岩田聡、宮本茂、横井軍平、山内溥という4人にスポットを当てながら、「任天堂」という会社の強みの分析を行った本です。
いまでこそ任天堂といえば、DSやWiiの会社というイメージですが、もともとは花札メーカーでした。
その任天堂がどのようにして今のゲームをメインとした娯楽産業のトップに登り詰めたのか。
Wiiの開発秘話を読むと、その裏には「一般人のゲーム離れ」というゲーム会社としては看過できない危機感がベースとしてありました。
今までのゲーム機の常識を打ち破るインターフェイスのWiiですが、基本的な開発コンセプトは「お母さん至上主義」。
お母さんに嫌われないように形状は小さく、電気代は安く、音も小さく、リモコンは配線がちらからないワイヤレス、、ということを突き詰めて開発しました。
また、大ヒットとなったDSとの違いということで”据え置き型”の存在意義はなんだろうか、ということも突き詰めて考えられました。
「細切れの時間をいつでもどこでも使える携帯型ゲーム機に比べ、据え置き型には毎日電源を入れてもらう強い動機が必要。」
この難問の回答として出て来たのが『毎日新しい』というコンセプト。インターネットとつながることで、毎日新しい情報、それも家族全員が興味のあるコンテンツというのがソフト(Wiiチャンネル)として盛り込まれることになりました。
今でこそ大ヒットを飛ばしているWiiですが、開発時点では方向としては間違っていないという確信があったものの、お客様に受け入れてもらえるであろうかという不安もあった、という下りもあり、開発業務に携わる者としては非常に共感できるものがありました。
『肩越しの視線』・・プロトタイプを素人にやらせてみて、その反応を観察して改良を加えること。格好つけていうとFormative Research。
『ちゃぶ台がえし』・・その名の通り。英語だと”Return tea table”。おっかないですが、方向性を示した上で、結果を出すと納得につながるそうです。
『枯れた技術の水平思考』・・最先端の技術ではない、どこにでもある技術を組み合わせて、人を驚かせる仕組みを創る。
というような任天堂独自の開発手法も紹介されています。
任天堂という会社は社員数が3000人ちょっとなのですが、これだけ業績拡大(岩田氏が社長になった2002年から2008年までで売上高約3倍。純利益が約2.4倍)にも関わらず、社員数はほとんど増やしていないそうです。
これは「任天堂らしさ」を保つため。
この『任天堂らしさ』を岩田社長は
「任天堂らしさとは、独創的で柔軟であること。それから人に喜ばれることが好き。言い換えるとサービス精神ですかね。それから知的好奇心があること。」
と言っています。
一般的に”社風”といわれたりするものだと思いますが、これを大切にしているというのはエクセレントカンパニーの要件であると思います。
任天堂の歴史と合わせて語られる「カルタの歴史」も本筋とはあまり関係ありませんが、とても面白いです。
任天堂が今後、DS-i、Wiiといったヒット商品の次にどんな『娯楽商品』を出して来てくれるのか。
とても楽しみです。
一般的に”社風”といわれたりするものだと思いますが、これを大切にしているというのはエクセレントカンパニーの要件であると思います。
任天堂の歴史と合わせて語られる「カルタの歴史」も本筋とはあまり関係ありませんが、とても面白いです。
任天堂が今後、DS-i、Wiiといったヒット商品の次にどんな『娯楽商品』を出して来てくれるのか。
とても楽しみです。
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