ完治ということになる。
5年間という期間がどのようなものになるのか、今はわからないが、とりあえず、半年間の妻の努力をたたえるとともに、大きな副作用がでなかったことを喜びたい。

2009年7月4日土曜日

『天才!成功する人々の法則』 マルコム・グラッドウェル

死因が老衰だけというアメリカ ペンシルバニア州の町「ロゼト」
1880年代にイタリアからの移民で造られたこの街の住民の死因は”老衰”のみで病気による死因がない。
これは医療統計的には全くのoutlier(外れ値)である。
イタリアからの移民による「健康すぎる」町の理由を、食生活、運動、遺伝子、土地のなりたち・・今まで考えられたあらゆる視点から理由付けしようとしたが全てがうまくいかなかった。
結局、”コミュニティ(社会や共同体)”という全く新しい視点から、健康を理解するよう医学界に発信していかなければならなくなった。ロゼトの住民が健康なのは、彼らの暮らす町、彼らが山のふもとの小さな町につくりあげた世界そのものにあったのである。。


この発想を取り入れ、成功者、天才の成功を「社会やコミュニティ(共同体)」の視点からとらえ直した本です。
これまで天才や偉人に関する分析は、その本人個人に対する分析に偏りすぎていた感がありましたが、その個人がどのような時代背景の中に生まれ、どのような教育を受け、どのような経験を積んだ結果、成功したのかが実は重要な要素である、という考え方です。

その事例として挙っているのがカナダのアイスホッケーのプロ選手。
明らかに1〜3月生まれの選手が多いのです。
カナダでは年齢を区切る期日を1月1日に設定しています。
小学校低学年前の年齢では12ヶ月の差は身体の発達に大きな違いを生みます。
そのため、小さい頃から選抜されることを繰り返し、選ばれることで練習量・経験を増やすことができるアイスホッケーという競技においては、最初の段階で選ばれるかどうかは上達するために非常におおきなポイントとなり、年齢を区切る期日に近い生まれであるかどうかと非常に高い相関を示します。
同様の傾向はアメリカの野球、ヨーロッパのサッカーにはあって、アメリカでは年齢を区切る期日が7月31日なので、結果8月生まれの大リーグ選手は多く、ヨーロッパでは年齢を区切る期日は9月1日なのでやはり9月〜11月生まれのプロ選手は多いそうです。


コンピューター関係でカリスマと呼ばれる人が何人かいますが、その生年月日を見てみると面白いことがわかります。

ビル・ゲイツ 1955年10月28日生まれ
スティーブ・バルマー 1956年3月24日生まれ
スティーブ・ジョブズ 1955年2月24日生まれ
エリック・シュミット 1955年4月27日生まれ。。

パソコン革命にとって史上最も重要な日は1975年1月で、『ポピュラー・エレクトロニクス』紙が世界初となる一般向けパーソナルコンピューターAltair8800の特集記事を組んだときだそうです。これから個人が利用できるパソコン時代の幕開けとなったとされています。
この時点でかなりの年齢に達して企業に就職していれば、きっと古いパラダイムからぬけれなかったし、若すぎても駄目。
理想的には20〜21歳。つまり1954年か1955年生まれ。上記のメンバーの生年月日の不思議な符合はそういう社会的な理由によるものも多いという分析です。

日本の歴史を見ても、戦国時代や明治維新期にはキラ星のごとくに歴史上の著名人を輩出していますが、江戸250年間には数としては有名な人物は減ってしまいます。
生物学的には同じ確率で有能な人間が生まれてくるであろうことを考えると、その時代での社会情勢というものが人の才能・潜在能力の開花に大きく働きかけるであろうことは論を待たないと思っていましたので、個人的には非常に納得感のある分析です。
藤原正彦さんが『国家の品格』で「一流の数学者は皆不思議と、美しい風光明媚な土地の出身」という風に述べていたのも、数学の法則というのは美しい自然のように調和するもので、幼い頃からそれに慣れ親しむというのは数学者としてはアドバンテージになっているのかも知れません。


著者は逆のパターンとしてIQはすこぶる高いのに社会的には成功したといえない人物に関しても分析をしています。
一般的知能(IQに近しい概念)と実践的知能という概念があり、その二つは直角の関係で直接の関連性はありません。
実践的知能には、誰に何を言うかを理解し、どのタイミングで言うか、そして、どのように言えば最大の効果があるかを理解していることも含まれます。
実践的知能には”その場を支配する権利意識”のようなもの(勝間和代さんのいう”アサーティブ”と近しい概念と思われます)が必要であり、それはどのような文化の中、どのように育ってきたのかが非常に重要なファクターであるとしています。

一時期大韓航空機で事故が多発したのは、韓国においては”権力格差”に重きをおく志向が高いので、危機発生時に副操縦士が年長の機長に対して諫言できなかった(アサーティブになりきれなかった)というのが大きな要素だっという分析もあります。
実際大韓航空では事故防止のために韓国の”権力格差を大きく捉える”という文化的な遺産の束縛をパイロットからなくすことにも力をいれたようです。

複雑な仕事をうまくこなすためには最低限の練習量が必要で、世界に通用するレベルとなるためには1万時間という”魔法の数字(マジックナンバー)”があるという意見で一致しているそうです。
「まるで脳がそれだけの時間を必要としているかのようだ。専門的な技能を極めるために必要なすべてのことを脳が取り込むためには、1万時間という時間が必要だというふうに思える」(神経学者のダニエル・レヴィンティン)
昔から一声10年やらないと物にならないというのもあながち外れていないのかも知れません。

2009年7月1日水曜日

『PLUTO』

浦沢直樹×手塚治虫のPLUTOの最終刊がついに出ました。
10日くらい前から豪華版1700円也はでていたのに、通常版590円がちっとも出ずに我慢してました。(今までの刊だと豪華版も通常版も同時発売だったのに、最終刊は商売っけがでたのでしょうか小学館。)
いや〜、家で一気に読んでしまいました。
この『PLUTO』は手塚治虫先生『鉄腕アトム』の”地上最大のロボット”という1巻が原作となっています。
主人公もアトムではなく、ゲジヒトという、原作では完全にちょい役のロボットが主役になっています。
相当別ストーリー仕立てになっているにも関わらず、本筋では原作に忠実というその外し方が見事です。
優れた脚本家にかかると全く違った趣の名作に変わるのは、やっぱり原作のテーマが優れているということなのでしょうか。

浦沢直樹氏の漫画の創り方は映画の予告編のように名場面をいくつも想定し、それを紡ぐようにストーリーをつくっていくのだそうです。
このPLUTOにもいくつもの名場面がちりばめられていました。
さすが浦沢直樹!
次回作にも期待です。