2010年8月1日日曜日

『そうか、君は課長になったのか。』

佐々木常夫さんという東レ経営研究所社長の書いた本。
この佐々木さん、長男が自閉症で子供は全部で3人。課長時代には奥さんが肝臓病そしてうつ病併発で入退院を繰り返し、6時には退社する必要に迫られながら「課長職とは何か」を追求し最短距離で最大限の効果を生み出すマネジメントを編み出す。
その後東レ同期トップで取締役就任したというスゴい人である。

そのノウハウが「石田君」という架空の新任課長(佐々木氏が課長時代に配属された新人という設定)への手紙という形で綴られている。

その中に、<仕事の進め方10か条>というのがある。
①計画主義と重点主義・・目標設定→計画策定、優先順位をつける
②効率主義・・通常の仕事は拙速を尊ぶ。
③フォローアップの徹底
④結果主義
⑤シンプル主義
⑥整理整頓主義
⑦常に上位者の視点と視野
⑧自己主張の明確化
⑨自己研鑽
⑩自己中心主義・・自分を大切にすることで人を大切にできる。健康に気をつけ年休をとること。


感動した話としては、日本理化学工業の大山泰弘会長が、知的障害者たちが一生懸命働くのを見て「どうしてこの子達はこんなに一生懸命働くのだろうか?障害者の施設で、毎日のんびり暮らした方が幸せだろうに」と疑問に思ったのに対する、とある導師(禅僧)からの回答である。
「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、人から必要とされることの4つ。働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのです。彼らが働こうとするのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証なのです。」

働くことは、本当の幸せを求める人間の証なのだ。

中坊公平氏の「正面の理、側面の情、背面の恐怖」というのも、リーダーシップの発揮の仕方として、いいえて妙な言い方で関心した。

正直20年前のノウハウであり、今とは状況も違うのだが、逆に高々20年しか違っておらず、本質としては未だに参考になるものも多い。

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