2012年11月4日日曜日

予備校説明会

高校生の息子が行っている予備校が11月から新学期ということで説明会に行ってきた。
自分たちの時代の”予備校”というと、マンモス会議室で有名講師が講義を行う形式のイメージだったが、最近の予備校は大分方向性が異なるようだ。
まず、予備校なのに「人間力。そのためには心の指導が必要」ということを冒頭に掲げている。昔の予備校であれば大学受験を乗り切るために如何に成績を上げるかのスキルを磨くことが重要で、「心の指導」なんてチャンチャラおかしいということだったと思うが、それが変わってきている。
説明してくれた先生が、
「予備校も大学受験で生徒を何人入れたかの実績数字を伸ばすためには、試験で点を取るためのスキルをつけさせたり、試験問題範囲を的中させるだけでは限界があり、如何に子供達のモチベーションを高めて学力をつけさせるかが大切だからだ」とポロッとおっしゃっていた。
建前の世界で「人間力」を標榜しているのではなく、受験戦争を勝ち抜くためにはベースとなる人間力から磨いていかないと限界がある、という必要性からの方向転換ということだ。企業が「人材育成」の重要性を唱えるようになったのと同じ理由かもしれない。

日本の子供達を世界で活躍できる人財にしたい、ということについては共感できたのだが、「現代の難しい世界の課題を解決するのは、今の子供達だ」とするくだりについては、「なんで今の大人(我々)じゃダメなの?」と思ってしまった。
まずは我々が必死に課題解決を目指し、それでダメだった部分を今の子供達に引き継いでいくということのはずだが、それをいきなり「課題を解決するのは子供達」というのでは、重荷を背負わされる子供達もたまらないのではないか。

それはさておき、子供の学力と入試の時系列の分析で面白かったのが、マスで捉えると一流校に入る生徒達もそうでない生徒達も学力(テストの点数)の伸びは一緒ということ。
だから予備校の立場からすると「早く始めた者勝ち」ということになるのだが、これには一定の説得力があった。
車で高速道路を使って遠方まで行くとき、時速を100kmから120kmにするとかよりも、早く出発する、もしくは休憩を取らないといった方が到着時間に大きく寄与する。長距離走である受験勉強も同じことが言えるということか。

高校3年生の1日の勉強時間を難関校に合格した生徒と不合格だった生徒で比較すると、5.5時間/日と5.4時間/日でほとんど違いがないのだそうだ。つまり、高校3年生になってからは皆勉強するので差がつくのはその前段階ということらしい。
(そうすると今度は、その前段階の高校2年生での合否における勉強時間の差が気になるが・・)

一つの戦略方針として面白かったのが、「人間初めてのことでは余り力を発揮することができない。だから、まずは未習分野をなくすべく一通りのテスト範囲を勉強してしまうこと」というもの。
また、テストの成績は投下した時間(勉強した時間)と比例して伸びるわけではなく、べき乗的に伸びる。
従って「やり続けるとすぐには伸びないが、ある時突然伸び始める」というのは自分の実感とも合致している。

理屈では分かっていても、自分でやるのは難しいし、子供にやらせるのはもっと難しい。。トホホ。

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