2008年12月10日水曜日

『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』



池上正さんという、Jリーグの少年サッカーを指導している方の書いた本です。
少年サッカーということが題材になっていますが、あらゆる場面で人を伸ばしていくエッセンスが満載の本です。

「馬を水場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」とよくいわれます。
モチベーションを持たせるために、得てしてリーダーは苦労するものです。
いわんや小学生をや、といった感じで、この飽食の時代の子ども達にハングリー精神を持たせるために、親ができる3つのサポートが書かれています。

ハングリーさをもたせるために親ができる3つのサポート
①親子の会話をすること。具体的に目標を描けるように働きかけること。
具体的な目標を描くことで、具体的に何をすることが必要か見えてくる。
②夢をもてる機会を何度でも与えること。
スポーツでも、習い事でも、いろいろな「やり直し」の機会を子どもに何度でも与えるべき。
③子どもに「余裕」を持たせること。
中途半端にスポーツをやってきた親の子どもはかえって可哀想。
余裕をもって楽しくやることで途中で燃え尽きずに済む。

「本当に頑張れる子というのは、失敗をすることが恐くない子なのです。
親が結果を気にすると子どもは失敗を恐れていろんなことにトライしなくなります。」ということが書いてあります。
これって、言い方は違いますがgrowth-mindsetとfixed-mindsetの考え方そのものですね。
究めていくと、テーマは何であれ同じようなところにいきつく感じがしました。

また、異年齢集団でサッカーをすると全員丸ごとうまくなるそうです。
「縦の関係」になると、子どもは他者を信頼し、思いやることの大切さを身をもって学びます。
縦割りの異年齢の関係を築くことで、賢くて、やさしくて、強い子どもが育つのとのことです。

ららぽーと柏の葉でクライミングウォールを教えてくれていたりする千葉大の徳山郁夫先生の話が2回も出てきます。
「練習というのは、できないことをやるのが練習だ。練習でできることばかりやっているのであれば、それは練習ではない。」by徳山郁夫

少年サッカーがテーマなので、上から目線(教える側)で考えられたりもするのですが、翻ってよく考えてみると、ほとんど自分たちにも(教わる側として)当てはまったりします。
上の徳山先生のお話も”練習”を”OJT"と置き換えるとそのまま我々にも当てはまるのではないでしょうか。
少年サッカーを通じて得られた、常にモチベーションを高く持ってチャレンジし続けるノウハウが満載の良書です。

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