2010年9月19日日曜日

『これだけで「組織」は強くなる』

ワタミの渡邉美樹氏と元楽天監督の野村克也氏の対談方式による組織論。
ノムさんのID野球の考え方が非常にビジネスにおける組織論とも通じることがあり面白い。

以下ノムさんの言葉>>
☆エースと4番打者がいれば、手っ取り早くチームを機能させることができる。
ここで言うエースと四番とは、他の選手の「鑑」になるような選手。「○○を見習え」というだけでチームが正しい方向にむかうような、人間的にも一流で人望のある、絶対的な中心選手のこと。
ただし、スター選手だけでは「勝てる組織」にならない。それぞれの場面に応じて、己の役割をわきまえて働いてくれる人材が必要。
☆強いチームは、勝つときは接戦、負けるときはボロ負け。弱いチームはその逆。
☆外角低めが投球の「原点」。原理原則を意識しない選手には伸びしろがない。
絶対に結果論で選手を叱ってはいけない。
☆「人間は、『無視、賞賛、非難』という段階で試される」
☆よく観察して足りないものに気づけば、人の再生は難しくない。
「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」
「失敗と書いて『せいちょう(成長)』と読む」
☆メジャーリーグには「教えてないコーチが名コーチ」という名言がある。
教えすぎると、選手から自分で考えようとする気持ちを奪ってしまう。
最初から教えようとせず、選手の中で問題意識が高まるようなアドバイスをして、「今のやり方でいいのか?」と疑問が生まれるように仕向けるのがいい。
「どうしたらいいでしょうか?」と訊いて来た時こそコーチの出番。絶対に突き放してはいけない。この時が徹底低に教え込むチャンスで、見違えるほど成長を遂げる可能性を秘めている。
日本の球界も慢性的な人材不足。コーチを任せられるこれという人は少ない。


渡邉さんも良いことおっしゃっているのだが、同じビジネス畑なので真新しい感じの話は少なく感じた。
その中でも
人の「再生」のキーポイントは、「その人の一番強い部分で勝負させてあげる」ということ。
言葉を変えると、その人の「存在対効果」を高めるということ。
という話の中の「存在対効果」(「費用対効果」からの渡邉氏の造語)という発想は面白かった。

野球好きな人だともっと共感を持って読めるのかもしれない。

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