2012年11月18日日曜日

『これだけ!PDCA』

我が社においても「PDCA」「KPI」という言葉が普通に使われるようになってきた。
これらの言葉、新しい言葉ではないにも関わらず、常に重要だと言い続けられる。
言い換えると、常に「出来ていない」ということだ。
基本に立ち返り、何が原因でPDCAサイクルを回すことができないのか、をもう一度学びたいと思い読んでみた。

PDCAがPDで終わってしまうのは、そもそも計画(Plan)が作れていない。
「計画」と違って「計画らしきもの」には「何を」「いつまでに」があっても、「誰が」「どうやって」がほとんど明らかになっていない。
その理由は
(1)計画を作るタイミングが悪い。
決算月と合わせて来期の計画を立てようとするとじっくり考える時間が思うようにとれない。いきおい最低限の体裁を整えた「計画らしきもの」で乗り切ろうという考え方になる。
(2)計画を承認する組織構造に問題アリ
各部門の計画についてまで、一々上層部が検討することはない。抜け漏れのチェックに必要な「何を」「いつまでに」があれば議論するには十分なので、得てして部門に任される「誰が」「どうやって」が抜け落ちる。


いずれも我が社でも心当たりのある内容である。
部門がつくる部門運営方針は「何を」「いつまでに」だけであり、それをブレイクダウンした「誰が」「どうやって」は走りながら考えることとされることが多い。


企業として「何をすべきか」の絞り込みにおいて、非常に有効なやり方が記載されていた。「お客様との約束」を決めるというやり方だ。
「お客様との約束」は経営陣との議論だけでは決めることができず、現場のリーダーを巻き込みながら策定していく必要がある。

「お客様との約束」
「顧客満足度」を高めようと掲げていながら、「ではどんな仕事をすべきか」といった実務面まで具体的に落とし込まれていないことが多い。
「お客様との約束」とは、その約束を果たしていれば会社の利益が上がる、というイメージにつながるものでなければならない。(☞会社も顧客もWIN-WINの関係。exマクドナルドの「できたてを素早く提供する」)
「お客様との約束」が定まれば、その約束を果たすためにやるべき仕事が鮮明になる。
約束に直接関係のない業務は、極力効率かするばあいのよっていはやめることもできる。

「お客様との約束」の事例
サウスウエスト航空 「低価格」「時間を守る」「楽しい空の旅」
お客様との約束は徹底して実現に取り組むことで、競合との明確な差別化要素にまで高めることが可能。
何が本当に必要な仕事で、何が無駄な仕事かを明らかにできることから、会社としては利益があがる。



アクション実行時(A)には”しがらみ”からの脱却が最大のポイント。
(1)評価制度によるしがらみ

人は「評価されるよう動く」という事実。
(2)組織構造によるしがらみ
縦割り組織の弊害。積極的に部門の壁を超えてコミュニケーションをとらなければ、粗組織構造のしがらみはいつまでも解決されない。
(3)習慣によるしがらみ
「ルールだから」「マニュアルだから」ということで思考停止。
「本来どうあるべきなのか」を考えることが必要。
(4)考え方によるしがらみ
自らのうちにある「思い込み」こそが、考え方のしがらみ。
特別な業界などないし、どんな業界であれ特別とも言える。

<形状記憶組織>

そもそも組織というものは、成果が出なければすぐに元に戻ってしまう傾向にある。
人も組織も、もともと取っていた行動(=習慣)を変えるには、大きなストレスがかかる。そのストレスに耐えるためにも、早い段階での成果が必要。

とはいえ、早い段階での成果を求めすぎるとアメリカ金融機関にあったように四半期決算毎に利益が見えないような短期施策以外はやらないということになるので、そのバランスが大切ということか。

使い古されているPDCAも、「何故できていないか」を分析されてみると、なるほどと思うことが多い。
参考にしながら日々の業務を実践したい。

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