佐々木常夫氏の本で絶対に読むべしと書かれていたロングセラー。(佐々木氏が新任課長の石田君宛の手紙形式で書いたのはこの本の影響であろう)
タイトルが印象的だったので父が読んでいたのは知っていたが(読めとも言われなかった)が、恥ずかしながら読んでいなかったので、読んでみた。
「ひとりの父親は百人の教師に優る」by ジョージ・ハーバート
という言葉があるらしい。(佐々木氏も引用していた)
少なくともキングスレイ・ウォード氏は30人の教師と同等だったようだ。
30通の各手紙の最後に書かれている自称が面白い。
子煩悩の親父より
君の進路指導教官より
君の応援団長より
カヌーの相棒より
君の教育の最高責任者より
君の守護天使より
「自分のやり方でやった」ウォードより
同じ道を志す友より
同僚より
共同経営者より
愛の天使より
「臆病者」より
君の資金源の父より
君に拍手を送る聴衆のひとりより
エミリー・ポストより (※エミリー・ポストはアメリカの著名エチケット・アドバイザー)
君と懇意の銀行家より
一歩も譲らないウォードより
ウォード船長より
本の虫より
完璧主義者より
人事部長より
君の親友でもある父親より
香しい花より
君の行きつけの個人金融業者より
君を破産宣告から守る最高の保護者より
共に健康を謳歌する釣り仲間より
君に感謝している同業者団体の会員より
元社長より
父さんより
息子が大学に入るところから、息子に社長を継がせて引退するまでの書簡なのだが、最後の自称が単に
「父さんより」
で終わる。
シンプルだがグッとくる終わり方である。
わざわざ人に読まれるために書かれたものでないので、父親の温かいまなざしを存分に表現している感じがする。
自分が子供に対してだったらと考えると、単に「説教」して終わってしまいそうである。(しかも「説得」でもない)
きっちりと伝えるためには手紙にするというのも一つのやり方かと、考えてしまった。
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