2009年8月9日日曜日

フレームという制約条件

鶴岡では湯野浜温泉の一久という宿に泊まったのですが、これが非常に素晴らしい宿です。
お部屋から夕日の沈むのが見れるようになっているのですが、きちんとサッシでフレームが構成されていて海と空を切り取ったような景色を楽しむことができます。
まるでジェームズ・タレルのインスタレーションのような感じです。
窓に寄ると海全景が見えるのですが、実はサッシでフレームをつくって見える部分を制約した方が素敵な景色となります。
脳も敢えて自らを制約するために「ストコーマ」といわれる盲点をつくるのだそうです。
これは脳が全力を発揮するとエネルギーを食い尽くしてしまうため(いまでさえ体重の2%しかない器官がエネルギーの20%を消費しているのですから)ということでしたが、仮にエネルギーが足りていたとしても、脳は敢えてフレームを設けるのではないでしょうか。
フレームを設けることで世界がより素敵なものに見えてくるからです。
楽しく生きるものが生き残るという適者生存仮説があるとすると、生き残るものの脳は敢えてフレームを設けるような気がしました。
認知心理学的にはこの「フレーム」というのは自ら変えることができるとのことです。
同じように生きるのであればより楽しく感じられるフレームを脳内に構築したいものです。

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