2010年9月20日月曜日

『20歳のときに知っておきたかったこと』

「手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせといわれたら、どうしますか?」
アメリカ、スタンフォード大学の演習である。
課題にあてられる時間は水曜日の午後から日曜日の夕方まで。この間、計画を練る時間はいくら使ってもかまわないが、一旦封筒を開けたら、2時間以内にできるだけお金を増やさなければならない。何をやったのかは日曜日の夕方スライドにて発表する。

実は、大金を稼いだチームは,元手の5ドルには全く手を付けていない。
お金に注目すると、問題を狭く捉え過ぎてしまうことに気づいたのだ。
5ドルはあってないようなもの。元手が無いのにお金を稼ぐにはどうしたらいいのか?
多いチームでは600ドル以上を稼ぎ出した。クラス平均でも4000%の投資リターンとなった。
封筒の中身が5ドルから10個のクリップなどに変わり、「イノベーション・トーナメント」としてこの演習は現在も続いている。。

さて、学生達が何を考え出したかは本を読んでいただくとして、演習の成果から浮かび上がった意外なポイントが以下の3点である。
①チャンスは無限にある。周りを見回せば、解決すべき問題がいくらでもある。
②問題の大きさに関係なく、いまある資源を使って、それを解決する独創的な方法は常に存在する。
③我々は往々にして問題を狭く捉えすぎる。

著者のティナ・シーリグが20歳の息子に向けて書いた本ということで、
「失敗を恐れるな。自分自身に許可を与えよ」ということが繰り返し述べられている。

この本を読んで思ったのが”セレンディピティ”という言葉である。
ある目的を持って出発するのだが、必ずしも当初の目的以外の素晴らしいものを手に入れるという能力のことだ。

「ルールは破られるためにある」
「許可を求めるな。許しを請え」
「失敗こそシリコンバレーの強みの源泉」
「光輝くチャンスを逃すな」
「異質なことをせよ」
様々な言葉で、チャレンジを訴えかけてくる。

でも一番ぐっときてしまったのは、
教室の前で転んだ障害者のクラスメートや、母親を亡くしたクラスメートに何と声をかけるべきなのか。今までどのような声をかけていいのか分からずに、声をかけないで済ませて来たが、
「大丈夫ですか?何かできることはありますか?」
という一言が大切だったということに最近気がついた、という下り。
自分でも常に悩んでいる内容だからだろうか。

自分の悩んでいる内容が小さすぎて嫌になるが、何歳であっても気概というものを忘れずに日々精進したい。

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