三菱UFJ信託銀行の出してる本です。
不動産マーケットって客観的にみるとどうなのかな、などと思いつつ読んでみました。
よく「○○業界は○兆円のマーケット規模がある」とか言いますが、年間でどの程度の不動産取引がなされているか、皆さんわかりますか?
ちょっとビックリしたのですが、実は日本国内でどれだけの不動産取引が行われているのか正式な統計は無く、推定するのも容易ではないとのことです。(何じゃそりゃって感じですが、よく考えると今までそんなこと考えたこともなかったです)
上場企業による取引であっても、開示対象となった取引しか把握できないので、デベロッパーが分譲用に購入した土地などの販売用棚卸し資産は開示対象ではなく把握できないそうです。
また、分譲マンションについては実態に近い精度で把握できるのですが、戸建てはREINS(首都圏だと東日本REINS)に制約報告があったものみしか把握できないそうです。
わからないながらも想定でいくと新築のマンション&戸建てでどうやら年間6兆円のマーケットだそうです。
ファンドが日本で創設されたころは「ファンドの森」という概念があって、海のものとも山のものともわからない不動産の一群が「ファンドの森」の中で転売され、リスクが軽減されたりリスクが明確になったりして浄化されて「森」から出てくるイメージがあったそうです。(風の谷のナウシカにでてくる「腐海」のイメージでしょうか)
でも日本の不動産市場は長期投資主体の市場には行こうせずにオポチュニスティックな状態がつづいたのでちっとも当初の想定の「ファンドの森」になってないそうです。
最後に不動産ストックの規模です。
わかりやすいように色つきで表現してみます。
日本不動産 約2300兆円(38万平方km)
(法人所有、個人所有、国・地方の公的セクター所有。要するに日本全国の不動産の価値)
法人所有不動産 約490兆円(5.4万平方km:国土の14%)
(事務所、店舗、工場、福利厚生施設等)
収益不動産 約68兆円
(賃貸オフィス、賃貸商業施設等)
証券化不動産 約28兆円
J-REIT 約7兆円
ってな訳で最近すごい勢いで伸びてるJ-REITでしたが、日本全国の不動産のボリュームからするとまだまだなので、もっともっと伸びる余地があるというのが一般的な判断のようです。
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