2010年12月11日土曜日

学研Next講習会

子供の頃、有名だった「学習と科学」を出版していた学研の家庭教育事業本部がホールディングス化に伴い法人化したのが学研Nextという会社で、そこの家庭教育プロデューサー、酒井勇介氏の講演を聞いてきた。

新学習指導要領が40年ぶりに大改革され、
平成23年:小学校 授業時間278時間、5%アップ、新しい教科書のページ数平均25%アップ。
平成24年:中学校 授業時間360時間アップ。
ということで、授業の進め方は速くなり、家庭での勉強が増えるのだそうだ。

全国学力・学習状況調査(小中学校では2007年に43年ぶりに復活した)という小学6年生と中学3年生の調査がある。
これは学力調査の他、同時に学習環境についてのアンケートもあるので、学力とどのような習慣に相関があるのかが推定できる仕組みとなっている。
都道府県別学力ランキングでいうと、秋田、福井、青森が不動の上位3位。

秋田県の子供たちの学習環境から秋田県の子供たちの学力が高い理由を推定すると
①決まった時間に机に向かう
②机の上は学習用具だけ
③ながら勉強禁止(テレビ、ゲーム、食べる、メール)
④文字を丁寧に書く
⑤復習を大事に(この項目は秋田県がずば抜けて高いらしい)
⑥読書習慣
ということに相関があるのだそうだ。
学習時間でみると、平日の差はそれほど大きくないが、土日で秋田県の子供は他の都道府県の子供に比べて長く学習している。(週末に緩んじゃイカンということ)

OECDのPISA(学習到達度調査)で常に上位のフィンランドでは
①自分だけの本棚がある。たくさんの本を読む。
②家庭で、授業で、「なぜ?どうして?」という質問形式が多い。
③学校での出来事を家族で話し合う習慣がある。
という習慣が学力と相関があると考えられている。

国レベルで学力を上げるためには、次のどちらからしい。
①国の税金の使い方を効率的に教育関係に使うことで教育環境を整える(例:フィンランド)
②個人の家庭内での学習を充実する(個人でお金をかける)(例:韓国、中国)
韓国では子供が大学に行かない場合には恥ずかしくて山奥に引っ越さなければならないくらいらしい。
OECD学習到達度調査2009で「上海」がいきなり1位を独占したのもこの事例。ちなみに中国は都市ごとの参加ということで国全体では調査に参加していない。(格差があり過ぎて上位にいけないからだろうか)

学習の習慣は早く始めると親にも子にも負担にならない。子供は順応するのが速い。
子供の学習環境を考えて実践するのに、出産と住宅購入時は契機。

新学習指導要領変更につき、家庭での学習が大切になってくるとのことだが、その中でも
①国語の読書習慣(幼少のうちは図鑑を眺めるということでもOK)
②英語のリスニング(高校受験では配点約30%。時間がかかるので試験前だけでやろうとすると理社をやっている時間が無くなるらしい)
については家庭で早期に開始するとよいとのことであった。
小さなうちから、寝る前に 歯磨き3分、英語リスニング2分、読書(図鑑など見る本でもOK)10分の習慣が大切とのこと。
リスニングの2分なんて効果あるのかという気もするが、毎日2分の効果は毎日コピー用紙を1枚ずつ積み重ねるのといっしょ。
最初は全くわからないが、100日、200日と重ねると差は歴然となるのだそうだ。

何につけ、あの「学研」の家庭教育事業のプロが語る内容なので信憑性が高い。
これらを住宅の間取りにどう活かせるのかということについては、サワリの部分で講習は終了してしまった。
残念!

とはいえ、昨今の教育環境についてのプロの視点を聞くことができて非常に有益であった。

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