東京大学 柏の葉キャンパスに本拠地がある、東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)の機構長 村山斉先生の宇宙の秘密に迫る本。
「すべての星と原子を足しても宇宙全体の重さのほんの4%。では残りの96%は何か?」
という幻冬社らしいキャッチコピーにひっかかって購入してしまった。
以前、東大主催で、ノーベル賞を受賞した南部先生の理論を分かりやすく説明する「サイエンスカフェ」が柏の葉のららぽーとで行われた。
東大の準教授の人が説明する南部理論の内容はやっぱり難しくて正直良く分からなかったのだが、質疑の時間が面白かった。
参加していた小学生から「宇宙の果てはどうなっているのですか?」という質問がでたのに対し「実は、宇宙の果てがどうなっているのかは良くわからないんだよ。それがこれからの課題なんだ。」と回答していた。
小学生の質問なので、ある意味適当に回答するとか、ケムに巻くとかできたと思うのだが、真摯に回答している姿に好感を持った記憶がある。
小学生にとっては理科なんて必ず答えが用意されていると思っていたと思うのだが、「まだ世界で誰も分かっていない問題がある」というのはちょっとワクワクしたのではなかろうか。
さて、キャッチコピーの答えなのだが、残りの物質のうち約23%は暗黒物質(ダークマター)と呼ばれる物質で、これが存在していないとすると我らが太陽系がすっぽ抜けて宇宙の果てに行ってしまうからなのだそうだ。
(そうでなくても地球は太陽の周りを秒速30km(時速10万8千km)で回転し、その太陽系自体も秒速220km(時速約80万km)で宇宙の中を進んでいるらしい。)
その他大半約73%を占めるのが、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ばれるもので、これは宇宙という”箱”が膨張しても、その密度が薄まらないものらしい。
これは宇宙の膨張が加速してるという事実から,宇宙という”箱”がいくら大きくなっても薄まらずに、その膨張をぐいぐい後押しする謎のエネルギーがなくてはならないことから、「ある」とされている謎のエネルギーである。
宇宙は10の27乗m、素粒子は10の−35乗m。宇宙の成り立ちを研究するには実は素粒子の成り立ちを調べるのが早道という「ウロボロスの蛇」(古代ギリシャでは「世界の完全性」を表すシンボル)というのは何となく理解できたのだが、すごくシンプルで分かりやすく書かれているにも関わらず、正直後半の素粒子編の解説は難し過ぎて理解できなかった。
内容が普段の生活の常識とかけ離れた世界であるから理解には時間がかかるのか、それとも理解力の問題か。
何でも「宇宙という書物は数学の言葉で書かれている」(by ガリレオ・ガリレイ)らしいから、しょうがないとしよう。
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