「タックマン・モデル」というブルース・タックマンという心理学者が提唱したチームビルディングにおけるモデルがある。
チームが機能するために通らねばならないフローのモデルと言ってもよい。
1 形成期(Forming):チームメンバーが集まっただけの様子見のコミュニケーション段階
2 混乱期(Storming):本音のコミュニケーションから、メンバー間や上下間で衝突が起こり、混乱が生じる段階
3 統一期(Norming):混乱を経てルールや行動規範などが確立し、役割分担や共通のコミュニケーションツールができてくる段階
4 機能期(Performing):明確な目標に向かって、リーダーシップが発揮され、メンバー間の協力関係も強まり、チームの動きが成果に変容していく段階
5 解散期(Adjourning):解散の段階。当初は機能期までの4段階だったが最近はチームの解散期を最後に加えた5段階のモデルが多く使われるようになった。
大切なポイントは、チームが形成されてからきちんと機能するまでには、メンバーの心理的な対立(混乱期)が不可避であるということ。
目覚ましい成果を上げたチームには、この混乱期に激しい葛藤や対立が起きて、チームが分解寸前までいくことが多々ある。
逆に、混乱期を避けた(が無かった)チームは、一見順調なように見えていても、最後でどんでん返しを食らったり、低調な結末を迎えがち。
適度な葛藤(建設的葛藤)はチームをまとめるのに不可欠である。
「お互いに無理がきく関係」こそが、本当の意味でのメンバーシップであり、チームとして大きな成果を出すために必須ということだ。
大掃除でハタキがけをしていて、このタックマンモデルを考えていた。
当然ハタキがけをすると、部屋の中は一時大混乱で、最初よりもホコリだらけで大変なことになる。
が、このプロセスを経ないと、普通の日常の掃除と変わらないこととなり、大きな成果を生み出すことはできないのだ。
そう、普段の成果とは異なる一年に一度の大成果を求められる大掃除においては、混乱期であるハタキがけは必須なのである。
ということなので、チームビルディングの場合、混乱期を避けるのではなく、早く通り抜けつつチームの統合を目指すことがコツらしい。
「大掃除に置き換えると、早くこのホコリが舞散っている状態から早く脱却することがコツという事か。でもホコリが舞落ちるのを早くするなんてどうすりゃいいのだ」などと大掃除中にぼんやり考えてしまった。
案外ハタキがけと同じで、チームビルディングにおける混乱期には一定の時間が必要なのかも知れない。
混乱期の必要性が分かっていれば、混乱期に慌てる事無くチームビルディングを行うことができるし、これを避けていては大きな成果は得られないと思えばその不安定な時期を乗り越えることができる。
大掃除の場合には、別の部屋に行っていればいいだけなんだけどね。
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