2008年8月21日木曜日

『勝間式「利益の方程式」』


著者の勝間和代さんは最近色々な本でヒットを飛ばしている売れっ子ライターです。(本業は経済評論家 兼 公認会計士です。)
個人的には読書系は判官びいきなので、売れっ子ライター本は読まない方なのですが、この本は立ち読みしたら色々なところでフックがかかってしまい購入してしまいました。

この方、ワークライフバランス社会を実現させよう、という壮大な夢をお持ちで、そのためにこそ会社は儲かっていなければならない、という考えをもっています。この大義があることが、この本をそこらへんの業績アップ本とは根本的に異ならしめている気がします。(なんたって、『戦略の無い値下げは悪である』まで言い切ってます)


タイトルともなっている利益の方程式は

利益=(顧客単価-顧客獲得コスト-顧客原価)×顧客数

という至極当たり前の式なのですが、右辺の各項目について色々な示唆に富む指摘が展開されます。(何故この式なのか、実はとても深いということが読むとわかるのですが)

顧客原価のところで『KBF(Key Buying Factor:鍵となる購買条件)を把握する』というのがあって、何故お客様がその商品・サービスを購入するのかということをお客様の視点から把握するのが大切、という項目があります。
日本のサービス業(いうと製造業×輸出型以外の全ての業種)はまだまだ世界的に見ると無駄が多く効率が悪い。KBFへの過少投資とKBF以外への過大投資はいずれも避けなければならない、と続きます。

このKBF、当然一つではなく、顧客セグメントごと(例えば団塊世代と団塊Jr世代とか)にKBFは異なってきます。
この顧客セグメント毎のKBFを現場で空で言えることが利益を生む鍵である、と力説されていてうなってしまいました。
「顧客セグメント」なんていうと難しく思われますが、実は顧客セグメントの基本はやはり「年齢・性別・所得」なんだそうです。色々なセグメントの仕方をマーケティング活動を通じて実践してきた著者が言うのでとても説得力があります。

勝間さんの書籍、他のは立ち読み程度ですが、なんとなく人気の理由がわかるような気がしました。


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