大掃除で窓ふきをした。
窓の汚れは内側が汚れているのか、外側が汚れているのか、一目見ただけではわからない。
一度拭いてすぐ汚れが落ちれば、どちら側の汚れなのかすぐにわかるのだが、一度拭いたくらいではとれない汚れの場合には、本当はどちらの汚れなのかが判別つかず、何度も両方を拭き続けることになる。
とはいえ、大抵の場合、汚れはどちら側かの汚れである。
ただ、どちらの汚れなのかは同じ窓でも部位によって異なるのである。
これが組織において、問題が分かって(=汚れが見えて)いて、その問題に関わる担当部門が(窓の内側と外側のように)分かれていた場合、
「これはあっちの部門のせい(=汚れ)ですよ!うちには関係ない!」
「いやいや、何を言っているやら、こちらは既に課題と思われることは対応してます(=一度拭いて掃除してます)。それでも変わらなかったのだから(=汚れが落ちなかったのだから)、これはあちら側の問題(=汚れ)です!」
といったやり取りが繰り広げられるのであろう。
窓の汚れと違って、組織の問題は明確にどこに問題があるという判別がしにくい。
組織の場合、対応として、大掃除の窓ふきと同じく、窓の外側担当、窓の内側担当を分けない(同じ人間が掃除をする)、ということが考えられる。
これなら、窓の内側だろうと外側だろうと「汚れを取る」という目的を遂行することができる。
ただし、ちょっと組織が大きくなってくると、窓の内側担当、外側担当を作らざるを得なくなる。
その場合には、
①課題を解決する(=窓をきれいにする)ために発揮される強力なリーダーシップ
②窓の内側担当と外側担当による信頼関係の構築と、忌憚の無い情報交換
のどちらかが必要である。
①は優れたリーダーがいれば対応できるので、比較的現れやすいケースだが、リーダーからのトップダウン命令がないと機能不全に陥るリスクがある。
一方②であるが、これには、窓拭きチームというチームビルディングが必要であり、タックマンモデルにおける混乱期(葛藤期)を経た信頼関係が必須となる。このチームビルディングは時間も労力も要するが、一度チームができてしまえば自律的なチーム組織として機能していくことになる。
部門が出来ると当然業際というものができてくるわけだが、これが強固になればなるほど、課題は相手側の責任に(ガラスの汚れが、相手側の汚れというように)見えるようになる。
業際がある程度曖昧で、相互干渉する部分が合った方が、「あっちの責任だから」という発想はでにくくなり、組織上のポテンヒットが少なくなるのかも知れない。
などと余計なことを考えつつ、窓拭きに励んだのであった。
0 件のコメント:
コメントを投稿